EU 5つのワクチン契約

グーテンターク！皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。昨日はファイザーとモデルナによる熾烈なワクチン開発競争について書いたので、今日は実際お世話になる？かもしれないEUが締結しているワクチンについて書いてみます。

EUは今年8月以降、すでに5社と契約を締結しており、開発・承認プロセスが正常に終了した後にワクチンを購入する予定とのこと。通常10年かかるそうですが、新型コロナの感染拡大の仕方では世界全体で経済が止まるので急ぐ必要がありますよね…。

Since August, we have concluded 5️⃣ contracts with pharmaceutical companies to allow the purchase of a vaccine once its development and authorisation process has been successfully completed:
📝 AstraZeneca to supply up to 400 million doses;
📝 Sanofi – GSK to produce up to 300 million doses of the vaccine;
📝 Johnson & Johnson to secure future vaccines for 200 million people;
📝 BioNTech and Pfizer to procure 300 million doses of the vaccine;
📝 CureVac to provide up to 405 million doses of a vaccine.

①英アストラゼネカ 最大4億回分
②仏サノフィと英GSK 最大3億回
③米J&J 2億人分
④独BioNTechと米ファイザー3億回
⑤独CureVac 最大4億500万回

現在EUの人口は英国を除いて4億4800万人。(最大は独の8,320万人、次が仏の6,710万人) ③以外は何回で1人分カウントしているのか分かりませんが2回=1人と数えてもワクチンの5契約あればどこかが遅れても域内の人全員に十分行き渡る数です。またワクチンの種類も分散されています。

①アストラゼネカ: ウイルスベクター　[AZD1222]
②サノフィとGSK : 組換えタンパク質
③J&J :ウイルスベクター[Ad26.COV2-S]
④BioNTechとファイザー: mRNAワクチン [BNT162b2]
⑤CureVac : mRNAワクチン[CVnCoV]

①〜⑤は契約順ですが、ワクチン接種に向けて④が一番先頭を走っています。

5契約について詳細は　EU Vaccine Strategy をご覧ください。

その④を開発中のバイオンテックとファイザーは今日11/20、米食品医薬品局(U.S. FDA) に緊急使用許可を申請すると発表。

We are submitting our first request for an #EUA in the U.S. for vaccine candidate #BNT162b2 against #covid19. We look forward to continuously providing data to various regulatory authorities as part of our rolling review process – including the @EMA_News. https://t.co/Lk7MTlwE5R pic.twitter.com/OjZ2IxiU3a

— BioNTech SE (@BioNTech_Group) November 20, 2020

ツイッターの最後にリンクされている同社プレスリリースには米FDAへの申請に加え、オーストラリア、カナダ、欧州、日本、英国を含む全世界での申請を開始しており、世界各国の他の規制当局にも直ちに申請を行う予定とあります。着々と申請に向けてアプローチしているようです。

今日の報道では、メルケル首相がヨーロッパでも早ければ12月年内に承認される可能性があると述べているとのことで欧州もアメリカに続く見通しです。

日本が入っているのですが、日本の緊急承認ってどれくらいの早さで誰がどのように決断するのでしょうね？

所管は厚労省でしょうけれど。たとえば日本国中が注目した前の一斉休校や緊急事態宣言においては、そこに至るまでに、誰が何を話しどういう意見が出て、どのような理由によりその決定がくだされたのか日本の意思決定プロセスが非常にわかりにくかったです。

今回どういうステップで日本でワクチンが承認されていくのか興味があります。首相なり閣僚は総合的判断という言葉に安易に逃げずに可能な限りロジカルに説明してほしいです。

米国は超切羽詰まっており、欧州も感染者がハイペースで冬本番を迎えますから待ったなしで使用を認める動機が大きいです。日本はまだ感染者は前述地域と比べればかなり少なく、そもそもワクチンに慎重、ゼロリスク神話の国だからどうなるのかなと。ただオリンピックがあるので春には他国が導入して接種してオリンピック選手は入国してくるので日本が何もしないでいるは整合性がとれないですよね。私の予想は日本も英国が導入するくらいのタイミングではじめるのかなと。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました！

Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース！(ではまた〜)😊