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七星の閃剣③
相克の閃剣士
「今度こそあなたを、あなたを……」
シラユキはイオナの反応を見ると憎しみ、恨み、そして大切な人を失う怖さに怯えそうになる。
なぜイオナはシラユキを恨むのか、それは心当たりしかなかった。シラユキとイオナの姉「アルト」がある術師に襲われその際にシラユキをかばい霊具(スピリットギア)を使われ封印された。その際に生きて帰らないと知ったイオナは憎しみをつのらせ、「空、白の空間」にいざなわれ姉の振るっていた「紫電」を握り戦い続けた。
「真実」を知ってもなお、割り切れないイオナ、閃剣、そして霊具、これらの「真実」を追い求めるシラユキ、二人の怒りこそあれど「真実」に対する態度の違い。
これらが絶望へと突き動かしていく。このことに気づかなかった。
相対する閃剣
その2つの閃剣、その閃剣は対になる閃剣であった。
『今度こそ、あなたを殺す、あの時私が誓った』
『私はあなたとどうして戦わなきゃいけないの?』
『シラユキさん、あなたが見殺しにしたから』『あなたが、あなたが』
(私には真相も何もかも教えられない)
(ただの弱い人間……)
(だから戦わないと)
『聖風よ、自然となりてその邪悪な霊を罰せよ……』
本当に悲しみに触れた顔でしとる雨がそれを触れる
『紫電よ、邪なものを正義の剣で消しされ……』
2人の閃剣士は互いを互いに殺し合わせる。それが無駄であることを知らずに。
まだ二人はそれを知らぬ。
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