ジュースをおごるためにあげた100円

高校の頃、同級生といっしょにコンビニに寄り道をして

僕がジュースを買ったところ、その友人は何も買わなかった。

理由を聞くと、「今、金ためてんだ」とのこと

でも、自分だけ飲んでるのは気が引けるし

いっしょに飲んで、お互いに楽しい気持ちになれればいいなと思って

「じゃあ、これで買ったら」とジュース代になるように100円を渡した。

すると、彼はその100円も「ラッキー、これも貯金しよ」といって

小銭をズボンにしまうと結局なにも買わなかった。

何か事情があって、ジュース代も我慢しなければならない彼に

ひと時でもいい思いをして欲しくて渡した100円は僕の意図とは反して彼の追加の貯金となってしまった。                

100円という価値をどうみるかはわからないけど少なくても彼は貯金をして、何かを買うことに一歩近づいた。

僕の気持ちを踏みつけたまま。

そこで、どうしてそこまで、徹底して貯金するのか事情を話してくれたら共感できたかもしれない。例えば、親の病気の治療に必要だったとか。

貯めてしまう前に、もし一言「ごめん、これも貯金させてもらっていいかな」とか言ってもらえれば、僕の気持ちはもやもやせずに済んだかもしれない。

もともとそんなに深い仲ではなかったけど

ちょっとしたきっかけで親友にもなれるかもしれない瞬間を逃しているのだと思う。

彼にとってみれば、この些細なできごとは覚えてもいないだろうし、僕と今後会うことも無いだろう。

でも、きっと100円以上の価値を失っているとも思う。




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