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ウェブの広告に限界がきてるっぽいけど、じゃあどうしたらいいのだろうねと考えてみる


考え事を吐き出しているだけのnoteです。

インターネットの広告が本当にえぐいですね。
昔っからえぐみがなかったではないですが、2ちゃんねるにでも踏み込まなければそう表示されなかった、本当にえぐい広告が多い。エロだけでなく不安煽り系の毛穴だのなんだのの効果が、本当に、多い。

ウェブ広告ってのは「本当はサービス料払ってほしいけど無料でないとそもそも見てくらないだろうからせめて広告を見てくれ、そしてわたしたちは広告主から「表示してくれてありがとう料」をいただく」というやつです。

たぶんなんですけど、いにしえのインターネットならそれで全然よかったんですよ。テレホーダイとかの、まじに20年前とかせいぜい15年前くらいまでなら。
インターネットの閲覧っていうのは変わり者が1日に1、2時間程度やる行為で、相当な変わり者でもせいぜい5時間とかそこらで、当時はテレビのほうがずっと見られてたから。光回線がなくてろくに動画とか見れなかったから、というのもあって。

私は本業がウェブデザイナーなのですが、新人時代、バナーを作る際に「バナーは国道沿いの看板と思って作れ」と教えられました。高速でスクロールされるページの隅っこに配置されるものだから、そういう感覚だ、と。

当時はそれでよかったんです、相当な変わり者であっても1日に5時間くらいしか見なかった、これはまさにひとけのない田んぼの中を歩くような行為で、ぽつぽつ看板があっても「ああ、あるなあ」だったんです。2ちゃんねるみたいな治安悪めの場所で出てくるエロ広告も「まあ風俗街歩けばエロ看板もあらぁな」くらいのあれで。

ところがスクリーンタイムが8時間という人間がそうそう珍しくなくなってきた2020年代においては、小学生の登下校で使う道にまで広告がぎっしり発されるようになり、その中にはえぐめのものも少なくなくなり、動画コンテンツにおいては動画のわきにバナー置いてもしょうがないので動画本編を中断して割り込んでくる始末。パソコンでのページ閲覧でも「本編みたければ広告を見ろ」スタイルが輸入されてしまって、ページ移動前に全画面バナーが出てくるし。

ネットコンテンツが「たまに行く場所」「仮初の居場所」「バーチャル」などではなく、まさにインターネットのほうに魂を置く人間が多数派となった現在(非オタの女の子とかだってインスタtikrokでスクリーンタイムは相当なもののはず)、「常にいる場所」となったからこそ、広告は増えたし、過密な競争をされるようになってきたし、耐えられる許容値も限界となってきたのでしょう。

そもそもコンテンツに広告を紛れ込ませるというのは新聞、ラジオ、テレビといったオールドメディアの考え方なので、たぶんウェブなりの収益の立て方の最適化が必要なんですよね。

で、それにどういうものがあるのか、考えられるのか、というのをぼんやり考えてました。

1.正規サービス料金を支払う

これは各種新聞メディアやyoutubeがやってるやつですね。至極真っ当です。
無料でも見られるけれど、基本的には金を払え、というスタンスなんだろうなーというのが各種優遇措置から伺えます。私もYoutubeはプレミアム加入済みです。

youtubeの「なんか質の低いメディアに時間を費やしてしまった」感は広告がなくなると激減します。youtubeはプレミアムユーザーにいろんな特典を与えているし、実は配信者を推すにも最適な行為だったりします。
以前このへんの話書いたのでリンク。

2.ユーザーを囲い込んでそこで買い物させる

私はディズニーランド式と呼んでいます。
LINEがまさにそうなんですが、とにかくユーザーをメインサービス(メッセージ、チャット機能)で囲い込み、そのアプリ内で漫画や動画やその他いろんなコンテンツ、サービスを見せて、アプリ内でいろんなものを買わせるやつです。これによりメッセージ機能自体は無料で使えるけどもユーザーはLINEで漫画買ったり、漫画見るために広告見たりしながらお金を落としていくわけです。

イーロンたんがXをスーパーアプリ化する、出会い系サイトっぽいことも買い物もできるようにする、みたいに言ってるそうですが、その思想がかなり実現された状態なのがLINEなのではと考えています。

3.ユーザーに広告出稿させる

これはニコニコ動画がやってるやつです。ニコニコってクリエイター気質の日本人にすごく向いた良いシステムがたくさんあるなーと思ってて、ニコニ広告もその一つ。

どういう仕組みかというと、ユーザーが「この動画もっと再生回ってほしい!」と思ったらその動画を出稿する、という広告を買うと、無料ユーザーの広告表示タイムに企業広告に混ざってその動画の広告が出るんですね。
これユーザーはいわゆる推し活的なことができて満足だし、企業広告じゃないからユーザーのストレスにもなりにくいしで良いサイクルで回ります。
たまに広告枠を長期ユーザーに無料配布してたりもするので、金の力で広告が染め上げられることもなし。広告枠の無料配布、運営の懐は全然痛まないし。

4.サービスへの忠誠心をあげてカンパをとにかくお願いする

Discordの個人サーバ、ファンサーバ、misskeyの大手サーバ、デイリーポータルZなどがとっている手法ですね。だいたいの場合でなんらかのグッズなどのリターンがつくことも多いです。

これはサービスへの忠誠心をどれだけ上手く育てられるかが肝なので、ガチ恋養成キャバ営業ホスクラ営業みたいな、「ファン」の育成力がそのままお金になるんだなあ……という気持ち。「おれたちの居場所」感、「推しを応援」感を持たせることができたら勝ち。少額パトロンを大量に募るという意味で中世の芸術家的かもしれない。サービス利用料とはまた異なるニュアンス。

ぼんやりつらつら思っていたことを吐き出しただけですが、ここはそもそもそういうnoteなので……

たぶん大手が目指すのは2の「ユーザーを囲い込んでそこで買い物させる」で、悔しいけれどイーロンのスーパーアプリ構想が一番丸いのかな、と思われます。で、でかくないところは4の「とにかくカンパをお願いする」で、ファンサがうまい運営が生き残りやすくなるんじゃないかなあ。

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