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SaG of Modeling for Real World

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"Stones and Gold of Modeling for Real World" 現実世界のデータ化、モデル化、作成したモデルのソフトウェアへの実装に関する、ありとあらゆ…
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#哲学

12. 現象学 ~ 再び

はじめに”3. モデリングとは ~ 現象学からの考察”において、フッサールの現象学を元に、概念モデリングの基礎付けを考察しました。哲学的な観点からは、フッサールの現象学の他に、ウィットゲンシュタインの言語哲学、及び、マルクスガブリエルの新実存主義からも考察を行ってきたわけですが、ちょっと時代をさかのぼった、ヘーゲルの”精神現象学”について調べてみました。 今回は、 ヘーゲル『精神現象学』入門 長谷川 宏著 講談社選書メチエ を参考にしました。同じ著者が「精神現象学」その

10. 概念モデリングに関係しそうな最近の哲学トピック

はじめにこのコラムシリーズでは、過去、フッサール(1859~1938)やフレーゲ(1848~1925)、ラッセル(1872~1970)、ウィットゲンシュタイン(1889~1951)などの論考を取り上げてきました。しかし、どれも戦前戦後の論考でちょっと古い。今回は関連する書籍も含め、戦後~現代にいたる論考を調べて、”Art of Conceptual Modeling”の再考、定義付けの参考にした結果をまとめてみます。 哲学の論考を理解するには、数多くの哲学者の主張をある程度知

8. 概念モデルの言語論理学からの考察 ~ Frege、Russel、Wittgenstein

はじめにこのコラム集の、”3. モデリングとは ~ 現象学からの考察”では、”Art of Conceptual Modeling”で解説している概念モデリングの妥当性について、哲学的な観点からの考察の一貫として、フッサールの現象学の観点からの考察を解説しました。個人的には十分な考察が出来たかなと自画自賛しているのですが、モデリングの役割を考えると、言語や論理学からの考察を加えると、更に考察に厚みが加わるだろうと考えています。 と、いうことで、今回は、現代論理学の基礎になっ