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ドイツコロナアップデート〜変異種とその影響に関する専門家の見解について(2020/12/22現在)

グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。

英国で確認された感染力が7割増し(らしい)新型コロナウイルスの変異種B.1.1.7.についてドイツの公共放送ARDの報道がありましたので概要をご紹介します。

この記事では英国で発見された新しいコロナウイルスの変異体B.1.1.7. について、①ウイルス学研究者、② バイオンテックCEO、③ ロベルト・コッホ研究所所長、④WHO 緊急事態対応統括の見解を報道しています。


①シャリテ・ベルリン医科大学のクリスティアン・ドロステン教授(ウイルス学者で、SARSコロナウイルスのスペシャリスト。国民にむけたポッドキャストでの発信も行う) によれば変異種は、ドイツ国内にすでに到達している可能性はあるが、現在ドイツではロックダウン(都市封鎖)や接触制限がなされているために今すぐには重大な問題にはならないとしています。根拠としてPublic Health England (PHE)の研究をあげ、接触制限が不十分な地域で変異種による感染の勢いは強いが、十分に接触制限がなされている別の地域はコントロール下にあるとし、また現在のところ変異が重症度に影響を与える証拠もなく、ワクチンの効果が低下するという証拠はないとして、今のところ変異種を深刻な懸念とは考えていないと述べています。しかし情報がまだ曖昧として断定を避けることもしています。

② バイオンテックCEOシャーヒン氏

バイオンテック社のワクチンは今週月曜日にEUで承認されたばかり。同氏は現地点で自社のワクチンはコロナウイルスの変異変異型にも有効であるという前提と述べています。理由は変異種のタンパク質は現行のウイルス株と 99% 同一のため、しかしさらなる検討を行い、今後数週間以内にこの点を確実にしたいと述べています。

必要であれば、技術的には既存のワクチンを6週間以内に「再設計」が可能だが、その場合は新たな承認プロセスが必要になるとも述べています。

③国立ロベルト・コッホ研究所、ヴィーラー所長

変異種B.1.1.7 は英国で9月に検出されて以降オランダやデンマークなどの近隣諸国でもすでに検出されているが、ドイツではまだ未検出であるが、すでに変異種がドイツに到達している可能性は非常に高いとしています。


④WHO 緊急事態対応統括ライアン氏(外科医、感染症・公衆衛生疫学者)

変異種は依然より少し効果的に感染するが、感染拡大防止は可能、ゆえに「制御不能」とは言えない、しかし封じ込めには一層の対策強化が必要

この記事では最後に欧州向けコロナワクチンについて述べています。

欧州でのコロナワクチンの最初の出荷は23日から開始、バイオンテック社によると年末までに1,250万本の投与量をEU向けに準備中。ワクチンは現在、ベルギーのプールスにあるバイオンテック社の米国パートナーであるファイザー社の工場に保管されており、バイオンテックの様々な生産施設で製造された原料がそこでさらに加工され、充填。12月26日までにEU加盟国に配布されて27日から予防接種を開始する流れだそうです。

かなりの綱渡りスケジュールですがEU側もバイオンテック・ファイザー側もとにかく一刻を争うという危機感で動いているようです。

変異種に対応したワクチンに作り変える必要があるのか気になりますが、変異種はこのタイプだけではなく、最後でもなく変異種が出るたびに変えていては、接種そのものが遅れるでしょうし、人々を感染とその不安から守るためには専門的であることはもちろん、迅速かつ政治的、現実的であることを求められて高度な判断と実行が必要のようです。

初回EU域内用のワクチンはこのようなステップで域内に輸送されるようです。10ステップに分けて説明されています。


ドイツは現在も高い新規感染者数、死亡者数のままでリスクグループから早いワクチン接種が望まれます。

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tageschau 2020/12/22より



それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊




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