猫が居る生活への憧れと最低の人間

「一人暮らししたい」

という妹の相談を受けて、最初に頭に浮かんだのは

「やった、これで猫が飼える」

だった。

真面目な相談をもらっといて、
なんて最低なのだろう。

本当に最低だ。

妹と私は両親と共にずっと実家暮らし。
父はかなりの猫好きなので
猫との生活は家族皆所望しているところなのだが
悲しいことに、妹は猫アレルギーだった。

私も動物全般大好きだし、
猫は特に可愛らしいとも思う。

しかし私は、その辺で野良猫に出会った時に
近付いていってわしゃわしゃ撫でたり
することができない。

私は猫が好きだけれど
猫が私のこと好きとは限らないからだ。

お散歩中の犬や、
動物園のふれあいコーナーの小動物たち
とかもそうだ。

動物自身がどう思っているか
迷惑じゃないか
考えてしまって愛でられない。
遠くから眺めるだけ。

奥手なのだ。
万物に対して。

そう思ってしまうものの
「家に猫が居る」という暮らしには
いいなあ とか 素敵だな と思ってしまう。

我が家に猫を迎えたところで
私になついてくれるかはまったくわからないけど。
生き物を飼育するってことは
その分家族が増えるってことなんだから
良いことばっかりではないとはわかってるけど。

それでもやっぱり憧れる。


というわけで、妹が一人暮らしを始めて
家には両親と私だけになったらきっと、
我が家に「新しい家族」を
迎え入れることになるはずだ。

それは良いとしても
妹に一人暮らしの相談をもちかけられた初っ端に
頭に浮かべることではないなと
改めて、私は最低な人間だな と
思うのだった。

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