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劇団四季リトルマーメイドの、王子を助ける場面が好き

劇団四季のリトルマーメイドの、アリエルが海に溺れたエリックを助けるシーンが幻想的で大好きです。
好きな場面はたくさんたくさんあるので一番を決めることはできないのですが、まず1つ目の好きなシーンについて書きます。

※いろいろなネタバレがあります。
※かなり偏った感想です。

昨年が公開30周年だったらしいディズニー映画リトル・マーメイド。

原作はアンデルセンの切ない『人魚姫』だけど、さすがは夢と魔法のディズニー。
とんでもなくハッピーエンドにまとめてしまい、アリエルは泡になって儚く消えるなんてことは一切なく、最後は奪われた声を取り戻し人間になってエリック王子と結ばれて末永くお幸せに〜です。
純粋に童話『人魚姫』のアニメを観たいと思ったら別の作品の方が良いかもしれない。でもハッピーエンド大好きだからこれも良いの!

そのディズニー・ルネサンスの始まりである作品を、劇団四季が舞台でお届けしてくれるリトルマーメイド。
(ライオンキングもリトルマーメイドも、四季でのタイトルは「・」が入らないそうです。最近知りました。)

人魚は海の中にいるもの。生の舞台でどのように水の世界観を表現するのか?って、フライング技術がものすごいのですよ!
泳いでる。
本当に、泳いでる。
昔、ディズニーランドのフィール・ザ・マジックというショーでもアリエルは泳いでいた。
ディズニーシーにも、アリエルがめっちゃ泳ぐショーがある。
四季のアリエルも、泳ぐし、泳ぎながら、歌う。ものすごく綺麗な声で実際に歌うし、尾ひれが長くて泳ぎ方がとても優雅。

四季版リトルマーメイドでは、
舞台が始まるアナウンスがあり、
オーバーチュアが流れて客席の照明が消え、
劇場に響くパート・オブ・ユア・ワールドのメロディに「アラン・メンケンってやっぱりすごいわあ……」と圧倒され、
暗い舞台にぱっとライトがついたら、
幕が上がったそこに、アリエルが、泳いでいるんですよ。
美しい。
人魚が、泳いでいる。
もう海の中の世界。
冒頭シーンだけでチケット代の元は取れます。むしろもっと払わせてください。

この、舞台の始まりの、目の前に全くの別世界が現れて、映像ではなく本当にそこに存在していて、現実から一気に引き込まれる瞬間が大好きです。

そして、舞台を上へ下へ右へ左へと泳ぎ回るアリエルやフランダーたちだけでなく、フライングしていない海の住人さんたちも、みんな波にゆうらゆうらと揺れております。
アリエルのお姉さまたちも、男性人魚のマーマンさんたちも、お魚たちも、海藻も、いつでもみんな、ゆ〜ら〜ゆ〜ら〜ゆらら〜と絶え間ない海の流れにずーっと揺れております。
全く静止せずたゆたい続ける俳優さんたちに、初めて観たときは思わず「体力すごい……」とびっくりしてしまいましたが、優雅に揺らめく海の住人たちにはそれが普通。
ここは海の中。アンダー・ザ・シー。
綺麗な人魚たちの住む美しい世界。

けれどもアリエルは、ここは自分の居場所ではないと感じ、海の上の世界へ憧れを募らせパート・オブ・ユア・ワールドを歌います。


さすがはオリジナルキャストのtnhrさんアリエル。

wknさんアリエルのMVもとってもかわいくて大好き!

はあ……美しい……

名曲過ぎるし、アリエルきれいだしかわいいし……

ちなみに、この歌が始まる直前のうっかりアリエルに告白しちゃって逃げ去るフランダーもめちゃくちゃかわいいのですけどね。
この話はまた別の機会に。


そして訪れる運命の出会い。
アリエルは船の上のエリック王子に心惹かれます。
しかし嵐が来て王子は船から落ちてしまい、アリエルは急いで助けに。

海の中へとゆっくりゆっくり沈んでいく、意識を失ったエリック。

助けるために彼を海の上へ戻そうと、一生懸命泳ぐアリエル。

私がこのリトルマーメイドの舞台で「水の中の世界」というのを一番感じるのはこの場面です。

人魚たちがいきいきと泳ぎ回る海の中の世界は本当に美しい。

でも、人間は生きられない。

アリエルの生きている世界ではエリックは死ぬ。

生きる世界が違いすぎる。

美しい音楽と幻想的な情景に残酷な現実を突きつけられるこの場面が本当に好きです。


先ほど貼付けた1つ目の動画にもほんの少しだけこのシーンが映るのですが。
またリアルに沈んでいくんですよ意識不明のエリックが。
さっきまで観客にとって海の中は人魚たちが優雅に泳ぐ素敵な世界だったのに、人間が溺れているんですよ。為す術もなくただゆっくりと死んでいくことしかできないのですよ。
で、アリエルが大きく尾びれを動かしながら泳いで死にかけの王子を上へ上へとがんばって連れて行くんですよ。
この演技がすごい。本当にいつのまに舞台に水貯めたの? ってくらい動きがリアル。音楽も幻想的でドラマチック。
この救出シーンを演じるのは実際のアリエルとエリックの俳優さんではなく、アンサンブルさんによるダミーらしいです。次の場面に間に合わないものね! よくあることです。
女性アンサンブルsmyさんのダミーアリエル大好きです。
なので札幌LMのプレミアムスタンプラリーでsmyさんのサイン入りポストカードがもらえたときはすごくすごく嬉しかったです。


リトルマーメイドの舞台では『世界』という言葉が何度も何度も出てきます。


「海と空が出会う不思議な世界」
「愛に満ちあふれた声が突然 世界を明日を変えた」
「よく見てごらんよ君のまわりを 素晴らしい世界 ここが一番」
「この海こそお前の世界」
「すべてがまぶしい初めての世界」

最初のパート・オブ・ユア・ワールドではアリエルが一人静かに

「いつかは 行きたい あの世界」

と締めくくった歌詞だったけど。
浜辺で意識を取り戻して助けてくれた女の子の姿を探すも見つけられずにグリムさんにお城へと連れて行かれるエリックを見送ったアリエルが

「行きたい あなたの世界へ!」

と力強い歌詞と歌声に変わるのが大好きです。

二人の生きる世界は違う。
これまでアリエルはただただ海の上の世界に憧れていたけど、今は違う。
エリックのそばにいて二人で生きて行きたいと強く願っている。
世界が違うからって無理だと諦めない。叶わないなんて思わない。
アリエルのまっすぐさが眩しいです。

このリプライズ、tnhrさんアリエルの圧倒的な声量も、wknさんアリエルの眩く輝く笑顔も、snpiさんアリエルの容赦ないクレッシェンドも、みんな大好きです。
そしてこの歌詞、舞台フィナーレではアリエルとエリックが一緒に

「二人で 二人の 世界で!」

と幸せいっぱいに歌うのが最高です。
フィナーレの歌詞、本当にこれぞフィナーレ! という歌詞なので、これについてもまた今度書きたいと思います。
札幌LMの幻の千秋楽動画は泣いた。


さて、エリック王子ですが。
身も蓋もない表現をすると、顔が良かったから命拾いした王子、とも受け取れますが。
アリエルが惹かれたのはそこだけじゃないと思いたいです。
確かに海面から船の上の王子を見て一目で「とてもハンサムだわ」と惹かれているけど。
あのほんの短い、互いが誰かを伝えることもできない出会いだったけど。
アリエルは、船が嵐で沈みそうになったときに、船から落ちそうになった船乗りの一人を助ける替わりに自分が落ちてしまったエリックを見ている。
ここも惹かれるポイントだったのではないかと思いたいです。
映画版では愛犬のモフモフ要員マックスを助けるために無茶をして溺れたエリックだけど、舞台版にはマックスがいません。モフモフ要員ほしかったけど。
エリックは身を挺して仲間を守る王子でした。
だからアリエルもすぐ助けに行ったし世界を越えるくらいとても心惹かれたのだと思いたいです。個人の感想です。


まだまだ四季のリトルマーメイドについて書きたいことはたくさんたくさんあるけど、とりあえず今回はここまで。

何が言いたかったかというと、
アリエルが海に溺れたエリックを助けるシーンが幻想的で大好きだということ。

そして、アリエルとエリック尊い……! ということです。