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【連載】シーソーシークワサー

2021年 《 note限定新連載 》 沖縄でトップのホストだった男は全てを捨てて旅に出る……その先に見たものとは……
毎週水曜日 夜明け前更新です。 1st シーズン 1〜46話目 2ndシーズン 47〜
¥270 / 月 初月無料
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#沖縄

シーソーシークワーサー Ⅱ【55MoM】

【シーソーシークワサーⅠのあらすじ】 母を亡くし、その孤独感から全てを捨てて沖縄から出た…

シーソーシークワーサー 【54 白いふろしき】

【これまでのあらすじ】 母を亡くし、その孤独感から全てを捨てて沖縄から出た凡人(ボンド)…

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シーソーシークワーサー 【53 言い訳の雨】

【53 言い訳の雨】 「ごめんね、僕が案内できるのはここまで。ちょっと用事ができちゃったか…

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シーソーシークワーサー 【52 大人、らしい】

【52 大人、らしい 】 「それは……僕がいちばん知りたいことかもしれないよ」  これくら…

シーソーシークワーサー 【51 もうひとりの決断】

【51 もうひとりの決断 】 自ら求めたわけではないのに、気づけば長くそこにいた。凡人は…

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シーソーシークワーサー 【50 定刻通り、ハレ 】

【50  定刻通り、ハレ 】 ガタガタと横に揺れ、ぐわんと上下に機体が波を打つ。前では「キ…

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シーソーシークワーサー 【49 サイレントモードの一方通行】

【49 サイレントモードの一方通行 】 今どこにいるのか、わからなくなることがある。厳密に言うと、わかってはいるが、少しの睡眠の間では整理しきれなかった脳内の情報が残ったまま目覚めるので、目の前に映っている景色が、夢のわずかに重なると、パニックになるのだろう。  さっきまで見ていた夢すら、ちゃんと思い出せないと言うのに、どうして帰省するか、待たせている絢の顔も、それははっきりと認識している。それでも微睡んだわずかな時間で、すでに機内にいたことを忘れていた。  うたた寝した

シーソーシークワーサー 【47 ありのままのありがとう 】

【47 ありのままのありがとう】  人は言う。「ありのままを受け入れて」と。  また人は言…

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シーソーシークワーサー 【46 アキハルと凡人】

【46 アキハルと凡人 】    人の記憶ほど曖昧で滑稽で、愛おしいものはない。  1年ほど…

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シーソーシークワーサー 【45 神るの向こう側 】

【45 神るの向こう側 】  来た時と同じ道を辿ると、思い出すことがある。  かつて母が口に…

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シーソーシークワーサー 【44 獅子と黒猫】

【44 獅子と黒猫】 じゃあ、行ってくるよとドアを開ける。陽当たりの悪いこの部屋を出た。 …

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シーソーシークワーサー 【43 夜、春の匂い 】

新宿御苑の東屋をカフェと呼んだ絢の、「帰りたいの?」には参った。すでにそこまで読みとっ…

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シーソーシークワーサー 【42 東屋カフェタイム 】

【シーソーシークワーサー 42 東屋カフェタイム】 これは春一番なのか、それとも地下鉄から…

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【シーソーシークワサー 36 心の誤植はグレーな翻訳で】

↑前回までの『シーソーシークワーサー 』 【シーソーシークワサー 36 心の誤植はグレーな翻訳で】 誰かに待ってもらうという幸せを知った。今年も捨てられなかったよれよれのタンクトップが入った洗濯物を任せてしまうほど心地よいものがそこにある。  絢は冬の朝の家事一つを凡人に預けたまま、出かけてしまった。  「散らかっているから」というその言葉通りの意味で断るのが得意だった絢は、今まで自宅マンションには誰も入れたことが無かった。