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伝えたいことを考え抜いたから、入学生に響いた。ハヤカワ五味の祝辞の裏側とは?

2024年4月4日に行われた、多摩美術大学の入学式。今年の入学式で、2018年卒業生である、ハヤカワ五味さんが祝辞を読みました。テレビ番組や講演会など、多くの場所で話す経験をしていたハヤカワさん。そんなハヤカワさんがなぜ、祝辞の原稿を書くにあたりkaekaのライティングサポートを受けたのか、理由や課題、そして入学式を振り返った感想を伺いました。


今回はカエカ代表・スピーチライターの千葉佳織がインタビューを行いました。(以下、敬称略)

ハヤカワ五味
株式会社ウツワ代表取締役 1995年生まれ。高校生の時に発表した「キリトリ線ストッキング」が話題を呼び、ECビジネスの世界へ。多摩美術大学在学中に、ランジェリーブランド「feast」、ワンピースブランド「ダブルチャカ」、を運営。2022年にfeastを事業譲渡、株式会社ILLUMINATEをM&A。
X : https://x.com/hayakawagomi

祝辞の「場」にあった話し方を学ぶために。
kaekaの原稿ライティングサポートを受けた理由とは?

千葉:kaekaの原稿ライティングサポートをご利用いただき、ありがとうございました。

今回ハヤカワさんとは入学式の祝辞に向けて、「原稿ライティングサポート」として、ハヤカワさんとお話ししながら、原稿の枠組みやメッセージを作成したり、原稿をブラッシュアップする過程に携わらせていただきました。ハヤカワさんが、今回kaekaでサポートを受けようと思った理由を教えていただけますか?

ハヤカワ:実は、私はビジネスについての講演など人前で話す機会が多かったんです。そのため、出身校である多摩美術大学の祝辞をすることになった時も、「5-10分程度のスピーチなら今まで通り話せるだろう」と思っていました。

しかし、いざスピーチを書き始めたら、慣れている講演会やnoteの文章と祝辞は、「お作法」が違うと思いました。具体的には、講演会では序盤にアイスブレイクや笑える話など、聴衆の方に興味を持ってもらえるような話をいれていました。また、話し方もフランクで砕けた感じで話すことが多かったです。

一方で、祝辞は、オフィシャルな場だからこそ、その場にあったテンション感で話すことが重要です。講演会やnoteと、祝辞は、小説と漫画ぐらいマナーや話し方が違います。だからこそ、話し方やスピーチライティングのプロである、kaekaに相談しました。

千葉:ありがとうございます。他にも、サポートを受ける前に感じていた話すことに関する課題は、どのようなものがありましたか?

ハヤカワ:話のまとまりについて、課題を感じていました。特に、概念的な話をしている時は、話が散漫になってしまいまとまらないな、ということを自分でも感じる瞬間が多かったんです。多くの情報を伝えたいからこそ、結局「私は何が言いたいんだっけ?」となってしまうこともありました。

実際に、最初に自分で書いた祝辞では、伝えたいことが3つあり、なんとなくどれが言いたいことなのか、ぼやけてしまうような構成になっていました。しかし、kaekaのサポートを通して1つに絞ってもらい、より伝わりやすい祝辞になったと思います。この、伝えたいことを絞る方法は、kaekaのサポートを受けたからこそ学べたことですし、今後も活用していきたいと思います。

千葉:ありがとうございます!そう言っていただけて、嬉しいです。メッセージを1つに絞ることで、伝えたいことが相手の記憶に残りやすくなります。こういった、「話し方」に関する技術や思考法は一生物なので、ぜひ今後も活用していただけたらと思います。


喋る仕事をしているからこそサポートを受ける意義がある。
kaekaのサポートを振り返って

千葉:率直に、ハヤカワさんにとってkaekaのサポートはいかがでしたか?

ハヤカワ:今回の祝辞にあたってサポートを受けて良かったと感じています。元々は「普段話す仕事をしているからこそ、大丈夫」だと思っていましたが、オフィシャルな場でスピーチをすることは、普段の喋りとは大きく違い、場にふさわしい話し方をする必要があることに気づきました。そのため、祝辞というオフィシャルな場における話し方に合わせて修正する必要があると感じていたので、サポートをしていただいて、とてもありがたかったです。

千葉:kaekaのサポートで、印象的だったサポートを教えてください。

ハヤカワ:特に、一文の長さの調整が印象的でした。私は、テキストを含め話す際に、一文が長い傾向があります。しかし、文を短くして「間*」を作る方法を、kaekaのサポートを通して学びました。

祝辞は、スピーチに興味がない学生や聴衆が聞いているかもしれません。そのため、一文が長すぎると聴衆の混乱を招いたり、話が伝わりにくくなってしまうとkaekaの方から指摘していただきました。これは、自分だけで祝辞を書いていたら意識できない点でした。この点は、kaekaのサポートを受けてよかった点です。


メッセージを自分を語ることで、伝える。
原稿を書く際に意識したことは?

千葉:ハヤカワさんが、原稿を書く際に意識していた点はありますか?

ハヤカワ:祝辞における自己紹介の仕方は意識していました。私は、今まで人前で話をする際に、自分をあまり前に出したくないと思っていました。しかし、自分のことを知っている人が集まる講演会とは違い、祝辞では自分のことを知らない人に対してもスピーチをする必要があります。

だからこそ、自分では過剰だと思うかもしれませんが、自己紹介や自分の人生の生き方を話しつつ、伝えたいメッセージやエピソードを絡めるテクニックを学び、実践しました。

千葉:確かに、芸能人の方が人前で話す際に、自分のことを知っている人と知らない人の落差が大きい場合は多々ありますよね。そういう場合は、知らない人の方に合わせて自己紹介を丁寧に行うことが重要だと考えています。

ハヤカワ:そうなんです。例えば、ビジネスの場面だったら、「起業家の〜〜〜さん」や「〇〇社の〜〜〜さん」など、肩書きでその人についてなんとなく理解できます。そのため、その人の前提を使いながら話すことに慣れている。だからこそ、祝辞という場で自分の前提を知らない人に話すことが難しさを感じていました。しかし、kaekaの方が、自己紹介や人生を話すことで、聴衆は親近感を感じたり共感を生むことができると指摘してくださりました。

実際に、自分の趣味であるゲームやコスプレについても話したのですが、この話が出た時に、学生たちがより前のめりになって話を聞いてくれたそうです。

千葉:確かに、「起業家」だと学生にとって壁があるかもしれませんが、ゲームやコスプレなどの共通なキーワードで、親近感を作ることは、効果的な戦略ですね。他に、ハヤカワさんが、祝辞のメッセージを決める際に意識していた点はありますか?

ハヤカワ:攻めたメッセージを意識していました。具体的には、大学でクリエイターを諦める人を何人も見てきました。だからこそ、オタク性や何かに熱中する個性を、社会に揉まれることで捨てない方が良いというメッセージを、祝辞を通して伝えました。

千葉:ハヤカワさんらしいメッセージで、素敵ですね。

伝えたいことを考え抜いたからこそ、人に響いた。
多摩美術大学での祝辞の反響は?

千葉:ハヤカワさんの祝辞を聞かれた方の反応はいかがでしたか?

ハヤカワ:私自身、多摩美術大学を卒業してから10年しか経っていないため、お世話になった大学の先生や、先生になった友人が、祝辞を聞いていました。これは、すごくプレッシャーだった反面、「スピーチが印象的だった」や「学生がみんな真剣に聞いていたよ」と伝えてくれて、とても嬉しかったです。また、学生曰く、大学の初回の授業で先生が私のスピーチを引用してくれたようです。

千葉:引用されたのこと、素晴らしいですね。自分が一番伝えたいことを考え抜いたからこそ、引用されたのだと思います。ご自身の祝辞を振り返って、いかがですか?

ハヤカワ:本番では、大袈裟かな?と自分で思うほど抑揚をつけたり、ジェスチャーを交えて話しました。でも、祝辞の録画動画を見たら「意外とこんなものか」と思いましたし、自分のメッセージを適切に伝えることができたと思います。テレビや講演とスピーチの話し方は全然違います。だからこそ、今回は場の空気感やテンポ感にあった話し方ができたと思います。

他にも、「祝辞をこれだけ準備したから、大丈夫だろう」と思えるようになり、マインド面の変化も実感しました。プレゼンやスピーチは練習が肝です。だからこそ、練習や準備を重ねることで、自信を持ってスピーチできました。


千葉:kaekaの原稿ライティングサポートは、どんな人におすすめですか?

ハヤカワ:まず、普段話す機会がないけれど人前で話す必要がある人におすすめできます。また、喋り慣れている人でも、オフィシャルな場など今までとは違う環境で話す人にもおすすめです。話すことは、普通にできることだと思われがちですが、そうではありません。人のスピーチを聞いて良し悪しを判断することはできますが、自分で改善したり話すことは難しいです。

だからこそ、一度話し方を学ぶことで、形をインプットして応用することができます。短期的な視野だけなく、中長期的なコストパフォーマンスを考慮しても、kaekaのサポートはおすすめです。

千葉:そう言っていただけると嬉しいです。


ハヤカワ五味の今後のテーマは?

千葉:最後に、ハヤカワさんの今後の意気込みやテーマを教えていただけますか?

ハヤカワ:最近の、自分のテーマは「小さくても豊かな社会」です。今の日本は、少子高齢化やインフラ問題、働き手不足など多くの課題があります。だからこそ、今では人の多さが豊かさだと考えられていましたが、そうではなくて、小さくても豊かな社会を目指していくべきだと考えています。

千葉:ありがとうございます。これからも、ハヤカワさんを応援しております!

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