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天才てれびくんと私

高校1年生の頃、
天才てれびくんのオープニングと結婚したいと思っていた。

どれかと言うと、いちばん最初のやつ。
ダチョウ俱楽部さんが司会だった時のやつ。
すかんちの『タイムマシーンでいこう』のやつ。
人間とリモコンの言いなりになっていたテレビが
ついに反乱を起こしたやつ。

リアルタイムでも見ているはずだけれど
私が高1の頃、各動画投稿サイトが今よりずっと無法地帯だった頃、
その初代・天才てれびくんのオープニングを見返し衝撃を受けた。

昭和のモノクロ写真を利用したレトロSFなモンタージュ。
今考えてもどうやって撮影・編集してるのか謎なCGと人物の合成。
人々を襲うテレゾンビの禍々しさ。
9人のてれび戦士のまなざしの凛々しさ。
すかんちの曲も最高。

最高。

今、正規のきちんとした手段で見る方法が
横浜の放送ライブラリーに行くくらいしかないので
全人類に見せつけられないのがもったいない。

※追記※
…と思ってたらあった。
NHKアーカイブス。
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009020031_00000
テレゾンビが出てくる冒頭のナレーションが端折られているのが
非常に残念だけど… 一応見れる。
※追記終わり※

とにかく、世界一カッコイイ映像だと思った。

自分の嗜好にかなり影響を受けた。
ヘッダーの画像もだいぶ前にテレゾンビをモチーフに描いたものだ。

そして、あまりにも好きすぎて結婚したいと思った。
人間・その他関係なく
結婚願望を抱いたのはそれが最初で最後だ。


そもそも、私は子ども番組が好きだ。

子どもの時はもちろん見てたし
大人になっても見てる。

前回、声優の藤原啓治氏のことを書いたけれど
私の体の半分が藤原啓治氏で出来ているとしたら
もう半分は子ども番組で出来ている。

特に天てれのように、SFファンタジーな世界観を持つ
子ども番組が大好きだった。
子ども番組としては対象年齢高めのやつ。
ちょっとブラックさが入ってると尚良い。

それらの「デザイン」が大好きだった。
テレゾンビしかり、
大人向けではなかなか見られない
常軌を逸したワクワクする意匠が
いっぱい詰まっていると思っている。


天てれも不思議な番組だ。
タイトルを変えつつ30年近く放送しているけれど
時期によって内容や雰囲気もガラッと変わる。
そのせいで世代によって「いつ頃の天てれが面白かったか」の
認識に大きな差がある。

私は、最初の『天才てれびくん』はぎりぎりリアルタイムで見て、
『天才てれびくんワイド』が一番直撃の世代なんだけど、
そうなってくるとその次に放送されていた
『天才てれびくんMAX』には違和感を覚えてしまう。

MAXあたりからのてれび戦士のやけにキラキラした感じ…
失礼な言い方すれば、スクールカースト上位群だけで
メンツが構成されている感覚があって、
どうしても過去のてれび戦士との違いを覚えた。
てれび戦士って「いろんなタイプの子」が入り混じってるからこそ
良いと思っていたから。

あと、MAXではてれび戦士たちの「チーム分け」が起こり
チームで対抗して争うようになる。

私は、それまで一丸となって頑張ってきたはずのてれび戦士たちが
大人(スタッフ)たちが勝手に考えたチーム分けで
勝手に分断されてしまったのがどうも嫌だった。
大人の都合で争い合う構図が、どうしても。

あと、チームカラーもガッツリ決まっていたので
2チームに分かれることで
衣装のカラーリングや印象にバリエーションも出ないのも
「子ども番組のデザインマニア」としては寂しい。

そんなMAXのある年度の初回、
てれび戦士たちの衣装がいろとりどりに変わっていて
「とうとうチーム分け制度終わったんだ、やったー!」と思ったら
3チームに分かれただけだったので、
ズッコケた記憶が強く印象に残っている。


しかし、チーム分けこそ正義!
MAXの時代こそ正義!の世代が勿論いるので結局やっぱり
自分が一番夢中で見てた頃が一番面白い。

MAXにはMAXの、他の時代には他の時代の面白さがある。
かつての子どもたちに「今の天てれつまんないよね」と
言われながら思われながら、
天てれは前進していく。


で、
現在放送中なのが『天才てれびくんhello,』。
てれび戦士の活躍に焦点当てつつ、
本筋のドラマも、データ放送ゲームもガンガン盛り込んで、
これまでの天てれのいいとこどり、
というのが個人的な感想。

でもきっと、前作の『天才てれびくんYOU』や『Let`s天才てれびくん』が
大好きだった人には違和感があるだろう。

それで良いのだと思う。
天てれは歩みを止めない。


で、本題。

私は巡り巡って『天才てれびくんhello,』の生放送の
デザインの一部を担うことになった。

どこをどうデザインしたかはまた今度。
(ちなみに先週の生放送でもやってました)


結婚まで考えた相手の
歴史の1ページにちょっとだけ参加できることは
大変誇らしく、大変うれし恥ずかしい。

しかも本来なら4月から放送していたはずの生放送…。
私は演出面・技術面には特に関わっていないので
それらのスタッフチームには頭が上がらない。
みなさんお疲れ様です。


今見てる子どもたちに将来
「あの時の天てれ面白かったね」とか
思ってもらえると良いよな。

その頃も天てれは相変わらず放送を続けていて、
それでいてやっぱり内容は現在とガラッと変わってて、
「最近の天てれつまんないよね」なんて
かつての子どもたちに言われてるようであれば
天てれの進化的には最高なのではなかろうか。

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