タンパク質の声を聞け。Volume.e
喉を潤すケミカルリキッド。キミより美しく修飾する液体。暑い日差しの中、歩き続けた人間を祝福する超然たる流動体。さあ、飲み干せ。自己を生かすために。
4、8、12と繰り返す男。何度も何度も繰り返す。まるですべてを捨てて繰り返すことに集中しているようだ。それは輪廻の中に囚われた苦しみから逸脱するために、別の輪廻へと飛翔するかのよう。世間一般からは、悪いモノとして忌み嫌われている4を筆頭に、繰り返し続ける。
4、8、12、4、8、12・・・・・・。一体、彼はいつまで唱え続けるのだろうか。
命の川が渇き切る。見えるのは、本来流れているはずの赤い液体で染色された土壌だけだ。そして時間が経ち、この世界は滅んだ。世の中には、自らの意志で体内に流れている救済のための生命の河を断ち切る人間がいる。さて、渇き切ることは救済なのだろうか?それを知っているのは、すべてを見ているサテライトだけ。
低俗な人間が大量に投下する、無意味で他者を攻撃して、本来価値のあるモノを漂白してしまうような投稿をみるのが本当に苦痛で仕方ない。現実にも、そういったものが存在して、私はそれに曝露し続けてしまったから、おかしくなってしまったんだと思う。そう思い込まないとやってられない。
逸脱に対する否定と憎悪。一体いつから続いているのだろうか?何世紀も続く無価値な発散。逸脱が大成したとき、人々は皆、掌を返したかのように、称賛と名誉を与える。その二面性を持つことから私は逃げた。これも逸脱の始まり。いつか、私にも称賛と名誉が与えられるのだろうか?その時、私は間違いなく死に向かうだろう。それは大衆にとって価値のあるものであるが、わたしにとっては無価値で最も忌み嫌われるものである、というレッテルを貼られるようなものだから。
脳内に蔓延る物質。それは私を鬱屈な感情に追い込み、生産性のないマシーンへと変貌させる。生存のために必要な行為のみを行い、それ以外の時間は万物に対して悲観する。ああ、彼をこんなふうにしたのは誰なのか?なぜ、人間をここまで追い込んだ人間は裁かれないのか?そんな事を考える彼。マシーンと化した彼は同じことを繰り返し続ける。まるで、プログラムに従うかのように。