賛歌

 建物の間を縫う、長い長い坂道。中身の無い卵が登って行く。顔の無い石たちの笑い声。日の光が電柱を、アスファルトを、人を暴き出して行く。急激な速度低下と情報過多で、形は薄れてしまった。

 辿っても、どうしても遠のいてしまう。何もかもを同じ場所に置いて、いつでも帰って来れれば良いのに。あの景色は果たして本当に僕のものだったのか。映画の中の事だったのかもしれない。

ずっと綺麗なままで居て。

脇道の無い大きな道路。落ちる河川

 

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