時間が惜しい受験生だからこそマインドフルネスをやってみよう

ストレスはどうして生まれるんだろう。
簡単な答えは、世界を自分と自分以外のものに分けて考え、自分以外の物事に気を向けてしまうからです。それらに対する思いや感情に巻き込まれるからです。
自分と自分の外にあるものの間で、生み出される緊張状態の中にあるからです。

だったら、この緊張状態をどうしたら解消・緩和できるのでしょうか?
答えは簡単です。

自分の心が外に向かうことで気散じ=ストレスが起こっているのなら、心が自分の外に向かわないようにすればいいのです。

つまり、外に向かう心を、自分の内側に向ければいいのです。


では、どうやって?

瞑想です。
瞑想の方法は、数千あると言われています。
宗教色のあるものから、純粋な呼吸法にいたるまで。

例えば座禅ですと、半眼で前下方を集中せず、ただ漠然と眺めることによって、自分の外にある特定の対象に意識が向かうのを止め、自分の心の内側に意識が向くようにします

あるいは、密教で行う月輪観という瞑想ですと、目の前にある月の輪の形を心に刻んで集中することで、心を自分の内側に向けさせます。

といった具合に、心を自分の内側に向け、外へとすべりださせずに留めるやり方は、瞑想ごとに千差万別です。
しかし、「心を自分の内側に向ける」という点では、すべての瞑想は同じしくみを持っているのです。


従来の定説は、大人の脳は、本質的には構造においても機能においても変化しない、というものでした。
しかし、それは間違いだったのです。
脳は偉大な可塑性をもっていたのです。
つまり、構造においても、機能においても大変身できるのです。大人になっても。

しかも、それが、外部からの薬物とかの影響ではなく、自分がどんな経験をするか、どんな考え方をするかで、脳はどんどん変化していくことがわかってきたのです。

目の見えない人が点字を読んでいると、指の触覚的世界が視覚的世界を開いていくことがわかってきたのです。

同様に、耳の聞こえない聴覚野からの情報が、視覚情報に変換されることもわかってきています。

もともと別のことをしている脳に、どうやら新しい機能をもたらせることが可能のようなんです。

いいですか。障碍者でもそうなんですから、普通の脳をもっている人たちの性格を変換することが可能なのも当然ではありませんか。
「前向きな思考ができない」「悲観的になってしまう」脳のクセを変換は可能なのです。

その偉大な実験にお釈迦様も挑んできたのです。
そのことを今後、まとめていきたいと思います。
「私は勉強に不向きだ」と思う方、ぜひお読みください。

最近、マインドフルネスという瞑想をいたるところで見かけます。
この瞑想はもともと「ヴィパッサナー瞑想」と呼ばれる。仏教の瞑想に端を発しています。
「ヴィっパッサナー」という言葉は、パーリ語で「よく見る」という意味で、同じパーリ語の「サティ(気づき)をもとに、英語で「マインドフルネス」と翻訳されました。

この瞑想は、ブッダがそれで悟った瞑想として知られています。お釈迦様と同じ修行なら安心ですよね。現在、東南アジアの上座仏教を中心に実践されています。
1970年代に、米国正チューセッツ工科大学マインドフルネスセンターの所長が、その仏教色を抜いて、ストレス軽減法として脱宗教化した瞑想が、このマインドフルネスです。

この瞑想法は、現在では、宗教・文化の枠を超えて、世界中で広く実践されています。
世界的な一流企業、インテル・グーグル・IBMなどの社員研修として活用されています。
日本の企業でも取り入れるところが少しずつ増えてきております。

おすすめのマインドフルネスの基本コースは、

①からだの部位に意識を向ける5分間
②鼻の呼吸に意識を向ける5分間

の計10分間を、1日1回できるときに行う、ということです。

わかった。
この深呼吸みたいなものを毎日やればいいのね。
でも、これってどういう良いことがあるの?

この瞑想を20分以上やった人からは、高い確率でα波が出やすいことが大脳生理学的に実証されています。
さらに継続してやっていると、日常生活のどこでも簡単に瞑想状態に入れるようになってきます。
ということは、思いがけずイライラするアクシデントに出会っても、一瞬で自分を取り戻せるのです。集中力を復活できるのです。サラっと書きましたが、これって凄いことですよね。
集中できなくて困っている人は本当に大勢います。
そういう人ライバルたちを簡単に振り切って自分の世界をすすめるのです。

ですから、マインドフルネスの本の宣伝に、「頭が超よくなる」と書いてあるのも当然だ、と納得します。
問題に巻き込まれた時でも、全体を俯瞰できる「鷹の目をもつ」ことができるのですから、問題解決能力もアップします。


また、からだや呼吸という自分の中で起こっていることにしっかりと気づけるようになるということは、自分のものの感じ方や考え方について、徐々に気づけるようになるということです。
ということは、自分の価値をちゃんと自覚できる、ということです。

今の自分にはとてもとてもできそうにないと思うかもしれませんが、これは、脳のトレーニングなのです。
この新しいトレーニングを続けていれば、障碍者の脳に起きたような、奇跡的な超能力も夢ではないはずです。
さあ、受験生こそ、このマインドフルネスをやってみましょう。受験勉強が何倍にも進むこと間違いありません。


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