VRChatのフレンドに怪しいサービスに案内されて20万円の支払未遂になった話(前編)
結論という名の自戒。
行き先や内容が曖昧な誘いは怪しむ
突然高額なサービスを紹介されたら危険
どんな状況に置かれても、フレンドの関係が切れる可能性があるとしても、本当に自分がやりたくないことやヤバいと思ったことはやらない勇気を持つ
はじめに
はい、タイトルが全てです。文字数の制限で表現を端折ったんですが、本記事は「VRChatのフレンド(以降、Aさん)に怪しいサービスに案内され、20万円の支払い手続きをしたがクーリングオフで支払いと契約を解除出来た」レポート記事です。
そもそも「これを書いて公開すべきなのか?」と悩んだのですが、解決に至るまでのレポートだったり、起きた出来事の報告だったり、その他色々な事情を考慮した上であえて包み隠さず公開することにしました。
諸注意
本記事を通じてAさんやその関連する団体が記事単独で特定出来ないよう、出来事の本質が変わらないレベルで一部文言を変更しています
意図的に全体的に細かい内状等を端折って説明していますがご了承ください
20万円の契約に至るまで
Aさんとの出会い
僕は2019年9月9日からVRChatを始めていて、確か2019年の終わり頃〜2020年前半にVRChatのイベントを通じてAさんと出会ったと記憶しています。
普通にVRChatのイベントで見かけたら声をかけたり、ゲームワールドで遊ぶことも何回かあったり、なんならリアルでも偶然会った時にはお酒を他のVRChatのフレンドと飲んだり……と比較的友好的な関係でした。
はじまり:交流会へのお誘い
2023年9月某日、AさんからLINEで「僕SEが気になっててSE交流会に行こうかな?って思ってたんど、影虎。さんも一緒にどう?」というお誘いを貰いました。それに対して「前職だったしたまにはそういうのも悪く無いかもな〜」と思い、承諾して行くことにしました。
当日の交流会は都内某所で行われ、僕・Aさんを含む参加者と進行役で、提供された料理を食べ飲みしつつSEのあるあるなどを語って非常に盛り上がっていました。一通り交流が終わった後、そのイベントの進行役だったBさんをAさんに紹介してもらい、3人のLINEグループを作ってもらいました。
その日は食事会のみで終了し、帰宅中にLINEで「本日はありがとうございました!」のお礼を言っておきました。「また機会があれば参加してみたいな」と思っていたのですが、この思いが後日起こる出来事に繋がってしまいました。
「スペシャルイベント」への招待
2023年10月某日、グループLINEにてAさんが「Bさん、影虎。さんがこの日空いてるみたいなのでスペシャルイベントに招待しても良いですか?」と書き込みました。それに対してBさんは了承し、僕も僕でAさんを信頼していたのもあったのでその「スペシャルイベント」に行くことにしました。
イベント当日は会場に沢山の方がいて、中にはAさんとの友人もいました。Aさんを交えつつ初対面の方と話をしながら時間を潰しつつ、イベントの参加費を支払い席へ。
ざっくり言うと「スペシャルイベント」の中身は株式会社ABC(仮名)の説明会でした。「株式会社ABCはこんな会社で、こんなサービスを提供しているしSEのサポートも行なっている」という内容でした。SEに関する話は僕も知っている内容が多かったので、「まあ確かにそうだな〜」ぐらいの温度感で聞いていました。
そして、イベント終了。ここからが本題。
突如用意される契約書。
イベント終了後、講談者の方と話す時間をAさん経由で設けてもらいました。SEに対する話を振られて、正直に「実はSEを辞めて別のことをしているが、今後副職でSEをやる選択肢は頭に入れている」という旨を伝えました。それに対して講談者の方も「それならこの説明会、丁度良かったですね〜!」と明るく返してくれました。
その後、講談者の方が一旦席を外して戻って来て僕の手元に出されたのは株式会社ABCのサービスを受けるための契約書でした。ここで「あれ……何故急に契約書が……?」と違和感をここで抱きました。さらに契約書の中身を見ていると「紹介した人数によるランク制度」に関する記載がありました。
上記の記載と説明会の内容を照らし合わせた瞬間、察しました。
"これ、広義のマルチ商法では……?"
しかしながら、「クーリングオフの記載がある通り、契約の取り消しは可能です(丁寧に説明していました)」「このサービスに入れば、SEとして働く上でこんな恩恵が得られる」「今契約せずに後悔するより、今後の将来に向けて第一のステップを踏み出しませんか?」という話術で断りにくくなってしまって、「やってみますか……」と断れずに契約書にサインをしてしまいました。
そして更にサービスの登録料として、クレジットカードによる約20万円の支払い処理も行ってしまいました。
ここまでの契約書の流れ、勇気を持って断れたら良かった。いつ思い出しても本当に悔しい。特にAさんに対しては僕は「良い人」と思っていたので、何も細かいことを伝えずにこのような「スペシャルイベント」に僕を連れて行ったことに対して非常に残念に思いました。
「スペシャルイベント」終了。
「スペシャルイベント」が終わって、その日の夜はAさんの提案による食事会も予定されており、当初は行く予定でした。ただ、ここまでの流れを通じて「ヤバい、これ以上関係者や関連するコンテンツには関わらない方が良い……」という危機感を覚えました。
Aさんと食事会の会場に向かう途中、何とかして逃げる口実を作りたいと考えた結果、「遠くから親戚が家に遊びに来ている」という前提で親から電話がかかってきたフリをして、「ごめん、ちょっと今親戚が遊びに来てるみたいで、親から『折角だし今から会いに帰って来い』って言われちゃって……」とAさんに提案しました。
幸いにも自分の通話のフリが上手かったのか、その提案を素直に受け止めてもらい解散出来ることになったので、食事会には行かず真っ直ぐ帰りました。
契約後、帰宅。
……やってしまった。サインしてしまった。
クレジットカードの支払い処理も行なってしなった。
そんな絶望感を抱きながら電車に揺られて帰宅しました。
株式会社ABCへの違和感
家に帰って契約書の内容を見直しつつ株式会社ABCについて調べると、案の定悪い口コミが多数見受けられました。そして「完全にヤバいところだ」と確定出来るキッカケになったのが国税庁の法人番号公表サイトです。
このシステムを利用して、契約書に記載されていた株式会社ABCの住所を調べたところ……
166件?
一言一句全く同じ所在地の法人がこんなに??
ヤバい。
これで完全にヤバい所だと自分の中で改めて確信しました。
そしてこの日は夜遅く、親は実家に帰っているのもあり、こんな話を急に夜に誰かにするのも気が重く、当日はこの出来事を誰にも報告・相談出来ず仕舞いでした。
クーリングオフの手続きをすることを決意して寝ようとしましたが、起こってしまった現状への不安から呼吸も荒くなり中々眠れず、胃がキリキリするような痛みにも襲われましたがなんとか眠りにつくことが出来ました。
さあ、クーリングオフの手続きです。後編に続く。
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