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「風に吹かれて」

歩いてきたよ ここまで

いくつも季節を通り過ぎて

桜の花も散り

夏の匂いが町を包んだ


あの頃とは少しちがう気持ちで

この道を歩いていく

振り返らぬように

忘れ得ぬように

今だけは今だけは

風に吹かれている


車窓に流れてく思い出は

手を振る僕に未練など残さず

もう二度と会えないから

輝く思い出だと教えてくれている

浮かんでは消える誰かの顔

それは思い出せない 痛みを

どこかに しまったまま

僕もまた どこかに消えてくでしょう

そして砂に刻んだ 足跡も

風に消すから。


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