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「夏化粧」

急なにわか雨に 

降られてしまった

僕らは屋根の下に

逃げ込んだ

どんな話をしたのか

思い出せないくらい

楽しい時間は

夢の中の出来事のようだね

少し髪の伸びた君の後ろ姿に大人を

見た気がして少し寂しくなったよ

五月雨に濡れた 影のある横顔には

もう微塵の幼さもなかった

花火の音に振り返る

大輪が夜空に花咲いて

君は笑ってた 幸せだよと

浴衣姿の 君は眩しくて

見つめるたびに 僕は自分の弱さが

恥ずかしくなったものだよ

日々、夏の色に着替えてく 

街並みがまるで 化粧をしているように

艶やかに そして 美しく

見えたのはきっと あなたの

その横顔に 私は恋をしていたからでしょう。


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