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○○大全多すぎ

タイトルが全部です。
書店に行くと「○○大全」ってつく本がとにかく目につく。
独学大全レベルに分厚ければまあそういうもんかってなるんですけど、普通の厚みの本も「大全」を名乗っている。

ライフハック大全、アウトプット大全、インプット大全あたりは「また大全が出てる」と思ったものの、とにかく「大全」多すぎ。
つまり「大全」がつく本は売れてるってことでしょう。

なんとなく気持ちはわかるんですよね。無限の(と思える)ページ数を持つ「インターネット」の前に、「大全」と名乗ってパッケージングされた本を、「この範囲に全部詰まってます」「網羅してるからとりあえずこの物体を所有しておけば大丈夫です」って差し出されるの、安心感がある。これさえあればエキスパートになれますよキットとしての書籍。

広い海を持つ「インターネット」が誰にでもひらかれた結果、小さくぎゅっと詰まった「大全」の名を冠する物理書籍だけがおそらくスマッシュヒットを飛ばし続けている、というのはなんとなく面白い現象のような気がします。攻略本、に似たニュアンスで使われてるんだろな。

楽天ブックスで「大全」検索したら245冊も出てきた。
古い順にソートしたら「大全集」をタイトルにした本がトップに並びました、そういえば昔は「大全集」だった気がする、児童書でそういうかんじだった気がする……怪獣大全集、とか。でもってほんとに古いほうの「大全」「大全集」は全24巻とかの「全集」ですね。図書館の持ち出し不可エリアでよくみるやつ。あと「大全科」の表記も。

↑気になるなこれ……今のスタイルの営業する前の糸井の昭和芸のやつ。

かつての「大全」「大全集」は確かに当時集められた知識を全てあつめた存在だったのでしょうが、漫画すら電子化がメインとなりつつある令和において、「膨大なデータ」は「全集」たりえないのかもしれません。アウトラインこそが「全集」であり「大全」。

「大全」ではないけど気になってる本の紹介して終わります。
いろんな死に様コレクション作家であるところの山田風太郎による死に様コレクション。楽しめそうな気がする。
やっぱ散り際が一番輝く演出が得意な作家はそういうの集めてたんだな……資料としてか性癖としてか知らんが……


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