「自宅に内線を引く未来の家庭環境についてのショートショート」
電話の会話
母「お父さんいまどこ?」
父「いや、家に決まってるだろ」
母「ああそうかめったに顔を家で合わせないから……」
父「まあな、もうかれこれ三年は顔をあわせてない……」
母「私たちって夫婦よね」
父「当たり前なこと聞くな、夫婦だよ、三年に1度くらいしか顔を合わせないけど」
母「ところで、お父さん本当にいまどこにいるの?」
父「だから……家だよ」
母「ああ、そうだったわね……でも本当かしら……」
父「じゃあ確かめればいいだろ、来いよ部屋に」
母「いいわよ、恐いもの……もう三年も顔を合わせてないのよ……」
次の日、
母「お父さんいまどこ?」
父「家に決まってるだろ」
部屋には誰もいない。
装置から延びている電極のつながれた骨壺が
2つ並んでいるだけ。
ふたりを隔てているのは……。
終わり。
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