「漁港の肉子ちゃん」西 加奈子・著

「漁港の肉子ちゃん」西 加奈子・著作 出版社・幻冬舎文庫 出版年・平成30年4月                             明石家さんまが映画化したことで、読んでみた。            原作が西加奈子とは知らなかった。                  映画化されると興味がわくことと、読んできた本が映画化されるのは、微妙に違う。読破済みの映画化の場合は、誰が登場人物になるのか、イメージの齟齬が気になるのだが、初めに映画化ありきでは、読みながら(ふう~ん この人を登場人物にあてたのは、なぜ?)とさんまの心境を意識しながらになる。肉子ちゃんの声優が大竹しのぶで、きくりんがここみ。なぜ、さんまがこの本をアニメ化したいと思ったのかは、わからないが、西加奈子の著作のなかでも、この肉子ちゃんはかなりの存在感がある。著者の生まれ、育ち、によるのもかは判然としないが、彼女の著作の登場人物は、他の作者とは微妙に異なる質を感じる。土着というと重いが、根っ子がある?どんな形かははっきり見えないが、どこかで根付いてるように受け取られる。迷い、悩み、それでも私だものというのを、最初から持っている。肉子ちゃんは。もう訳が分からない部分だらけなのに、それで良しである。誰かが誰かのために、犠牲になるとか我慢するとか遠慮するとか、そんなことは人には付きものであり、生きて入れば当然の日常なのだ。


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