映画 SNS 少女たちの10日間
12歳を演じる3人の女優(成人)。3つの子ども部屋と偽アカウントを準備し、SNSで友達募集をしたところ、10日間で2458人もの成人がコンタクトをとってきた。相手が12歳と知りながら、自慰行為の動画を送りつけるなど数々の性虐待が記録されたチェコの衝撃的なドキュメンタリー映画。この記録が犯罪の証拠として警察をも動かすことになった。
NPO法人SEANでポルノ被害相談に携わって見聞きしてきた、女性(時には青年)を性的に搾取する様々な事例と頭の中でオーバーラップする。
日本で実際に起こった3歳児の着エロ(着衣のあるエロティシズム)や5歳児の握手会や抱っこ会、18歳の高校生をだまして行われたAV出演強要事件、「小学生とセックスする方法」を掲載するサイトなど衝撃的な現実を多少なりとも知っている私でも、この映画の映像は結構こたえる。決して他国で起きているだけではないこの現実から、見ようとせず逃げていては被害者を増やしてしまう。
国が進めるGIGAスクール構想で、子ども一人につき1台のタブレットが配付され、子どもたちとSNSとの距離がさらに近くなった。性に対して好奇心を持つ年ごろに仕掛けられるわな。
性教育、人権教育、ネットリテラシーの必要性を改めて実感する。
被害を子どもたちの自己責任や非行にすり替えてしまう、日本社会において、どうすれば子どもたちを守れるのか、大人がしっかりと考え行動しないといけない。
多くの人たちにこの映画を見てもらい、今起こっている現実を知ってもらいたい。そして、一人でも多くの人に、子どもたちを守るために行動してもらいたいと心から思う。