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■ 映画についてのまとめ箱

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1989年・・・16歳から見てきた、20世紀の映画芸術へのオマージュ
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オール(櫓)のない舟のゆくえ〜映画『福田村事件』雑感

何年か前、水俣をテーマに、ジョニー・デップが撮った映画について、テキストにしたことありまして、 その【MINAMATA】・・・参照枠になるかも と、不意に思ったのは、 田中麗奈さん演じる、モダンガールは、朝鮮に進出した日本企業・・・ その重役の娘という設定で これ・・・水俣で、深読みすれば、その企業とは、のちのチッソとか? (戦時中、朝鮮で、事業拡大したので) 朝鮮での、日本の帝国主義、植民地経営の悲惨から、逃れるように故郷に戻った主人公は、大正モダニズムな、モダンボーイ

【うん】という発話の淡い〜アストリッドを演じる声

石山くんと私の【バディー】で解決した 「幻想交響曲」事件・・・ (↑こう書くと、かっこいいな。まあ、事実だし。石山くん=高校からの友人) その探求の過程で、疑問氷解の裏付けを与えてくれた、ブロガー氏の記事(ブーレーズ逝去)・・・ほかにも、興味深い内容が書かれている中、お!これは(バッハを愛する自閉症・・・)・・・と、わたしのゴーストが「見ておきなさいね」と囁いた、フランスのテレビドラマ【アストリッドとラファエル】 テレビドラマ・・・見ずして10何年・・・ (いま、はじめて

加東大介・賛! 〜【大番】と【南島】と【侍】

★「時代劇の父」と呼ばれた映画監督【伊藤大輔】・・・その故郷は、宇和島 ・・・城下の南に「元結掛(もとゆいぎ)」という土地があり、ここは、明治の実業家【土居通夫】の、同じく出生地だったりしますが(彼の偉業は数多いが、通天閣の「通」は、土居通夫の名に由来する) さて、そんな宇和島には、映画人・伊藤大輔について語れば、右に出るもののない、ものすごい、映画通がいらっしゃる。 ということで、先日、宇和島の教会、イースター礼拝の帰りに、お訪ね〜 わたし、30年くらい前・・・伊藤

深読み映画評:【MINAMATA】はペテロとヨハネの使徒行伝だ。

① 映像にひそむ違和感 ジョニー・デップが、プロデュースした映画【MINAMATA-ミナマタ-】を見ました。 テーマは、水俣病です。主人公は、デップが演じるアメリカの写真家ユージン・スミスと、パートナーのアイリーン。ふたりは、日本の漁村に入り、カメラを通して、水俣の惨状を世界に伝えます。 さまざまな写真が撮られた中、もっとも知られた一枚に「入浴する智子と母」があります。 水俣病の我が子を抱きかかえ、湯浴みする母と子の姿をとらえたもので、まさにそれは、湯船のピエタ(あるい

映画【ニューヨーク公共図書館】の感想

東京や大阪などでの封切りから、ちょうど4か月ほど遅れて、松山でも上映中〜 とはいえ、公開は1週間だけ。それも、14時過ぎから18時までの1日1回きりって・・・勤め人は、この連休くらいしかチャンスないじゃん 都市部の知りあいたちも、こぞって話題にしてたドキュメンタリー。「早速、行くべし!」と連休の初日(9/14)に、出かけてみた。 ニューヨーク公共図書館(以下、NYPB)って『ゴーストバスターズ』とか『ティファニーで朝食を』などの映画に出てきたところか・・・そんなくらいの