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【連載】シーソーシークワサー

2021年 《 note限定新連載 》 沖縄でトップのホストだった男は全てを捨てて旅に出る……その先に見たものとは……
毎週水曜日 夜明け前更新です。 1st シーズン 1〜46話目 2ndシーズン 47〜
¥270 / 月 初月無料
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#春未

シーソーシークワーサー 【52 大人、らしい】

【52 大人、らしい 】 「それは……僕がいちばん知りたいことかもしれないよ」  これくら…

シーソーシークワーサー 【49 サイレントモードの一方通行】

【49 サイレントモードの一方通行 】 今どこにいるのか、わからなくなることがある。厳密に…

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シーソーシークワーサー 【48 春問答】

【48 春問答 】  ありふれた光景の中に、恋が潜んでいる。  恋というもののそれについて…

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【シーソーシークワサー 30キャラメルフラペチーノ待ち】

【シーソーシークワサー 30キャラメルフラペチーノ待ち】 あり得ないことが起きると、人は躊…

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【シーソーシークワサー 29 フラペチーノに冬の風】

【シーソーシークワサー 29フラペチーノに冬の風】 17時はこんなに暗いものか。定時に仕事を…

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【シーソーシークワサー 28 塵も吹かれて風に乗る】

↑前回のシーソーシークワサー 【シーソーシークワサー 28 塵も吹かれて風に乗る】 地下鉄…

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【シーソーシークワサー 27 ハンドリング】

【シーソーシークワサー 27 ハンドリング】  絢とのラインは、成田に着いた報告で終わっていた。どこで落ち合うとも、何時に会えるとも言ってこなかったし、自分からも言い出さなかった。  「行っていい」の答えが「いいよ」だっただけ。それ以上、何を求めるでもなく、ここまで来て、最後はスマホの案内に頼ったのが凡人だった。  今から地下鉄で虎ノ門まで向かうものの、先の約束の連絡を入れるかを躊躇していた。  とはいえ、「今どこ?」を期待しているわけでもなく、「いつ会える?」を催促する

シーソーシークワサー 【18 とくするラルちゃん】

↑前回までのあらすじ 「じゃ、俺、行くから」  どんなに出入り自由な家庭とはいえ、まだ寝…

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シーソーシークワサー 【17 サンドイッチモーニングショウ】

↑前回までのあらすじ 【 シーソーシークワサー17 サンドイッチモーニングショウ 】 「お…

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シーソーシークワサー【16 ハガユイトワイライト】

↑ 前回までのあらすじ 【シーソーシークワサー 15 ハガユイトワイライト】   じめっと…

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シーソーシークワサー【15 シンクロガール】

鹿児島にいる伊佐敷凡人くん、前回のシーソーシークワサーはこちら↓↓ 【シーソーシークワサ…

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シーソーシークワサー【12 ふたりとふたりの秘密】

【いままでのあらすじ】  沖縄でNo.1ホストだった春未(はるみ)こと、伊佐敷凡人(いさしき…

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シーソーシークワサー 【11 クロワッサンで朝食を】

【11 クロワッサンで朝食を】 「ほらぁ、ちゃんとお野菜も食べるのよ」 「もう!お箸の持ち方…

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シーソーシークワサー 【10 フツーの彼女】

    自分のくしゃみで目が覚めた。  そうだった。もう全てを捨ててしまったのだ。今、ここがあまりにも自然で、心地よくて、もうそこには居ないのに、まだ沖縄にいる錯覚を起こしてしまった。  半裸のまま、倒れ込むように寝落ちして、クーラーに冷やされるまま、あまりにも深い眠りに落ちてしまった後の目覚めは、風邪を引き込んだ朝の感覚に近い。足元に畳まれたままの掛け布団を羽織り、また目を閉じた。  浜音が聞こえるでもなく、喧騒の夜の街の匂いが追いかけてくるわけでもないのに、ぐるぐるとど