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真・実話怪談「オレンジジュースの出る木」
以下、小関裕太(仮名)の小学生のときにつけた日記の中にある怪異を具体的にしたものである。
■1998年、7月6日
庭の柿の木からオレンジジュースが出てきた。
(樹液とは違う。シャーベット状に近い)
■同年 7月8日
オレンジジュースが今日も出た。苦い味。
(この時点で歯応えがあるくらい固くなる)
同年7月15日 オレンジジュースと同じ色の小さな人が木の裂け目(うろかもしれない)からあふれでてくる。
■1999年、4月6日 自分の顔をした人間が木の傷(裂け目)から覗いている。
(母親のサキコさんも息子(裕太)の声が庭からした。そのころは学校に行っている時間帯)のような体験もしている。
■1999年、5月6日 木に息子(裕太)の服がどうやっても無理。だが、巻かれている。
まるで服を木が着ているようにTシャツが木に切断した様子もなく幹に胴部分が貫通するように着させられている。
(仕方なくハサミで切って服を木から取り外した)
■2000年、6月23日に息子に木に関する過去にあった話をする。息子も朧気には覚えているが、
母親の声が木から聞こえることがあり、自分の名前を呼ぶ声がまるでスピーカーのように
「ゆうた~」と聞こえていたと証言している。
オレンジジュースが出たというのも少し曖昧で実際には血に近いような赤で、舐めてみたところ、無味無臭ではあるが、鉄のような味がしたという。
ちょうど次男が生まれたあとで母乳を飲ませていた時期だったので、母乳と鉄の味というのが少しシンクロして嫌な気持ちになった。
今のところは怪異はないが2004年3月にその柿の木は伐られた。
伐採をした林業をやっている祖父の話では、チェンソーやハンディソーではない強烈な鉄の臭いがしたそうだ。
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