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カメラ紀行「世界の絶景」

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世界を巡る旅で撮った写真を厳選して"カメラ紀行「世界の絶景」"としてテーマ別にまとめました。
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2024年2月の記事一覧

「世界の絶景」  5.海と空          その3・空の鮮麗

1.南太平洋の空◆クルーズ船とともに  横浜を出航したクルーズ船は、10日間の航海を経て2月4日、南太平洋に入った。  南太平洋の大空は、透明な大気が纏い、鮮やかな青空を描き出す。その美しさは、北太平洋にはない才覚に満ちていた。  朝早くデッキに出ると、"うろこ雲"や"いわし雲"と呼ばれる白い雲が青い空の中に広がっていて、穏やかで優しい光景を惹き立てていた。  夕暮れ時の空には、オレンジとレモン色が織り交ざった雲が拡がって、壮大な風景が心に慰めを与えてくれた。 ◆

「世界の絶景」  5.海と空       その2 海と空のハーモニー

1. ダーバン(南アフリカ共和国)◆ビーチが美しく、インド文化が根付く南アフリカの港町  ダーバンは美しいビーチが魅力的な港町である。  19世紀に労働力としてインド人が多く移住したため、あちこちにインドの文化が融合していて、本格的なインド料理が楽しめる街でもある。  晴れた日の早朝のビーチには、長い桟橋の上で釣りをする人々、そこに群がる海鳥たち。朝焼けの空と椰子の木、等々。被写体には事欠かないカメラマン垂涎のフォトスポットだ。 2.プエルト・アヨラ(ガラパゴス諸島)

「世界の絶景」5.海と空       その1.海の景観

1.ハロン湾(ベトナム)◆無数の奇岩が連なる景勝地  ベトナム北部のハノイから車で4時間。水墨画のように幻想的な風景が広がるハロン湾には、水平線から大小2千程の奇岩が突き出し、「海の桂林」とも呼ばれている。  中国との国境辺りから延びる石灰岩質の丘陵台地が数万年の時を経て、現在の景観をつくりあげた。  1つ1つが彫刻作品のようにさまざまな形をしており、太陽の位置や季節、見る場所によって、変化に富んだ風景が楽しめる。 ◆ハロン湾クルーズ  静かな水面のハロン湾に水紋を

カメラ紀行「世界の絶景」4.遺跡    その5 イタリア・ポンペイの遺跡

1.一夜で消えた古代都市 79年8月24日、ヴェスビオ火山tが大噴火した。その火砕流によって、一昼夜で溶岩と火山灰の下に埋まり滅びてしまった古代都市ポンペイは古代ローマ帝国の地方中核都市であった。  発掘されたのは18世紀以降のことである。  1700年もの間、古代都市は滅びたその日のまま、地中に眠り続け、ローマ時代の中核都市がほぼ当時のまま現代にその姿を伝えている。  壺が多数出土したことからワインの産地であったと言われ、港があり商業都市として栄えていた名残が、古代と変わ

「世界の絶景」4.遺跡         その4.ギリシャ

1.アクロポリスの丘 ギリシャを代表する古代遺跡で、世界遺産にも登録。アクロポリスとは「丘の上の都市」の意。  入り口は丘の西側で、ブーレエの門、その上部に勝利の女神ニケをまつったアテナ・ニケ神殿がある。  プロピレア(前門)を進むと紀元前5世紀に完成したパルテノン神殿が現れる。北側にはエレクティオン神殿、丘の下方にはヘロデスアティコス音楽堂、ディオニソス劇場と見どころが多い。 ◆パルテノン神殿・前門  プロピレア(前門)は名建築家ムネシクレス作で、中央、左右の3棟から

世界の絶景 4.遺跡           その3 トルコの遺跡

ヨーロッパとアジアにまたがるトルコは古くから歴史の舞台となってきた。様々な民族や文化の繁栄と衰退を物語るように遺跡も変化に富んでいる。 1.イスタンブール歴史地域 紀元前7世紀、ギリシャの植民地として誕生したこの町は、アケメネス朝ペルシャ、マケドニアのアレクサンドロス大王の支配を受けた後、2世紀末に古代ローマの領土となる。  330年、ローマ帝国コンスタンティヌスⅠ世は、ビザンティウムと呼ばれていたこの都市に、「キリスト教による新都」として帝国の首都を遷し、ローマ式の都市計