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Killteam2023年夏データスレートあれこれ

大人気ボードゲームKillteamでは季節の節目ごとにデータの修正やバランス調整を行います。これはデータスレートにまとめられるのですが、既存の修正内容もまとめて記される都合で何が変わったのか非常に分かりにくくなっています。(一応*で区別できるけど、・と見分けがつきづらいぞ)本稿で一緒にデータスレートを読み解き、なんとなく理解を深めていきましょう。

本稿では記号で記された距離表記を「mv」で行います。△は1mv、○は2mv、□は3mv、五角形は6mvとなります。よろしゅうね

1. 何が変わったんだろう?

今回のデータスレートで手が入った内訳は以下のとおり。

重大作戦 2022
ワープコヴン
エルーシディアン・ スターストライダー
インターセッション・スカッド
エグザクション・スカッド
ハースキン・ サルヴェイジャー
ケイオスカルト

インターセッション・スカッドとケイオスカルト以外は全てバフとなっており、現環境で猛威を振るっているフェルゴウル・ラヴェイジャー(ビーストマンキルチーム)の調整や、ケイオスカルトに対する大きなナーフは行われていません。GWの記事によると最近リリースされたギャロウフォールとアッシュオヴフェイスはまだカバーしきれていないようです。今後に期待しましょう

重大作戦 2022

*『戦利品獲得』アクション:各作戦目標マーカーごとに、 バトル中に(3 回ではなく)4 回まで略奪を行うことができる。

2023Q2キルチームデータスレート

そもそも「重大作戦2022」ってなんやって人のために説明すると、Killteamで使うカードセットのことです。このカードにミッションルールやらが記されている(らしい)のですね。ぜんぜん日本語版が再販されないから自分が始めた時からずっと在庫切れですが。
ともあれ、修正そのものはよさそうに見えます。最終ターニングポイント時でも作戦目標を奪い合うことに意味が出てきました

ワープコヴン

こちらはアニュアル2022に記載されているティーンチ・スペースマリーンのキルチームです。行数こそ多いものの、ルブリックマリーンの行動力上限に対する修正が主となります

* ルブリックマリーン・特務兵:【行動力上限】を「3」に変更し、拳および鬼面の銃剣の【攻撃回数】を「4」 に変更する。

2023Q2キルチームデータスレート

これまではソーサラーが近くにいることで行動力バフを受け、他勢力のスペースマリーンたちと同等の行動力で活動できましたが、敵による行動力デバフ対策に修正が行われました。
拳、鬼面の銃剣も強化されましたが、これもスペースマリーンとしてみれば当然の攻撃回数です。これまでが低すぎたんやね

* ソーサラー・特務兵の『" 朱書かれし者 " の指揮』を 以下のように変更する:“味方ルブリックマリーン・特務兵が命令を受ける際、その特務兵が味方ソーサラー・ 特務兵の6mv以内にいなければ、その特務兵の【行動力上限】は -1 の修正を受ける。”

2023Q2キルチームデータスレート

先述した行動力デバフ対策に対応した内容です。現在ではコアルール上行動力デバフは累積しなくなっているので、行動力1のクッソ情けないルブリックマリーンはいなくなりました。
『" 朱書かれし者 " の指揮』の効果距離も3mvから6mvに倍増し、パッシブアビリティとなったことで対象とする特務兵数の制限もなくなりました

* 戦いの栄誉『" 朱書かれし者 "との調和』を以下のよう に変更する:“自軍データスレートに編入されている味方 ルブリックマリーン・特務兵を 1 体選択せよ。このソーサラー・特務兵の『" 朱書かれし者 " の指揮』を解決する際、このソーサラー・特務兵がキルゾーン内にいる限り、 その味方特務兵は【行動力上限】に -1 の修正を受けなくてもよい。”

2023Q2キルチームデータスレート

これも6mvから無制限へと強化されました。いいことですね

エルーシディアン・ スターストライダー

* ヴォイズマンのローターキャノン:スペシャルルール『執拗』を得る

2023Q2キルチームデータスレート

実はこの修正は2022年冬にも行われたんだけど、2023年春になかったことにされてまた復活しました。ええことやね。それはそれとしてローターキャノンに執拗アビリティを付与するレア装備銀"甲板掃除機"はどうなっちゃうんだろうね、攻撃回数でも増やすのかな?

インターセッション・スカッド

* 戦団戦術『頑健』、『体系的攻撃』、『俊足』:インターセッション・スカッド アーミーリストにて更新された(ウォーハンマーコミュニティからダウンロード可能)

2023Q2キルチームデータスレート

「一応」ナーフです。めちゃ強いのをかなり強いくらいにした調整なので、慎重に調整しています。それでは内訳をチェックしましょう

体系的攻撃:この特務兵の射撃武器の【射撃技能】は『警戒射撃』アクションの実行中にも悪化しない。

インターセッション・スカッド・キルチーム

修正前は射撃性能が常に維持されていました。負傷やデバフを受けたとしてもです。流石にぶっ壊れ性能だったのでおとなしくなりましたが、十分な火力を発揮できます(キルチーム構成人数が少ない都合上、警戒射撃の機会が多い)

俊足: この特務兵の『通常移動』アクション中、【移動力】は1mv増加する。

インターセッション・スカッド・キルチーム

修正前は全アクションで移動力が増加していました。突撃も退却もコミコミです。白兵戦へのアプローチ性能が高すぎたので調整されましたが、それでも敵から距離をとったり、オブジェクトへの機動と言う点では今なお有用なアビリティと言えるでしょう。遺伝子組み換え済み人類みたいな性能しやがって……(遺伝子組み換え済み人類)

エグザクション・スカッド

ポリスには多くのバフが入りました。具体的には少数精鋭キルチームに対抗するための火力調整です。内訳を見てみましょう

*『無慈悲な効率性』のアビリティに以下を追加する:“さ らに対象が別の味方エグザクション・スカッド ・特務兵の○以内にいるならば、その射撃武器は『クリティカ ル貫通 1』のクリティカルヒットルールを獲得する。”

2023Q2キルチームデータスレート

『無慈悲な効率性』アビリティの効果を発動するためには6mvにいる必要があるので、実質ショットガン(とショットピストル)の強化です。アビリティにブラスト効果とグレネードは適用されないので、フラググレネードはバフされない点に注意しましょう

* すべての特務兵の【負傷限界値】が 1 向上する。

2023Q2キルチームデータスレート

ようやく人類特殊部隊のスタートラインに立てました。殴り合いをする都合上、体力8は死活問題でした。これが県警の力だ

* 以下の武器は『クリティカル発生 5+』のスペシャルルールを得る:R-VR 型サイバー・マスティフの機械の噛みつき、マークスマンのエクスキューショナー・ショットガン、リヴェラトゥムのスコープ付きショットピストル。

2023Q2キルチームデータスレート(typo修正済)

一応威力が上がったとみるべきでしょう。エクスキューショナー・ショットガンとスコープ付きショットピストルはともにクリティカル致命ダメージを期待できます。ただダメージ量そのものは据え置きと言うかむしろ弱い部類に入るので、始末しきれなかった敵のトドメを狙うために使うことになるでしょう。犬は犬なのでよいと思います

*『執行命令』の特殊戦術:0+CP(バトル中に自軍がこ の特殊戦略を使用するごとに、この特殊戦略の発動に必要な CP を +1 する)で、2 回以上使用できる。

2023Q2キルチームデータスレート

詳しくはエグザクション・スカッドキルチームの記事で記しますが、『執行命令』は指定した敵に対する攻撃ダイスを何個でもリロールできる決戦兵器です。これまで以上にエグザクタントの戦略的価値が向上しました。このためにCPの温存も視野に入れてもよいかもしれません

ハースキン・ サルヴェイジャー

*『着実なる進軍』アビリティ:味方ハースキン・サルヴェ イジャー ・特務兵の『通常移動』アクション中に、【移動力】が 1mv増加する。

2023Q2キルチームデータスレート

ギャロウフォールに調整はまだ入らない予定でしたが、あまりにも足が遅すぎるのでここだけバフされました。本家WHでも移動力は5mvだったので妥当な調整と言えそうです

ケイオスカルト

* アイコナークの『破滅を導く活性』アビリティ:最小 3(2 ではなく)。

2023Q2キルチームデータスレート

これはナーフと言うより他勢力の同等アビリティに合わせた調整とみるべきです。それでもミュータントやトーメントは頑丈すぎる節があるけど

2. ふわふわした総評

おおよそSeason3に向けた準備段階といった雰囲気がある調整でした。実際ギャロウフォールからアッシュオヴフェイスまでの間隔はやたら短く、日本語ローカライズでもいつも以上にルールの誤記やtypoが見受けられました。(未だにハースキン・ サルヴェイジャーのガンナー上限数は2体なのか3体なのか日本語ドキュメントでは分からない)

本国でのKillteam人気は異様に高まっているらしく、英語版の通販では新しい拡張箱が出るたびに即完売が続いています。GWにはより多くのリソースを投入してもらい、Season3がリリースされる秋までにいい感じに調整してもらえればいいなぁ。次のデータスレートに期待しましょう。またね!


ほんやくに必要なあれこれの原資になります。よろしくネ