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SaG of Modeling for Real World

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"Stones and Gold of Modeling for Real World" 現実世界のデータ化、モデル化、作成したモデルのソフトウェアへの実装に関する、ありとあらゆ…
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#圏論

12. 現象学 ~ 再び

はじめに”3. モデリングとは ~ 現象学からの考察”において、フッサールの現象学を元に、概念モデリングの基礎付けを考察しました。哲学的な観点からは、フッサールの現象学の他に、ウィットゲンシュタインの言語哲学、及び、マルクスガブリエルの新実存主義からも考察を行ってきたわけですが、ちょっと時代をさかのぼった、ヘーゲルの”精神現象学”について調べてみました。 今回は、 ヘーゲル『精神現象学』入門 長谷川 宏著 講談社選書メチエ を参考にしました。同じ著者が「精神現象学」その

9. クリティカルシンキング ~ 理学やシステム開発では当たり前?だけど、社会学だと難しいらしい

はじめに今回は、クリティカルシンキングを取り上げます。ビジネス系の啓発系本では、何かと、○○シンキング(思考)という言葉が多いですね。なんとなく言葉と概要を知っていた、クリティカルシンキングについて、今回は、これまでのこのマガジンの流れで調べてきた圏論や言語哲学、概念モデリングなどの観点から、深堀していきます。 参考にした書籍今回の記事を書くにあたり、以下の4冊を参考にしました。 丹治信春著「実践!クリティカル・シンキング」 Joel Best 著、飯嶋貴子訳「Thi

7. 現実世界のダイナミクスと概念振舞モデルに関する考察

はじめに”5. 概念モデリングに関する圏論的考察 ‐ 議論のとっかかりとして” では、数学の圏論の観点から、概念モデルについて考察してみました。読み返すと、概念情報モデルについては、まぁ十分と言える考察になっているかなと自画自賛ですが、振舞のモデルについてはかなり曖昧なままに思えます。 どこが曖昧かというと、現実世界のダイナミクスを、”概念クラス”に紐づいた”状態モデル”と”状態モデル”の”状態”に紐づいた”アクション”で記述する事の妥当性が語られていないという点です。暴露す

5. 概念モデリングに関する圏論的考察 ‐ 議論のとっかかりとして

はじめに今回は、このマガジンの前の記事や、xtUML 研究会や、ALGAN のイベントで、ちょろっとずつ言及している、概念モデリングへの圏論の適用に関する、途中報告的な記事です。 ※ ”圏論(Category Theory)とは”のセクションは、半端な理解の上での中途半端な記述なので、読み飛ばし、最後まで読んでから、戻るという読み方がいいかもしれません。 出発点圏論(英語では Category Theory)というのは、数学の一分野です。それも相当なレベルの基礎数学の分野。