推しぬい個別事案①
0.前置き
0-1.ぬい化欲は突然に
あくまで梨沢の場合として聞いてほしいのですが、「今その人(ジャンル含め)が自分の中でホットかどうか」と「今ぬいぐるみにしてしまいたいかどうか」はたいてい一致しません。それは例えば技術的な問題とか構造理解的な問題はもちろん、やる気の問題においても。もちろんある程度好きじゃないと時間もお金もひっくるめたコストを費やす気になれないし、基本的に一度好きになったものは嫌いにはなれない人間だということは前提ですが。だから「嫌いになった」「熱が冷めた」とは言いたくなくて、「熱が落ち着いた」と言いたいしそう受け止めてほしいなって思います。閑話休題。
で、何がトリガーになるかはわかんないんですけど、とにかくガッと"ぬい化欲"とも言うべきものが増すタイミングがあって。基本的にはよさそうな素材や型紙を見つけて「これを使ってこの人を作ったらかわいいんじゃないか?」って思ったときが多いんですが、今回「この人作ったら(略)」って思ってしまいまして…………。ちなみにご存知の通り頼れる仲間はみんな目が死んでる作品の人なので本来こんな顔にはならないはずなんですけど、逆に「公式からこんなグッズは絶対に出ないな」って確信が持てたのでGOした節はあります。公式さんから出るなら公式さんから買いたいよね。
0-2.書いてる人のスペック
・本業は字並べ(と名乗れるほど最近書いてないので自信がない)、絵が描けない(重要)
・手芸歴はそこそこ
編み物歴十年プラスアルファ、その前はニードルフェルトやってた UVレジンもちょっとだけ
裁縫系(刺繍含む)は苦手だけどやらざるを得ないくらいの認識(進行形)、なのになぜか昨年(2023年)夏〜秋ごろから人型ぬいを作り始めて今に至る
・決して器用ではない(重要)
・趣味は百均とドラッグストア徘徊
1.完成品とお借りしたもの、使った布等
1-1.完成写真
1-2.使用型紙類
・本体:『てづくり推しぬいwawaちゃん』(平栗あずさ著/グラフィック社) ※原寸
・顔図案:『目が最強にかわいい 推しぬいのお顔刺しゅう』(ぴよぴっこ著/産業編集センター)
→二重幅削除等アレンジあり
・服:『手ぬい&手芸のりでつくれる! てづくり推しぬいBOOK 〜お洋服編〜』(たきゅーと著,平栗あずさ監修/グラフィック社)
→「パンツ(大)」と「ジャージ(大)」を使用。パーツの簡略化等若干のアレンジあり
1-2.使用布類
①本体
・肌:セリア ぬいぐるみ用ソフトボア(ピンクオークル)
・髪:ダイソー ボアクロス(ぬいぐるみ用、ダークカラー)(グレー)
※色名こそ"グレー"だけど正直ほぼ黒
・後頭部(刈り上げ部分):ダイソー ボアクロス(ぬいぐるみ用、ビビッドカラー)(グレー)
②服(ジャージ)
・試作品:キャンドゥ ぬいの素カラークロス(青)
・本番:藤久 トイクロス(青)
※共通で使ったグログランリボンは3mm幅のもの。手芸店(トーカイ)で購入
③冠
・サンフェルト ミニー(#668)
1-3.その他材料
・サクラクレパス クラフト小町
・コニシ ボンド手芸用両面テープ
→どちらもダイソーで購入。ジャージの縫製で(クラフト小町は冠にも)使用。
・ポテトチップの筒の蓋
→冠の芯材に使用。某企業のプライベートブランドのやつ
・ダイソー 強力マグネット
たぶん4個入りのやつだった気がする。頭頂部(やや前側)と冠に仕込んで脱着できるようにしています。
・ぬいスケルトンL
(※『wawaちゃん』本にて原寸サイズにちょうどいいと記載あり)
・セリア ぬい活面ファスナー粘着タイプ
ジャージ及びズボンの開閉部分に使用。薄さ(と百均で買える手軽さ)を重視してこれ使ってますが結局縫ってます。脱ぎ着のたびに剥がれてくるので…… できればこれじゃなくて縫い付けタイプをおすすめします。
・ダイソー 両面アイロン接着クロス
→横髪〜後ろ髪の裏貼りに使用。
使い始めて結構してからぴよぴっこさんが紹介してて「おお〜……」ってなったんですけど、最近全然見かけない+ぬいのイラスト付の別商品が出たので廃番なんですかね……
個人的にはどう見ても前の方がコスパがいいと思ってます。だから廃番なのか……?
※刺繍糸は基本オリンパス製、白目部分だけCOSMOの段染め(Seasons8003)です
※綿はダイソーのマイクロ繊維のやつです。後からまた書きますが骨ありの場合はつぶ綿使うべきな気がします…………
2.よかった点と頑張り
2-1.髪型(刈り上げ)大成功
「後頭部グレーにして刈り上げ表現しよ」とは決めてたんですが、正直後ろ髪は長めに作って立ち上がり後に切るつもりでした。
ぴったりだったんだなあ。ちょっとこれは嬉しい誤算でした。
横髪のピョッてなってるとこは単純に計算外だったんですけど、まあこれはこれでかわいいからええやろってそのままです。挟み込みパーツは角度とか位置の調整が特に難しくて苦手です。次点は耳。
2-2.カラーリング
頑張ったとかよかったというよりはこだわった点なんですが、一応。
原作というか元ネタは頼れる仲間はみんな目が死んでる作品であり、かつ顔の中身が全部黒い作品です。でもさ、ぬいにするにあたって真っ黒だとなんか寂しいじゃん……?(誰目線?) なので結構悩んだ末に冠の紫とジャージの青のニュアンス入れてます。結果論ですけどパーツははっきりしたしよかったんじゃないかなって。
2-3.骨入れ、始めました
ひと手間どころじゃなく増えたけど入れてよかった!!!! って心の底から思います。
首傾けるだけでも表情出るし、ポーズ取れると余計にかわいく見える。かわいい。やろうと思えば肘とか膝も曲がるかもしれないけど、さすがに位置合ってない気がする(※こちらの力量の問題)しそこまでしなくても十分表情がついてかわいいです。
ただ反省点もあって、腕(特に右腕)は綿入れが足りてなくて触ると結構骨骨しています。ジャージの袖が狭いのでこれはこれでいいのかも。そういう意味だとつぶ綿使うべきなんだろうなってしみじみ思います。ただコストがね…………「理想の推しを作るのにコストなんて気にしてられっか!!」って怒る自分も確かにいるんですけど、だって推し事だけで生きていけないのでね。仕方ないね。
ちなみにつぶ綿が置いてあると噂の某百均は梨沢地方にはありません。とか言ってたらダイソーでも出たらしくて(8/30現在)ちょっと走ってきます。
3.よくなかった点と反省
3-1.手芸のりと和解せよ
無 理 で し た 。
今回型紙をお借りした服の本では作り方が「基本手芸用のりを使用、ちょっとだけ手縫い」くらいの勢いで書いてるんですよね。著者のたきゅーとちゃんは間違いなく自作推しぬいの布教とそのハードルをガンガン下げている方々のひとりで、梨沢にとっては「ぬいぐるみってイチから全部縫わなくてもいいんだ!」って目から鱗をボロボロ落とさせてくれた(ちょっと大袈裟な言い方をすると)恩人でもあります。Q&Aには「のりで貼ってって書いてるところでも、縫う方が楽なら縫って作っても全然オッケー☆(意訳)」とは書いてるんですが、素直な梨は作り方通りにいったん作ってみました。
結果がこれ。
たぶんこれ、単純に梨が普段使ってる道具や布と手芸のり、具体的には手芸用ボンドや布用両面テープが合わなかったってだけの話なんです。だから決して本の内容の批判ではありません。おそらくアイロンで熱を加えるタイプの手芸のりならきれいにできたのかな…………と思います。
ボンドは時間経過で乾くのでその間クリップで押さえていないといけないし、ある程度がっつり量を塗らないとくっついてくれない。その膨らんだ部分を先の細いクリップで固定して一晩置いたので、まあこうなるよね……といった感じ。もっと言うとガチガチに固まるので後から縫いたくても針が通りません。あと透明になるとはいえテカるしゴワつく。
両面テープは(少なくとも百均で手に入る範囲においては)これ以上細いものはなく、単純にぬい服のような小さいものには向いていないということなんでしょう。あと小さく切ると剥離紙が剥がれなくてわりとストレスです。後から縫うと問題なく針は通りますが、粘着面でメッタメタになります。ちなみにセリアで売ってるぬい活用の面ファスナーも同じです。なので本当は使いたくないんですけどあの薄さが捨てがたくて…………
結論:折り返し部分も縫え。むしろ全部縫った方が早くてきれいまである(個人の感想です)。
3-2.口の刺繍表現
実は今回、書籍の表紙にいる子と同じ顔図案をほぼそのままお借りしてます。二重を一重にしたくらいかな。
原作をご存知の方はご存知だと思いますが頼れる仲間はみんな目が死んでる作品なんですけど、どうしてもおめめきゅるきゅるの摂政が作りたくてこの図案を引っ張ってきました。お顔の型紙と刺繍図案は著者も違うしバランスどうなんだろう……と配置したら若干の地獄のミ◯ワ感が出てしまいましたが、結果的にはこれはこれでかわいいなと満足しています。ただ一箇所を除いては。
立体になってから気付いたんですけど、見る角度によって口の形が違って見えるんですよね。
ボア生地との相性かな、とか刺繍糸二本取りにすればよかったかな、とか思うことはあるのですが、今後に活かすことにして。
3-3.服の生地ミスったんじゃないか問題
なんで二種類(二着)同じ服作ってるの? という話はおまけでやるので、とりあえずざっくり。
本の指定だと"天竺ニット"生地なんですけど、梨の行動範囲内では見つかりませんでした。彼の服がほぼ青一色なのと、本体部分がオールボア生地なのもあり、「ジャージはトイクロスで作ればええんちゃうか」って思ってしまったのが運の尽き。まあ本来彼のジャージはウール100%らしいんですけどそんなとこまで再現してられないので。
実は今回初トイニット(※固有名詞)というか、そもそもナイレックス系生地半年ぶり以上に触りました。なので「ボア生地=(毛足の分)厚い」「ナイレックス=薄い」という先入観がありました。
いや十分厚いやんけ。
厚いと何がだめなのかって、厚いのが重なるのとさらに厚くなることと、折り癖(グセ)がつきにくいこと。前者がわかりやすいのがジャージ上の袖部分で、本来もっと薄い生地想定してるんだろうなってぬいしろで作ってる+カフスも足してるので相当袖口が狭いです。ギッチギチやぞ。結構無理矢理腕通してます。後者は全般的にそうなんですけど、生地の厚さというか弾力に負けてきちんと折れてないまま縫っちゃってます。コロコロオープナーくんという力強い味方はいるんですが、純正トイクロスに対しては力不足は否めない感じです。教訓:とにかくアイロンはこまめにかけろ。
ただトイクロスが全然駄目だとかそんなことを言いたいわけではもちろんなくて、ボア生地の本体との質感の差があっていい感じだし、もけもけ感がかわいくてこれはこれでよかったなと思ってます。細部に目をやったら負け感はあるしもっとうまくやれたよね、とも思うけど。
以下はおまけです。
おまけ.餅は餅屋、布は手芸店?
※筆記用具をメーカー想定ではないものに対して使ってます。真似する場合は自己責任で。
前述の通り今回ほぼ同じ服を違う布で二着作ってます。元々ぶっつけ本番のつもりでトイクロスを買った後に、キャンドゥで「ぬいの素」シリーズを見かけました。購入したのは直近で使う予定があったカラークロスの青と赤。
結論から言うと"高い布で服を作る前の練習として"買って大正解だったなあと。
大前提として、高いものと安いものを比べると高いものの方が質がいいことが多いです。これは好みとは別のベクトルの話で、「価格と質のバランスを考えたうえで、許容範囲かどうか」みたいな話も出てきます。梨自身いつも使っている肌用のボア生地はキャンドゥではない百均のものです。ボア系とナイレックス系を見比べるとボア系の方が高級感があるとか、梨沢がボア系を見慣れてるという点を含めても、ぬいの素のカラークロスは正直安っぽいかなあ……と思います。
①ぬいの素カラークロス 感想
◆良い点
・コスパとカラバリのバランス
コスパとは書きましたが1平方センチあたり出すとか厳密な計算はしてません。ただ百均で買える、一包装あたり百円(税抜)で買える、という意味ではかなり手軽だと思ってます。一応競合他社と比べるとダイソーキャンドゥは大きさがどっこい、セリアは小さい分質がちょっといいみたいなイメージあります。
カラバリは豊富、しかも赤青があるのがポイント高いです。服が作れる。
・すごく縫いやすい
ボア系と比べるのが間違いかもしれませんがめちゃくちゃ縫いやすいです。サクサク針が通る。
◆気になる点
・薄さ
わざわざ挙げたのは型紙を写す際にペンが引っかかって書きにくいレベルだからです。梨沢はフリクションのサインペンタイプでやってるんですが、これがまた引っかかること引っかかること…………
・質は粗め
これは正直仕方ないと思ってます。手軽さ重点。
②藤久トイクロス感想
◆良い点
・仕上がりが綺麗
ボンドがついても目立ちにくいのは発見でした
・色味が鮮やか
・すごく縫いやすい
びっくりするほど縫いやすい。
◆気になる点
・服に使うには厚い
反省点のところで挙げましたが折って使うにはちょっと分厚すぎる気がします
③比較写真
※モデルのぬいに使われてる型紙が違うので薄目で見てください
ぬいの素カラークロス製→トイクロス製の順で縫ったのでもちろん慣れによる仕上がりの差があるんですが、なんとなくトイクロスの方がピシッとしてるのはわかるかなって。あとカラークロス製の方もともとこんな色なんですけど若干着古した感は出てますね……
ぬいの素下げの意図はないんですけど、「なんでもいいから作ってみたい!」という場合を除いてあんまりおすすめできないかなとは思います。僕も赤買ってるのでもちろんそれは使いますが。
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