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多人数の乱交シーン、4人以上の多人数プレイの書き方

もともと小説っていうのは、マルチ進行の動画的な部分に弱いんだよ。複数の人間が同時に動くっていうのは、映画は得意だけど、小説は一番苦手なんだよ。マンガよりも小説のほうがずっと苦手なんだよ。画面のあっちでこの人物が動き、あっちでは別の人物が動き、そっちでは……っていうのを見せるのは、映画が一番得意だけど、小説は全メディアで一番苦手なんだよ。小説は線型性せんけいせいのものだから、同時にマルチで動きを見せるっていうのが、一番苦手なんだよ。だから、うまく書くにはめっちゃ技量(技術)が必要だし、みんな苦労するんだよ。最高レベルクラスの技術がないとうまく書けないんだよ。

まずそこを認識しないことには、何も始まらない。とにかく最高クラスにむずいんだってことは認識しないと、書いていてただ苦しいだけ。4人以上の多人数の動きを読者に見せようとすると、途端に難しくなるんだよ。

3人だとまだそんなに難易度は上がらないんだよ。

たとえばダブルフェラの場合。カメラの中に2人のヒロインが収まってくれる。2人がどんな動きをしているのか、簡単に読者に見せることができる。

それから、ヒロインAが騎乗位で、ヒロインBに顔騎がんきクンニの場合。これも、ダブルフェラより難易度は上がるけど、どんなプレイと反応なのかを読者に見せることができる。

だが、4人からいきなり難易度が跳ね上がる。主人公1人対ヒロイン3人でも、男2人対女2人でも、とにかく同時プレイの人数が4人以上になった瞬間、難易度が跳ね上がる

エッチシーンの例じゃないんだけど、マルチ進行の動画的な部分は『揉ませてよオレの正義6』にいい例がある。「スパイ映画みたい」「頭の中に動画が流れた」って読者には言っていただけた場面がある。きっと参考になるんじゃないかと思う。

 ゲームでのエッチシーンとなると、『巨乳ファンタジー』シリーズのハーレムルートのハーレムエッチシーンが参考になると思う。

では、具体的な処方箋しょほうせんを。

まずは書く前に、どこにどういう人がいるのか、ポジショニングをはっきりさせること。書きながらポジショニングを考えたって、絶対うまくいかない。ヒロインたちがどこにいて、男たちは具体的にどこにいるのか。その位置をはっきりさせること。「だいたいこのへん」なんてアバウトはだめ! 明確に! この最初の作業、すなわち人物の位置決め、ポジショニングの作業がいい加減だったりなかったりすると、多人数プレイの描写は絶対にうまくいかない

それから、どういうプレイをしているのか、参考資料を用意すること。『巨乳ファンタジー』シリーズで複数プレイを書く時は、必ず参考映像を見ながら書いてる。見ずに書くってことはしない。映像なしで書こうとすると、絶対にうまくいかない

最後に、「常に全員を等分に書く」なんて無謀なことはしないこと。

最初の入りは等分に書いてお客さんに状況や映像的なものを見せる。でも、その後も常に全員を読者に見せる、なんてことはしない。それは無謀。玉砕への直線路。

最初に等分に全員を見せた後は、クローズアップして読者に見せる人(取り立てて見せたい人)を選んで見せる。その後、違う人たちに変更していく。最初に主人公とヒロインAB。次にヒロインCD。またヒロインAB今度はヒロインABCD。こんなふうにクローズアップしてお客さんに見せる人物を限定して変更していく。そして、「ここなら全員のプレイを順次描いてもいけるな」というところで順次描く。

クローズアップして読者に見せる人物を選ぶ。そしてその人物を順次変更していく。これら「限定」と「変更」の作業の有無が、1対1と多人数プレイ(4人以上の多人数)との違い

1対1では、1つのカメラで1対1、すなわち2人を同時に捉えて描写できる。カメラを向ければ、2人が常に収まる。なので、読者が情報の整理に困るということは、「人数的には」発生しない。書き手のエッチシーンの書き方が杜撰で「おまえ、今どんなプレイやってんだよ」とか「その書き方だと意味不明で、どんなふうにパイズリしてんのかわかんねえんだよ」っていうのはあるけど、何やってんだかわかんねえってのが人数のせいで発生するってことはない。

しかし、4人以上の多人数プレイになると、「何やってんだかわかんねえ」ってことが人数のせいで発生する。4人以上を同時に捉えて常時4人以上を描写するというのは難しくなるのだ。カメラを向ければ自動的に4人が収まるって感じではなくなる。1人、2人と順番に描写を始めてみると、他の人たちがカメラに収まってなくて、何してんだかわかんねえ状況に陥る。描写しても、適切な順番で情報が読者に流れ込んでくれないため、読者が整理できなくなる

そこで、限定と変更が必要になる。

限定」とは「クローズアップしてお客さんに見せる人物を限定する」こと。全員を見せようとせず、「今はAとBだけがやっていることを見せる」「今はCとDだけがやっていることを見せる」のように、読者に対して見せる人数、見せる人を限定する。多人数プレイの描写においては、読者が情報を整理できるように、描写する人員を限定するということが必要なのだ。

ただ、限定しただけでは描写されない人物が生まれてしまう。他の人たちが何をやっているのかがわからなくなる。それを防ぐために、クローズアップして読者に見せる人物を変更する。最初はヒロインAと主人公のプレイと反応を読者に見せる。次にヒロインBと主人公のプレイと反応を読者に見せる……みたいに。あるいは最初にヒロインAと男Aのプレイと反応を読者に見せる。次にヒロインBと男Bのプレイと反応を読者に見せる……のように。

これが「変更」、すなわち「クローズアップしてお客さんに見せる人物を変更する」ということ。

整理する。

・クローズアップして、読者に見せる人物を限定する。
・クローズアップして、読者に見せる人物を変更する。

これが、1対1(2人)と多人数(4人以上)の違い。そして多人数(4人以上)をうまく書くための処方箋の重要な2つでもある。

恐らくあなたは全員を等分に見せようとしすぎている。誰かをはしょることなく、常に全員にカメラを向けながら書こうとしている。「誰かがカメラを向けられていない、無視されている、描写されていない」という状況がないようにしようとして書いている。とにかく読者に全員を見せようと躍起になっている。それでは絶対にうまくいかない。

選択と限定が必要

どんなふうに描いているのかは、『巨乳ファンタジー』シリーズの複数プレイをご参考に。

最後にもう一度、処方箋をまとめておく。

・4人以上の多人数プレイの場合、最初にキャラのポジショニング(どこにいるのか)を明確に決める
・プレイの参考映像を用意する
・冒頭では順次、全キャラを読者に見せる
・その後、クローズアップして読者に見せる人物を、限定する。
・クローズアップして読者に見せる人物を、変更する。
・全員を収めても読者が混乱しない場面で、全員を読者に見せる

ちなみにエロラノベバイブルというハウツー本を書いていますが、第1巻では、多人数プレイの書き方については記されていません。無念! それでも得るものはあると思います。400頁オーバーの大著です。




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