利益相反関係にある情報筋は信用できないというのがインテリジェンスの基本

利益相反関係という言葉をご存じだろうか。
金融業界を中心としたビジネスの現場でも、とても重要な視点である。
しかし、これはニュースや情報を受け取る場合においてもとても重要な視点となるのだ。

例えば、A社のA薬、B社のB薬が売られていたとする。A薬とB薬はともに、同じ病気に対処するための薬であるとする。
消費者としては、A社のA薬が良いか、B社のB薬が良いか、中立の立場で公正に評価した情報が欲しいと思うのは当然だろう。
何故ならば、A社のA薬には、A薬特有の利点があると共に、副作用という欠点があるからであり、B薬にはA薬と違った利点と欠点があるからだ。

A薬とB薬を評価するテレビや新聞があったとする。
われわれ消費者としては、中立の立場で、A薬とB薬の評価をテレビやマスコミに期待したい。
国民の全てが、薬に関する専門家ではない。だからこそ、国民はテレビやマスコミに中立の立場で忌憚ない意見を聞きたいのだ。
つまり、良い情報も悪い情報も、包み隠さずに伝えられた上で、A薬を選ぶか、B薬を選ぶか、あるいは、A薬もB薬も選ばないかを、自由な意思で選択したいのだ。

しかし、もし、A薬とB薬を評価するテレビやマスコミが、A社やB社から多額のお金をもらっていたらどうなるだろうか?
たちまち、A薬やB薬の悪い点は報道しないであろうことは、容易に想像がつく。

さらに、マスコミやテレビが、常にA社やB社から多額のお金を受け取り続けていたらどうなるだろうか?
その場合には、A社やB社が売り出したあらゆる薬について、悪い点については報道しなくなるだろう。

この場合のA社やB社と報道機関の関係を「利益相反関係にある」という。
この利益相反関係を見抜いて正しい情報を得るには、A社やB社と報道機関の関係を知ることに加え、そもそもの薬に関する基本知識を得ることで、正しい情報を得るのがインテリジェンスだ。

結局は、「見えないところで金をもらっているのではないか」という疑いの目で利益相反関係を疑うことで、情報を精査するしか道はないのだ。

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