街の病状

電柱と電線に描かれる街                連なった壁のあの一つを超えれば          微熱の中で濁る上下

そして無くした泡とヒビと星            見えなくなった                                       混ざる光彩の中で

線の上をつたう人 昼間の火傷の軌跡         あのトンネルの先の階段を超えても           呼吸に回憶を覚えないフロアは広がる      

また逃げ出した子供と熱               枯れなくなった                  声と夜と咳           

あのカーブを曲がって                 すれ違う人を抜けて                 聞こえる呼吸の麓に

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