映画記録 ハッチング-孵化-

ネタバレを含みます



一見仲の良い富裕層の幸せな4人家族で、娘がある日よくわからない生き物の卵を拾って育てて変な生き物が産まれてしまう話。

親から抑圧されて生きてきた人は見ない方がいいなと思った。
私の解釈だから、観た人が同じように感じるかは分からないけど、親から抑圧されてでも外部からの刺激で親の言う通りの性格をした自分と違う反抗的な自己が産まれるみたいな話に見えた。

母親は不倫してるわ、父親はそれを観て見ぬふりならぬそれすらも受け入れる寛容な振りをする。それで母親のことを褒めるのだ。
母親も母親で、家に不倫相手呼んでそれを娘に見られたら女の秘密だからねとか言って、性別で家庭内なのに縛ってくるのだ。弟は父親と同じ格好、見た目。母親と娘は髪の性質が違くて、服も少し違う。母親と同質になれない娘は責められてる気分になるし、父親も弟も味方になりはしない。
同じ観点で、嫌だなと思ったのは、母親が娘を贔屓したことで弟が娘のことを嫌ってくるとこ。リアルすぎる。それで姉妹がギスギスしていく。

そういう風に家族のことを嫌ってしまう自分が嫌で、それでも抑えられなくて、なるべく隠そうとする。そういう自分を非難されればされるほど、外面を保ったいい子な自分も傷つく。
最初化け物の見た目なのも、多分そんな感情に出会うのが初めてで、受け入れられないからな気がする。
そこから徐々に、時間を経るにつれてその気持ちがどういうものなのか理解して、自分と同じ見た目に近づいていく。
映画を作成した人の意図がそういうものだったのかは知らないけど、そんな話に見えてしまって観てると心が痛んできた。

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