背信棄義
ガチャ
美:おかえりなs
●:、、、
美:お風呂すぐ沸かします、、、
バタン
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結婚は華々しくきらきらしたものだと思っていた。
実際、新婚時代は幸せだった。
一緒に家具を選んだり、一緒に料理したり、写真を撮りに行ったり。
子供は何人欲しいとか話したり、、、
そんな日々がずっと続くと思ってた。
私たちは同じ会社の上司と部下として出会った。
「金村さんはこの●●くんに指導してもらってね。こいつ仕事できるからいろいろ教えてもらいな〜」
美:はい!
●●さんは私が入社した会社のエースで上司からの信頼も厚い、まさに完璧人間。
そんな人に指導していただけるなんて嬉しかった。
●:よろしくね、金村さん
美:はい!よろしくお願いします!
それから私たちはだんだん距離が近くなっていき、一緒にご飯に行くようになった。
●:どー?仕事には慣れた?
美:はい!●●さんのおかげでだいぶ馴染めたような気がします!
●:ほんとに?笑それならよかった
美:ほんと、●●さんのおかげです!、、、
●:ははっ、金村さんが仕事覚えるのが早いからこっちも助かってるよ?笑
そんないつも何かと気にかけてくれて頼りになる●●さんのことが憧れの存在になっていった。
そして、それは私が入社してから2年が経とうという頃、●●さんの誘いで2人でディナーに行った帰りのことだった。
●:俺と付き合ってくれませんか
美:へっ!?
●:実は、研修期間のときからずっと金村のこと気になってたんだ、、、
美:、、、私も●●さんのことずっと憧れてました、、、
●:じゃ、じゃあ!、、付き合ってくれるってこと、、、?
美:はい!もちろんです!
まさかの●●さんからの告白。
断る理由なんてなかった。
その夜2人は夜の街で恋人らしいことをして夜を明かした。
それからは休日にデートしたり、お互いの家で宅飲みしたり、会社ではバレないようにイチャイチャしたりした。
この人と結婚したらどんなだろう、、、なんて思ったりもした。
そして、そんな日々が1年半くらい続きまた彼とディナーに行ったとき、、、
●:このお店覚えてる?
美:もちろん!●●さんが私に告白してくれて付き合ったお店だもん!
●:あと今日の日付
美:え?、、あ!●●さんが告白してくれた日、、、
●:そう
美:すごい!全部合わせて日程組んでくれたn
その瞬間彼は私の前で立膝になり、煌々と光るダイヤモンドの指輪を差し出した。
●:僕と結婚してください
突然のサプライズにかなり戸惑ったが、もちろん回答はひとつしかない。
美:こんな私でよければ、よろしくお願いします!
店内が拍手喝采で私たち夫婦を祝福してくれた。
彼に抱きしめられながら彼の胸の中で喜びの涙を流す。
それから私は会社を辞め、専業主婦になることにした。
彼が好きな料理、お風呂の温度、その他諸々、彼のためを思ってたくさん勉強した。
●:ん!おいしい!
美:嬉しい!●●さんハンバーグ大好きだから頑張って作ったの!
●:美玖の作る料理はなんでも好きだよ
美:そー言ってもらえて私も嬉しい!お風呂沸かしてくるね!
そんな日々が続いていたある日。
ガチャ
美:おかえりなさい!
●:、、、おう
美:ど、どうしたの?なんかあった?
●:仕事のことだよ、美玖には関係ない
美:関係ないって、、、なんか辛いことがあるなら話聞くよ?
●:いや、大丈夫
美:大丈夫じゃないよ、夫婦なんだから私だって少しは力に、、、
●:だから大丈夫だって!!!お前に何ができんだよ!話聞いてもらったところでなんも変わらないの!どーせお前は俺が外で必死に働いて金稼いできてやってんのに家でダラダラしてんだろ!
美:そ、そんなこと、、、
●:誰のおかげでこの生活ができてると思ってんだ?いいよなー、専業主婦は毎日が休みで!クズが!
その日から彼の態度は急変した。
ガチャ
美:おかえりなs
●:、、、
美:お風呂すぐ沸かします、、、
バタン
いつも一緒に食べていた朝ごはんでさえ、、、
美:ご飯できました
●:いらない
美:えっ、、、
●:なに?文句あんの?
美:、、、
●:チッ、朝から気分悪いわ
そして、彼は日に日に帰るのも遅くなっていった。
美:嘘、、、
突然生理が来なくなり産婦人科に行ってみると、、、
「おめでとうございます!妊娠7週目です!」
これで●●さんも喜んでくれるはず!
私はすぐにメッセージを送った。
『帰ってきたら楽しみにしててね!』
すると返信が来た
『結婚記念日だろ?わかってるよ』
美:それだけじゃないんだな〜フフッ
いつもよりちょっと豪華な料理を作ってお腹をさすりながら彼を待つ。
美:お腹にもう一つ命があるなんて不思議だな〜
わくわくしながら待つが彼は帰ってこない。
時計はもう0時を過ぎていた。
彼からのメッセージもなく、、、
美:、、、
ガチャ
玄関が開く音がする。
美:ちょっと!今何時だと思ってんの?、、酒臭、、、
●:あ?文句あんの?先方と打ち合わせだよ、悪いか?
美:せっかくの結婚記念日だし、それに、、、
●:こっちは忙しいんだよ
美:でもせめて連絡くらいしてくれても、、、
●:なんだよその目、俺がこんな遅くまで働いて金稼いでやってるからお前は生きれてるってこと忘れんなよ?
美:、、、
●:チッ、うぜーな
バンッ!
胸ぐらを掴まれ勢いよく壁に押し付けられる。
●:お前の顔見るとイライラすんだよ、クズが
そのまま体を乱雑に床に投げ捨てられる。
●:あ、あと飯いらないから
バタン
美:うぅ、、、グスッ
そのまま床にへたり込むとなぜか脚が湿っている気がした。
気になって恐る恐る触れてみると、赤黒い液体が手についた。
美:えっ、、、嘘、、、
一瞬で流産だとわかった。
●:邪魔なんだけど
美:、、、ごめんなさい、、、
もう理由を話す気力もなかった。
美:いらっしゃい
菜:お邪魔します!
ある日、友人の菜緒を自宅に招きプチ女子会をすることになった。
菜:ええな〜美玖、こんないいところに●●さんと住んでんねやろ?
美:フフッ、そんなことないよ〜
この子、小坂菜緒は私と同期で入社した元同僚で今でも関係が続いている唯一の友人だ。
私が会社を辞めてからも菜緒は同会社で仕事を続けている。
菜:やっぱ美玖の作る料理は美味しいな〜
美:ありがと
菜:●●さんも幸せやろな〜、美玖の手料理毎日食べられて
美:、、、
菜:どしたん?
美:菜緒、、●●さんのことなんだけど、、、
私は菜緒に洗いざらい話した。
最近帰りが遅いこと、DVを受けていること。
そして、●●さんとの子を流産したこと。
美:、、、グスッ
菜:そーやったんや、、、ごめんな、あんな無神経なこと言っちゃって
美:違うの!菜緒は何も悪くない、、、
菜:なんかあったらすぐ言いや?私も探ってみるし
美:うん、ありがと、、、
それから、菜緒はことあるごとに連絡をくれた。
●●さんが新入社員の女と親しげにしていること、その女とホテルに入って行ったこと、女は小西という名前だということ。
●:今日も遅くなるから、飯いらない
美:、、、いってらっしゃい
いつも通り玄関で彼を見送る。
しかし、今日は確証を得るためにも菜緒に送ってきてくれた小西という女のスケジュール帳をもとにそのホテルに向かうことにした。
夜19時
菜緒と合流し一緒にホテルの向かいのカフェで様子を伺う。
菜:来ないな、、、スケジュール帳には書いてたんやけど
美:小西ってどんな女なの?
菜:んー、なんていうかすらっとした和風美人って感じかな、、あっ!別に褒めてるわけじゃないで?
美:フフッ、いいよ別に笑
菜:まぁ、でも来なければ来ない方がいいか、、、
美:どーゆーこと?
菜:だって、目の前で美玖が傷つくの見たくないもん、、、
美:菜緒、、、私は大丈夫だよ、心の準備はできてる
菜緒と今後の計画を話し合いながら待つ。
菜:なかなか来んな〜
美:あと15分だけ待たせて
時間は19時45分
●●さんからの連絡もないので家には帰ってないはず。
すると、、、
菜:あっ!あれ!
美:●●さん、、、
すらっとした若い女とホテルに入って行く●●を見つけた。
親しげにし手を繋いで入って行く後ろ姿を見て、私の中で何かが動いた。
湧き上がる怒り、悲しみ、どこかではきっと修復できると思っていた期待、その全てが崩れ落ちていく感じがした。
菜:美玖、、、?大丈夫?
私は今どんな顔をしているだろう。
平静を保てているだろうか。
美:うん、平気、帰ろっか
●●さんの不倫現場を見た日から私はぼーっとすることが多くなった。
菜緒とは普通に連絡を取っているが●●さんのことを話すことはなくなった。
菜緒だけが今私が信じることのできる人だ。
ガチャ
美:おかえりなさい、今お風呂入れますね
●:、、、
●●さんが何時に帰ってきても私は追求することはしなかった。
それから何日かして菜緒からディナーに誘われた。
その日も彼から連絡がなかったので夕食だけ作って菜緒の元に向かった。
「「乾杯」」
特段話すこともなかったが、菜緒が最近ハマっているアニメの話や映画の話、来週開催される恐竜展に一緒に行こうという話をしてくれた。
菜:でな!この子がこの子に告白して付き合うんよ!
美:幸せそうな話だね、、フフッ
菜:ご、ごめん、
美:気にしないで、菜緒の話聞くの好きだから
菜:、、、聞いちゃあかんかもしれんけど、●●さんとどー?
美:んー、特に変わらずかな
菜:、、そっか、、、
美:もう心配しないで大丈夫だよ、いろいろありがとね
菜:ならええんやけど、、、ちょっとお手洗い行ってくる!
菜緒が立ち上がりトイレへ向かう。
ピロン
美:菜緒スマホ置いてってる
奈緒には悪いと思いながらちょっと覗く。
|メッセージ ●● 今
『よろしく』
●●さん?菜緒に?どういうメッセージ?仕事のことかな?
菜:お待たせ〜、トイレ人が使っててちょっと待ってた
美:菜緒、なんか隠してることない?
聞いてしまった。確証もないのに、、、
菜:へっ?なんもないけど、、、?
美:そっか、ならいいんだ、ごめんね?なんか、、、
菜:、、、もしかしてスマホ、見た?
美:ごめん、ちょっと覗いちゃった、、、
菜:この●●さんのメッセージのこと?
先ほどみた待ち受け画面の通知を見せながら言う。
美:うん、たまたま今来たみたいだから
菜:なーんだ笑大丈夫!今日資料届けに行ったからそのことだよ
美:そっか、、、そろそろ帰ろっか
私たちはお店を出て2人で帰路に着く。
美:じゃあ、私こっちだから
そう言い菜緒に背を向け歩き出す。
菜:待って!!
菜緒に止められ、振り向く。
そのまま腕を掴まれ人気のない路地に連れて行かれる。
美:ちょ、ちょっと!いきなりなに?
菜緒と対面になる。
菜:美玖、ごめん
菜緒の目は私の後ろを見つめていた。
美:へっ?なんのこt
その瞬間、後頭部に衝撃が走る。
その場に倒れ込んで、薄まる意識の中後ろを向く。
美:●、、、●、、さん、、、?
なんでこんなところに●●さんが?なんで菜緒は人気のないとこに連れてったの?
そんなことを考えているうちに意識はなくなっていった。
パチュッパチュッパチュッ
「あんっ、、、ぁんっ、、んっ、はぁっ、、ぁんっ」
頭がぼーっとする。なんの音だろう?女の人?
目を擦ろうと手を動かそうとするが何かに縛られていて動けない。
しかも、その何かも目隠しをされているようで見ることができない。
「あかん!あぁ、、だめぇ、、、イッちゃう、、!」
「イク、イクイクイク、、!ああぁん!!!」
水っぽい音と何かがぶつかり合う音、そして男女の声。
私は今の状況を理解した。
?:ちょっと待っててね
聞き覚えのある男の人の声がした。
誰かの足音がこちらに近づいてくる。
足音が止まり、目隠しが外される。
外されたのはいいものの、久しぶりの光が眩しくて目を開けられない。
?:全部お前が悪いんだよ
光に目が慣れ、目を開ける。
美:●、、●、さん?
●:、、、
目の前には下着しか身につけていない●●さんの姿があった。
たしか、女の声も、、、
●●さんの背後にあるベッドに目を移すと、、、
美:菜緒?
裸で無気力そうに寝転ぶ菜緒の姿があった。
菜:美玖、起きた?笑
美:菜緒、これどーいうこと?
菜:なにって笑見ての通りやん?笑
状況は理解しているが、現実だと思いたくない。
菜:あんた、嵌められたんやで笑
美:嵌められたってどーいう、、、
菜:あったま悪いな〜
そういうと菜緒が立ち上がり裸でこちらに近づいてくる。
菜:入社したときからあんたのこといけ好かなかってん
美:、、、
菜:●●さんに指導ついてもらったからって調子乗って、挙句には●●さんたらし込んで付き合って、結婚?ふざけんな!
ドンッ
お腹に重い衝撃が走る。
●:菜緒〜、俺の「妻」になにしてくれてんだよ〜笑
菜:菜緒はなんも知りませ〜ん、ほらこんなやつ放っといていいことしよ?
菜緒に蹴られたことで下腹部が痛む。
蹲りたいが椅子に縛られて痛みを逃すことができない。
菜:ほーら、はやく挿れて?
●:わかったよ笑でも、その前に、、、夏菜実〜
夏:ったく、いつまで待たせるんですか?菜緒さんまで、、
菜:ごめんな?夏菜実ちゃん、全部終わったしそこの封筒持ってってな?最後やし金額ははずんでるで〜笑
夏:不倫相手のふりなんて、もうごめんですよ
菜:ほんまにありがとう、お疲れさん〜
これが小西夏菜実、、、
夏:この人が美玖さん?ふっ、可哀想な人笑
私はもう口答えする気力もなく、ただ彼女が嘲笑して去って行くのを見ていることしかできなかった。
菜:ほら!夏菜実ちゃんも行ったし、、シよ?
●:はいはい笑
そこからはただただ目の前で見せつけるように愛し合う2人を呆然と見ていた。
●:可愛い奴だなっ!パンッ
菜:お尻叩かれるのスキっ💕
●:友達裏切って寝取るとか菜緒はほんと最低だな笑
菜:あんな奴友達じゃないもん〜、●●さんだって妻裏切ってさいてー笑
●:俺だってあんな奴妻じゃないわ笑あー、イキそー
菜:出してっ!💕●●さんの中にいっぱい欲しいのぉ、、!💕
●:一生大事にしてやるからな?
菜:うんっ!💕あいつみたいに流産なんてしないし、だから孕ませて?💕
●:もちろんだよ、イくぞ?孕め!!
菜:うんっ!💕私もイく💕キて?💕一緒にイこ?💕
ビクンッ、、、ガクンガクン、、!
2人の動きが止まり、菜緒はお尻をビクビク痙攣させ、菜緒の秘部からは精子が溢れ出ていた。
それからの記憶は曖昧で、気づくと家のベッドで寝ていた。
悪い夢であって欲しいと願いスマホを確認する。
|メッセージ 菜緒 5時間前
もうあんたと会うことはないから
さようなら
|メッセージ ●● 2時間前
机に離婚届置いといたから
そっちにある荷物は全部捨てといて
私はもうこの世界にいる必要なんてないんだ。
はやくあの子とお母さんとお父さんのもとへ行こう。
無意識に私はベランダの柵に手をかけた。
綺麗な朝焼けとともに太陽が昇ってくる。
美:綺麗、、、すぐ行くからね、、、
そして、躊躇いなく飛び越えた。
私はどこで間違えたんだろう。
やり直すことはできなかったのだろうか。
落ちている間は後悔ばかりだった。
ごめんね、お母さん、お父さん、すぐそっちに行くから、、、
グシャ
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「次のニュースです。今朝、5時21分頃、東京都××区の高層マンションから飛び降りた20代の女性が病院に搬送されました。女性は全身を強く打つなどして、搬送先の病院で死亡が確認されました。警察は現在失踪中の夫となんらかのトラブルがあったとみて調べを進めていく方針だということです。」
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