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「プラネタリア」

たとえるならば流れ星が流れてしまうまえに

願い事が言えたなら

きっとどんな願いも叶う

そんな気がした少年時代

空き地の秘密基地は雨風にやられて

三日ともたず壊れた

恐いものはなかった

ただ今が永遠だった

終わらない長い夏休み

毎日のように通ったプール

日に焼けた背中 見せあって

わけもなく笑いあった少年時代

今夜は 獅子座流線群が

見られるとニュースでやっていた

町で一番高い丘を目指した

自転車の車輪は回る 坂道もなんのその

何かに夢中になっている自分が好きだった

そういうわけでもないけど 流星群が見たいのだ

駆け上がる坂道の向こう きっとあの日見た景色は 二度とは見られない景色だ ひとつくらい持ち帰れないかな

そんなこと考えながら 見てたよ 見てたよ。



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