「いろはにほへと」
ゆらゆら 揺らめく
逃げ水の幻が
懐かしい夏を
呼ぶように手招きしてる
色鮮やかな
季節の風が通る
路地裏で昼寝する野良猫
小さな幸せ見つけたよ
暑すぎる午後に夕立ち
傘を開いたあの日の
雨宿りはまるで
アジサイの葉に隠れた
カタツムリのように
ただ流れゆく時間を
見送るのではなく
叮嚀に見つめる
ちんちらと鳴る風鈴
夜には雨は止み
温度は少し穏やかになる
静かな街並みに
小さな暮らしの火を灯して
一億人以上の窓に
ある命のりんかくを象る光線
思い目を閉じ朝を待つときだけ
涙に濡れれば いろはにほへと
笑顔に出会えれば あさきゆめみし。
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