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チャプター1-3: 出撃と空の彼方

「さてと、行ってきますか…」

俺は心の中で美紗子に最後の思いを馳せながら、零式艦上戦闘機が空に舞い上がっていくのを見送った。俺が零式の前に立つと、山砂上官が近づいてきた。

「梅田、最後に何か言いたいことはあるか?」

「ありません。
 全力で戦い、任務を全うして参ります!」

「そうか、ならば、行け。
 天命に従い、無事を祈る。」

上官の言葉を聞いた俺は、深く一礼してからコクピットに乗り込んだ。すぐにエンジンがかかり、機体がゆっくりと動き出す。風を感じると共に、自分が戦場へ向かうことを実感した。

その瞬間、周囲の風景が静かに遠のいていく。普段は見慣れていた海の青さも、今はただの背景に過ぎない。俺はこれから直面するであろう運命に思いを巡らせた。

「いよいよ出撃だな。」

空に向かって飛び立つと、下には広大な海が広がり、その先に敵が待ち受けている。心の中で「生きて帰る」と決意を固めながら、零式の操縦桿をしっかりと握った。

戦闘機が高度を上げると、雲が広がり、空の青さが深まり、敵との接触が近づくにつれて、心の中には緊張と期待が入り混じった感情が広がっていった。

「最後に、笑顔で別れを告げる事が出来たなら…
 悔いはなかったのだろうか」

だんだんと高度を上げるにつれ、地上の景色はますます小さくなり、遠くには艦隊の姿が見え始めた。その艦隊の姿が見えるほどの距離で、無線から上官の声が流れてきた。

「梅田、目標が確認できた。出撃の準備は整ったな?」

「はい、整いました!」

「よし、前進しろ。目的地に向かって進め!」

「了解!」

操縦桿をしっかりと握り、レバーを操作して機体を前進させる。冷たい風が顔に当たり、機体の振動が手のひらに伝わる。戦闘機が上昇し、雲の上に出ると、青空が広がり始めた。

「これが最後の空だと思うと、また心が締め付けられるな。」

俺は心の中で美紗子のことを思いながら、出撃を開始した。目の前には巨大な敵艦隊が見えている。これから迎える戦闘の激しさが、既に俺の心を襲っていた。

「美紗子」

と心の中で呟き、目的の敵艦隊に目掛けて飛んで行く。もう、俺には後戻りはできないのだ。

空中での初めての敵機との遭遇を想像しながら、俺は冷静さを保つよう努めた。どれほどの困難が待ち受けていようとも、心の中には美紗子との思い出がしっかりと刻まれている。

「美紗子、お前がくれた言葉を胸に、必ず任務を全うする。」

それからしばらくして、敵機との接触が始まった。空を駆ける中で、敵機の姿が見え始めた。これから繰り広げられる戦闘に対して、心の中で静かに決意を新たにする。

「行くぞ、敵機との戦いが始まる!」

零式艦上戦闘機は、敵機と向き合いながら空を突き進んでいった。全力で任務に挑む覚悟を持ちながら、俺は敵との戦いの準備を整えた。

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