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書物巡礼 1.23


『脱サラ41歳のマンガ家再挑戦
王様ランキングがバズるまで』


「ただ、マンガを描いて貯金を切り崩す生活を一年半続けている。全ては自分の絵だけで食べていけるようになるため。40歳過ぎ独身男の一大決心なのである」

「ずっと靄がかかった世界.....
オレはこれから先ずっとそうなんだろうか....
何も楽しめなくてずっと1人....
モヤモヤするよりワクワクして生きたい!」



おねえちゃん、きっと好きなやつだから。と、妹が「王様ランキング」を貸してくれたのは去年の春頃だったと記憶している。
最初の緊急事態宣言でおうち生活の日々。時間もあるしゆっくり読み進めよう、という心づもりで取り敢えず1巻を手に取り、寝る前にベッドで読み始めたのだが、面白さに手が止まらず結局その夜に借りていた6冊全部読み切ってしまった。

私は全然知らなかったのだけど、「このマンガがすごい2020」に選出されたり、アニメ化が決定していたりと、かなり話題になっていた作品だった。

さすが妹、私の趣向がよく分かってるなぁーと感心しつつ、早く新刊出ないかなぁと楽しみにしていたら、別角度の新刊が出ることを知ったのだ。

「王様ランキング」著者である十日草輔さん、彼は20代で1度漫画家を志したものの挫折。
その後は会社をいくつか渡り、正社員として過ごす日々へと移り変わっていった。
そんな彼が40歳を過ぎたある日、会社の同僚から言われた何気ないひと言がキッカケで、ずっと胸の片隅にあった「いつかは」と諦めきれずにいた夢への再挑戦への思いが膨らんでいく。
41歳、脱サラ。十日さんの一大決心から「王様ランキング」が世の中に知れ渡るまでの日々と心の葛藤を描いた漫画エッセイ。

タイトルを読んだだけで、私にとってこれはきっと大切な1冊になるのじゃないだろうか、という予感がした。しかも発売日は7/12で私の誕生日前日。発売日も含めてなんだか運命的、これは読まなくては!と胸の高まりそのままに予約購入ボタンを押したのだ。



0と1の差と、1と100の差は全く異なるものだなということを最近よく考える。
1と100の差はグラデーション。
徐々に変わりゆくから、当人が変化に気付かないこともある。1と100の差は勿論大きいけれど、同じ土俵の中にはいるのだ。
だけど0と1の間は明確。川のこっち側と向こう側。その川を「えいっ」と飛び越える勇気を持たない限り、向こう側の住人にはなれない。
その「えいっ」の経験の積み重ねが思わぬところで力になり、予想もしないタイミングで報われたことが大人になって何度かあった。
人生に無駄なことなんてないって、ホントにホントなんだなぁとしみじみ思う。

十日さんの人生も、かつてご自身が「なんの意味もなかったー!」と嘆いた努力が後々役に立ったり、昔の経験を参考に新たな一歩を踏み出せたりしていたのだ。
読みながら「分かるわぁ〜」と何度も心のなかで唸ってしまった。

「人間にとって成功とはいったいなんだろう。
結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。」
という岡本太郎氏のことばをこの本を読みながら思い出した。このことばの本質を身を以て教えてくれている十日さんの勇気と覚悟に出逢えて、私良かった。



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