[清水量子の解説]第8章 ベルの不等式(証明)

量子力学では、CHSH不等式が破れることを証明します。
ここで言う「ベルの不等式」は、CHSH不等式で代表させています。

問題設定

互いの影響がない地球と月の間の真ん中の地点から
「同一の物理量の状態」が量子もつれしている粒子を飛ばし、
月に来た粒子の物理量に、Aと名付け、その測定値を a
地球に来た粒子の物理量に、Bと名付け、その測定値を b
とします。
測定値は、単位を適当にとって、±1とし、
その確率分布は、任意とします。
測定値を左右する測定器のパラメータには2つ以上の設定があり
月では、θとθ’、地球では、φ、φ’ とします。
尚、測定値AとBの相関は、< (A - <A>)(B - <B>) >ですが
<AB>の計算で十分なので、<AB>をAとBの相関と呼んでいます。

相関<A B>の量子力学での表現

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