2022年歌詞 of the year(フ)

<2022年歌詞 of the year>

近頃、様々な良曲情報がたくさん入ってくるようになって、嬉しい悲鳴が個人的に上がっています。そこで、2022年に発見した曲を皆様にもおすそ分けするシリーズを開始します。まずは歌詞部門。

大賞:僕の存在証明/やくしまるえつこメトロオーケストラ

優勝!!!!!(歌詞以外でも、五冠位取ってる)

この曲は人生の中でも1位争いを繰り広げる曲なので無限に語れます、今回は歌詞について。

「近い意味の言葉」や「対比させたい言葉」で韻が踏まれまくってるというところも凄いです・・・ぜひ、曲を聴いて、歌詞も眺めてみてください。

「終点はない 偶然もない 想定内の光景だけがある」

"
想定内"との対比として、"終点"と"偶然"が挙げられています。

"偶然"は"想定外"と親和性が高そうですが、"終点"がなぜ想定外?

いつまでも終わらない使命
終わらせるべき何かをいつまでも終わらせることができない焦燥
もしくは、現状がいつまでも続くだろうという甘え

刺さりますね・・・・・・

どうしてかなこの道は君へと続く
その意地が間違いでも 一かバチかでも」

初めて聴いた時声を上げて号泣したポイントです

この道が君へと続くと信じて、通そうとしている"意地(行動)"

①行動が君へと続くという考えが、手法的に正しいか、間違っているか

②考えが正しくても、結局は一か八か天に任せるしかない運任せの選択ではないか

二つの葛藤を振り切る、悲壮な決意・・・可憐・・・

しかし、この歌詞は"聴いただけ"では分からない表現があり、歌詞を読むことで3つ目の葛藤が明らかになります。

「その意地が間違いでも 一か"罰(ばち)"かでも」

3つめの葛藤。

③この行動が"道義的に"許されるか許されないか

強い覚悟がそこにはあったんですよね・・・(再号泣)

1番「救済はない 崇拝もしない それでも君が笑った」
2番「承認はない 福音はこない それでも君は笑った」

1番と2番の違い、痺れますね・・・

救済や崇拝は、その場に留まっていてもできること。
承認と福音は、自ら行動や選択した後について来るもの

1番から2番の間に、既に動き出しているんです・・・!

ただ、1番の動けなかった自分であろうと、2番の動き出した自分であろうと、拠り所は「君が笑ったこと」

「君笑った」と「君笑った」という細かい言葉の違いも好きです。同じ笑顔でも、違う意味を見出している感じが。

「どんな十字架を背負っても アイをなくしても」

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どんな十字架を背負っても"は先ほどの歌詞「一か罰かでも」に係る部分ですね・・・罰=十字架を背負う

"アイ"を「愛」とか「I(私)」とか「哀」の複数の意味で取る手法、ベタかもしれませんが、ことこの曲に至っては、どの意味でも"重い"んですよね・・・

「愛」→「愛」は双方向なものですが、基本、この曲の歌詞で描かれる行動って、自分が君へ至るための"意地"であって、一方的なものなんですよね・・・

「I(私)」→この曲のタイトルは「僕の存在証明」です・・・(説明できない感情)

「哀」→道義的に許されない行動でも取ろうとしている、"僕"は人間の心を保てるのだろうか・・・後に"慈悲をなくしても"という歌詞が出てくるので、自分的にはこの"アイ"もあると思っています。

「来れり 見よ 扉開かる 罪咎を荷のう人の子らに
赦しはあらんや さりとて夜明けは来ぬ ここに光あり ハレルヤ」

ここ、聴いてほしいですね・・・歌い方や曲調と相まって神々しいです・・・

歌詞の良さを説明するのに歌い方や曲調に触れるのはズルかと思いましたけど、西野カナがトリセツを歌った場合と、大友康平がトリセツを歌った場合で、「歌詞の意味するところ」を同一に見れないですよね?(持論)ここはやくしまるえつこが歌うからこそ、歌詞に神々しさが宿っているんです。

"赦しはあらんや"は二つの意味にとれて
①赦しはあるだろうか?(疑問形)
②赦しはあるだろうか?いや、無い(反語)
ここで考える幅があるの本当に・・・・・・・・・・

「ねえ神さま どうか止めないでくれないか
ちゃんと上手にやれるから 帰れなくていいから」

号泣がむせび泣きに変わったポイントです

先ほどの「君が笑った」ところからずいぶん後の歌詞です。

救済や崇拝を求める心を振り切る
→承認と福音を求める心を振り切る
→止めないでいてくれればそれでいい

ああ・・・あなたは強いです・・・(書いてて泣きそう)

「ちゃんと上手にやれるから」は「笑ってくれた君」と「見守ってくれる神様」を同一視しているからこそ、出てくる馴れ馴れしい、温かい言葉。いつぞやの日記のタイトルの元ネタにしてしまったくらい好きな言葉です。

本当は全歌詞引用人間になりかけましたが、"輪るピングドラム"や自分の個人的な経験に"結び付けるからこそ"好きな部分もあったりするので、そういったところは出来るだけ排しました・・・それでもこれだけ書くことがあった


入賞:アノニマスファンフアレ/ツミキ

今年、めちゃくちゃリピートして聴いてました・・・歌詞の一部をイラストの題に取って来たりする位好きです

歌詞に句読点があるのが""""癖""""なので、最高です。歌詞に句読点があると、読んだ時に「間」や「テンポ」を感じさせる効果があるので本当に好き。あと、この曲では句読点が過剰にあることで「息を切らして走るような感覚」が去来し、疾走感に繋がっていますね・・・

「訊こえるか、僕の存在証明讃歌が。」

ア~~!!!!!!!!「僕の存在証明」!!!!!!!???????????????!?!?!??!?

好きな曲が好きな曲のタイトルで始まるの、これ以上ない幸せなんですよね・・・・・・・・・・・・・・・

「徒花が咲いている夜に、鳴り響くファンフアレ!」

耳で聴くと「徒花が咲いている。夜に鳴り響くファンフアレ!」という区切り方で歌ってるように聞こえるんですけど、歌詞を読むと全部つながっていたんですよね・・・!

"アノニマスファンフアレ"は"徒花が咲いている夜に鳴り響く"ものなんですね・・・!!!!(つまり、何が言えるかは各々の解釈がありそう)

「終生は其の熏み付いた白月と酷似している。
三分と少しのエラーは、呼吸を開始した。」

語感が良すぎる・・・

「三分と少しのエラー」が3分17秒あるこの曲の尺を表しており、
「呼吸を開始した」が句読点過剰で息が切れるような「歌詞」とマッチしているのが、本当に好き

入賞:敗北/TOOBOE

他の曲との関連性を感じさせる歌詞部分も大好き

「それは敗北よりも尊い熱い夜だったな」

で、タイトルは「敗北」なんですよね・・・

最大限のカッコいい負け惜しみともとれるし、敗北をバネにして次の日も生きていく宣言ともとれるの良すぎる

「私ちょっと何も知らないけれど天才だからさ」

ずるい女~~~~~~~!!!!!!かっこいい・・・・・・キラーフレーズすぎる・・・


入賞:いらないよ/syudou


「これは最大限の愛情表現 且つ終えるメロディ つまり先生アナタの提言などもう要らないよ 身から出たサビを今掻き鳴らす」

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僕の存在証明"でも触れたんですけど、「神様」とか「先生」が判断する物事に対して、愛を持って真正面から自分の判断を突き付けるという構図が好きなのかもしれないですね・・・

錆びとサビかかってるのも、かっこいい


入賞:メンタルチェンソー /P丸様。

「アァァァイ ワンツー参四! 鈍痛な惨事
くっだらない脳細胞 案じ さあ高所バンジー
アァァァイ 超丸腰 メンタル万死?
(笑)(笑)(笑) 止めらんない秒針」


歌唱法と韻が相まって癖になります

入賞:「BLACK OR WHITE」/DOTAMA

I’M ジャパニーズ・サラリーマン 吐く言葉 かなりリアル
取引先は神様です 「誠に申し訳ありません
御社の成長と発展に貢献させろ クソッタレ」

やっぱりDOTAMAの視点は面白い

入賞:異常な音を出すガール / cosMo@暴走P

「永久酩酊ビターな味がする」

入賞:ドーピングダンス/STEAKA

「天才×天才が成せる変態的なテイザー銃」

「論外だけに論点ズレてる お節介語録一辺倒」

「限界×限界 壊れる ゲッダン マジで言ってんの」

入賞:麻痺/yama

「痺れちゃうくらいに怖くてさ 足が竦んで竦んでいた その時 落ちた涙が今も忘れらんないよな」

「私を強くさせた貴方に捧げる 可憐なアタックに込めた素敵なバラードを」

「嗚呼 今 静かに心が燃えてたみたいだ」

入賞:サイコねーちゃん/GickShack

「すぐ手ー出す!所属はメンサ!半端ねーな!サイコねーちゃん!」

「赤セーラー!目からレーザー!あだ名はベーダー!サイコねーちゃん!」

「脳天チョップするダイヤル 3.14159!」


以前紹介した曲ばっかりですね・・・?まあガチランキングなので仕方ないか・・・次回、インスト部門やって終わりでも差し支えないかもしれない


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