へんなアルバイト(くすぐり小説)

「笑いに関する調査のアルバイト。」

ふと面白いバイトが無いかなと思ってみていたらこんなものを見つけた。内容としてはタイトルの通りにしか書いていない。

1日間のバイトで給料は2万円。割の良いバイトだ。若干怪しい感じもしたが、見た感じ肉体労働とかでも無さそうだ。それなら良いのかもしれない。この暑い中肉体労働は勘弁だからな。

連絡先に連絡すると、丁寧な対応でさっきまでの不信感は若干無くなっていた。
詳細に関しては数日以内に届く手紙を見てほしいとのことだった。勤務場所なども記載してあるらしい。

翌日手紙が届いた。数日と言いながら思った以上に早かった。内容を見ると、バイトは明日から。朝10時かららしい。
交通費に関しては現地支給なのでわかるものを持ってくるようにと。そこまでは良かったんだんだが、最後の一行が気になった。

「当日何か異変があっても、時間通りに来ること。」
要するに体調とか悪くても来いってことなのだろうか。辛いな。まあ元気が取り柄な俺にとっては特に問題もない条件だった。今でもピンピンしてるしな。明日のこともあるし、今日は早く寝るか。

「なんだこれ・・・・。」
朝起きた俺は言葉を失った。正確には起きた段階ではなく、顔を洗いに洗面所に来た時だった。
鏡に映っていたのは俺・・・ではない。というか誰だ。映っていたのは同年代位の女。恐る恐る胸に手を伸ばしてみると、有るはずのない膨らみがある。俺は女になってしまった。いやこれは夢だ。まだ俺は起きていないんだ。指で頬をつねってみる。痛てぇ。マジもんだこれは。

全く状況が理解できていない状況だが、もうそろそろ出ないとバイトに遅れてしまう。急いで着替えと思ってクローゼットを開けると、そこにあったのは女物の服。俺の服はどこへ行ってしまったんだ。しかし何か着ないと出かけられない。取りあえず目の前にあったワンピースを手に取り着・・・うわっそうか体が女なのか。いつも通りシャツを脱いで思わず動きが止まる。

良くある体が女に変わったら自慰とかをしたいとかあるが、正直それどころではない。何とか服を着て家を出る。バックだけはいつものがいつもの場所に置いてあった。

外に出るが、人が怖い。本当に他の人にも女に見えているんだろうか。もしかして女に見えているのは自分だけで、周りからは女の服着ている男にしか見えてなかったりするんだろうか。そう思うと一気に不安になってしまった。

バイトの目的地にまで何とか到着した。なんか見た感じ普通のマンションのような感じ。本当にここで合っているのだろうか。
到着して指定された番号を呼ぶ。名前を伝えるとなんの戸惑いもなくお待ちしておりましたとドアが開いた。

入ると中には数名の男女が居てパソコンに向かっている。どうすればいいのかわからず立ち止まっていると、声を掛けられここに座るように指示された。なんかマッサージチェアのような椅子だ。座り心地も良い。

入口から一人の男性が入ってきた。「今日は笑いに関する調査のバイトに参加していただき有り難うございます。では、さっそく調査を開始させていただきたいと思います」調査を開始?何をするんだろうと思った瞬間、マッサージチェアのような椅子からシートベルトのようなベルトが出てきて、手と腰と足が動けなくされてしまった。やばい。これは危険なバイトに応募しちまったようだ。なにをするんだ!離せ!と大声で叫ぶ。「あれ?女の子らしくないですね?もっと女の子らしい発言をしてくださいね?」と言いながら胸を鷲掴みにされた。うわこれもしかして・・・でも女の子らしく「キャー!」と叫んでみた。

「ふふふ。そうですよ。あとご心配なく。生きて帰る保証はありますので。」

なんだよその保証。良いから早くここから出してくれ。何が笑いに関する調査だ。「さて、スタートです。」
すると前からヘルメットを着けた男女が10名程度入ってきた。

そして一斉に俺の体をくすぐりだした。やめてくれ!!俺は弱いんだ!と思うよりも先に声が出てしまった。
「ぶひゃややあくすぐったいくすぐったいはなせはははあははぁはぁくすぐったいはなぎゃははは」

もしかして笑いに関する調査って・・・と真実を知った時にはもう遅かった。無数の手が一斉に体をくすぐっている状態で、しかも手足が拘束されていて逃げようにも逃げることもできない。いつまで続くのかもわからない恐怖に襲われた。

「ちょっと離せぎゃはははははさわんなはなきゃはははははあはああはあ」いくら抵抗しても一向にくすぐりは終わる気配が無い。それどころかますます強くなる一方だ。もう耐えきれないかもしれない。

「さて。これをお使いください。」と男が言う先にはチューブに入った透明な液体が入っていた。なんだこれは。まさか俺に掛けるんじゃ・・・やめろやめろ!!と必死に体をもがくが、体力を消費するだけで一向に抜け出せる気配が無い。

「ひやっぬるぬるしてるなにこれ・・・いやはははははくすぐったい離せ!ははははははもうむり苦しいきゃはははは」
体全体を必死に動かすが、相手は10名。こっちは拘束されて1人だ。まったく手も足も出ない。

「はいちょっと傾けますねー。ストップしてくださいー。」というと、リクライニングで体が横になる感じになった。そしてOKのような合図が出されると、また一斉に体に手が襲い掛かってきた。そして、体が横になったことにより、足の裏も持たれてくすぐられるようになってしまった。「くくくぎゃははははだめだめくすぐったいおいやめろくすぐったいってばはなせきゃはははは」段々息が切れてきた。もう何分くすぐられているんだろう。時々止まって水分が補給されるが、もう体がもつ気配がしない。

「さて・・・・では最後です。」ぷちっと音がした。それが何の音なのか最初は気づかなかったが、胸のあたりが楽になって気づいた。「ではひとりはそこを。ほかの皆さんは今まで通りに。」そこ?と思ったがすぐに分かった。胸のあたりを両手でくすぐられている。乳首のあたりをんっ何だこの感覚はやめ。・きもちいと思ったのは一瞬。すぐにくすぐりが再開された。「ぎゃははははくすぐったんもうやめてつらいむり息が出来ないぎゃははははははくすぐったい!!1はなせ!!」最後の力を振り絞って抵抗する。でも結局は疲れるだけで無意味な行動だった。

「はい終了。お疲れさまでした。」

そういうとふと目が覚めた。夢・・・?
鏡を見るとちゃんと何時もの俺だった。あれはやっぱり夢だったんだろうか。と思って部屋に戻ると、ベットの上に封筒が。『報酬』と書かれている。

恐る恐る開いてみると。そこには2万円とご協力ありがとうございました。の文字が書かれた紙が入っていた。

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