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一生ばいばい!

とびきりの歌詞を書いてやろうと思った。嫌でも耳に残る曲を作ってやろうと思った。汚くていいから、嫌われてもいいから、とにかくこっちを見て欲しかった。そんな君だけに向けた承認欲求も、顔を合わせなくなれば当然薄れていった。その程度の恋だったと、やっと初めて自覚した。それなのに私は、触れてはいけない青を押してしまった。また一つ君を求めてしまった。そして彼もそれを受け入れた。こういうお互いに1歩も譲らないずるさと意思の弱さはあの頃から一つも変わっていない。反対方向に逃げたって、気づけばその先に君がいる。はやくここから抜け出したい。出口がわからない。
月みたいだ、と思う。
日が出ている時は見えない。夜、人肌恋しくなった時だけ待っていたみたいに顔を出す。その月明かりに私たちは、まだ縋っている。そういう運命なんだと思う。吐き気するまで追いかけるなんてほんとどうかしてたよ。もう真面目に息が詰まりそうだから、いい加減ばいばいしよー。月の裏側がどんなかも知らないで、時間無駄にしちゃったな。





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