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東武鉄道のSL整備士に聞いてみた。

さて、今回はSLの整備士さんとお話してきましたので今回はそのお話。

Q.C11 123は何故、ほかのC11と見た目が違うのですか?

A.C11とは言っても型式が違います。
C11には2種類があり、国鉄型と民鉄型が存在します。外観は似ているもののよく見てみるとボイラーのサイズや車体など結構違うところがあり使ってる部品も全然違うものでした。なので、207号機とも325号機とも違った見た目となっています。

Q.なんというか、大胆な復元でしたね…?

A.そう…ですね。
鉄道ファンの方々には少々申し訳ないなぁ…。とは思っているところなんですが、車体の腐食が酷くて、元々もの車体が使えないということもあり、泣く泣くと言った側面もありました。なので、車体やボイラーはほぼ新造です。

デッキ部分と思われる。見ての通り腐食がひどい。

また、ライトがLED式なのはメーカーがもう製造していないということもあり、致し方なく交換しました。ある程度在庫は確保していたのですがもうないみたいですね。もしかしたらほかの機関車も交換することになれば同じものになるかもしれませんね…。ちなみに、釧路開発時代の名残などは処分するのには惜しいということで今回展示している通り、保管しています。

石炭庫部分に書いてあったもの。切り抜き、保管している。

Q.123号機の状態はどうですか?

A.何とか走っている…といった感じです。
なんというか、何とか走ってくれると言った感じですね。まあ、今後、東武で整備していくうちにちょっとずつ調子は良くなっていくと思います。

Q.207号機の調子はどうですか?

A.最初のうちはあまり調子が良いものとは言えませんでした。
207号機は北海道から来たわけですが、171号機に比べて207号機は調子悪かったんでしょうね。まあそりゃそうですよね。でも、色んな会社さんと協力してSLの整備の腕を上げてきたということもあり、最近は調子よく走ってくれています。うちの整備の腕が上がっているのをよく示してくれてると思います。

C11 207号機。北海道特有のカニ目が特徴的。

Q.325号機はどうですか?

A.325号機は火室の圧力が上がりやすいですね。
SLは動力を蒸気から得ています。その蒸気を排出するのに当たって火室から煙室にそして煙突から排出する必要があります。これには火室の圧力がしっかり上がらないと、排出できません。なので325号機はしっかり煙を排出してくれますね。ちなみに207号機は圧力が上がりにくく、火室から運転台に煙が逆流してくることがあります…。

検査中のC11 325号機

Q.同じ形式でも車両ごとに全然違うんですね。

A.そうですね。
電車でも車両ごとに癖があるのですが、SLは特に顕著です。123号機、207号機、325号機それぞれに癖がありますね。

207号機に関しては特に面白いことが聞けましたね。今年のファンフェスタの事前告知ではSL整備庫の見学は予告されていなかったということもあり少々、驚きました。例年では、見学には事前申込で当選する必要があると言ったことがあったのでその点ではプレミアムだったのかなぁとは個人的に思っています。

数年までSLに対してド素人だった東武鉄道がこのようにしてSLを修復して運行できるということはすごいことだと思います。今のところ運行区間が短いSL大樹ではありますが、運行区間をさらに伸ばしてのりごたえのあるSL列車になってくれると嬉しいなぁと個人的には思っていますのでそこは期待かなと。

と言った感じで今回はここまで。

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