見出し画像

【梨沢ぬいログ】初心者さん向け推しぬい本比較



※更新履歴
・20240608:初出
・20240904:②-2『ぶきっちょさんも完成できる! いちばんやさしい「推しぬい」つくりかたBOOK』追加
(※該当の本に対してかなり辛口の記述有)


1.はじめに

※Twitter(といつまでも呼びたい現えっくす)のフォロワーさん向けに書いた記事です。
 梨沢をまったくご存じない方には優しくない可能性があります

前提①:梨沢(書いている人)のスペック

・本業は字並べ(と名乗れるほど最近書いてないので自信がない)、絵が描けない(重要)
・手芸歴はそこそこ
 編み物歴十年プラスアルファ、その前はニードルフェルトやってた UVレジンもちょっとだけ
 裁縫系(刺繍含む)は苦手だけどやらざるを得ないくらいの認識(進行形)、なのになぜか昨年夏〜秋ごろから人型ぬいを作り始めて今に至る
決して器用ではない(重要)
 ミシン習得するよりも「とにかく作りたい!」という気持ちがはやったのでオール手縫い 完成までにやたら時間がかかる
・同居家族に趣味:手芸の人がいるので、ある程度道具に関しては借りたり提供を受けている
・趣味は百均徘徊

前提②:作り方で特筆すべきこと

・上記の通りお裁縫には苦手意識があるのにオール手縫い、かつ布から作ってる(素体、ワッペン等不使用)
・前髪縫いつけタイプが好き
・本の型紙はコンビニでコピー→裁断ラインと縫いライン(仕上がりライン)で分けてクリアファイルに写してから使用

2.ぬい本の紹介

※以下、基本的には本とその型紙で作ったぬいを並べた写真が載っています
・版権キャラを見て作ったはずなのに微妙に似てないぬい(※一切モデルには言及しません)
・型紙の改造(主に髪型)
・ぬいのヌード
・突飛なカラーリングの個体
が含まれますのでご注意ください。
 また現在より経験値の低い状態での製作物が含まれます。お察しください。

※本の著者さんについてはクレジット部分は敬称略、追記で言及する際には敬称をつけています。型紙そのものや詳しい作り方については載せていませんが、何か問題ありましたらご連絡ください。批判の意図は全くありません。

①『かんたん! かわいい! はじめての推しぬい&ぬい服』

著:グッズプロ(監修:まろまゆ)
出版社:西東社

『かんたん! かわいい! はじめての推しぬい&ぬい服』

 梨沢が初めて買った推しぬい系の本。同時に「推しぬい作ってみたいけど、最初にどの本を買ったらいいですか?」と聞かれたらおすすめするのもこの本です。型紙が複雑でなく、作り方(縫い方)の解説も丁寧でとっつきやすい印象。
 表紙にお名前がありませんがぴよぴっこさん(後述)によるデザインアレンジのページもあります。
(※15センチ立ちポーズの子しか作っていないので、以下のいいところ/難点はそれ前提になります)

◆いいところ
・一冊で色んなポーズのぬいが作れる+服も作れる
・型紙が複雑でないのでとっつきやすい
 特にボディはほぼ同じ形のものを二枚縫い合わせるだけなのでかなりハードルが低いと思います(梨沢は勝手にジンジャーマンタイプと呼んでいます)
◆難点
・(コンビニコピー前提ですが)綴じ込みの型紙が使いづらい
 収録ポーズが多いので仕方ないですが、1枚の大きな紙に色んな型紙がギュッと詰まってるので広げるのも一苦労、どれが必要なパーツなのか見分けるのもわりと大変
・各型紙に顔刺繍の目安位置がない
 顔描けないマンにとってはわりと死活問題です……(画像の子も微妙にベストポジションからずれてます)(まあ最初期なのでそもそもクオリティがアレなんですが)

②『もっとかわいくできる! 推しぬい 理想の「お顔」「髪型」つくりかたBOOK』

監修:ぴよぴっこ(協力:しらたま)
出版社:メイツユニバーサルコンテンツ

『もっとかわいくできる! 推しぬい理想の「お顔」「髪型」つくりかたBOOK』
(※手前縮小サイズ(15センチ)、奥原寸(20センチ))

 おそらく推しぬい界隈で一番有名であろうYouTuber、ぴよぴっこさんの監修本です(※著、ではありません)。とにかくデザインがかわいい。観測範囲ではこの本基準で作ってる方がかなり多い印象を受けます。
 正直なところ、「まったく何もやったことがないよ」という方には"作り方の本としては"とっつきにくいかなと思っています。理由は後述。これを書いている数日後にはより初心者向けの続刊(?)が出るみたいなので、これから買う方はそっちの方がいいかもしれません。

◆いいところ
・とにかくかわいい
 説明不要
 手芸本はある意味グラビアだと思っている身からすると、たいへん目の保養になるなあと思っています。
・手縫いのやり方、道具の使い方等の説明が丁寧
◆難点
・この本だけでは服まで作れない
 この点についてはぴよぴっこさんのYouTubeの方で靴下を材料にしたぬい服の動画があるので、こちらを参考にするとよいかと思います

・体の型紙が細かく分かれていて複雑
・工程写真が見にくい
 初心者さんに"作り方の本として"おすすめできない理由がここです。おそらく原因はふたつあって、「写真中のチャコ線が非常に薄い(=布の表裏がわかりにくい)」「完成品のどこを縫っているのかは図示されているが、型紙のどの部分なのかの説明が弱い」のだと思います。実際梨沢は(読解力の問題かもしれませんが)脚を左右逆につけてみたり、いつまでも綴じられない部分があったり…………色々しました。サクサク作れるようになったのは三体目くらいでしょうか。
 もちろん一発で理想のぬいは作れないので、「何度失敗しても挫けないぜ!」という方は初手でこの本をお迎えしても問題ないかと思います。もしくはいつかの目標として手元に置いておくとか。
・体型が特殊
 推しぬいとしてメジャーなサイズはおそらく10センチ、15センチ、20センチ前後かと思います。この本の型紙は原寸で20センチですが、実は平均より頭が大きく体が小さくなっています。プラスしてお尻が大きめです。

突然のすっぽんぽん失礼します


いわゆる「お尻を作る」(=割れ目を刺繍する)
工程なしでこのくらいです

 本に書いている倍率で縮小コピーすると15センチぬいが作れるのですが、おそらく平均的な10センチぬい基準で作られているのであろうセリアのぬい服が入ります。これはメリットかもしれないな? 服を自作する場合、もしくは市販品を購入する場合も頭に入れておいた方がいいかもしれません。

※補足:ぴよぴっこさんのnoteで誤植の訂正が出ています

②-2.『ぶきっちょさんも完成できる! いちばんやさしい「推しぬい」つくりかたBOOK』

(20240904追加)
監修:ぴよぴっこ
出版社:メイツユニバーサルコンテンツ

『ぶきっちょさんも完成できる!
いちばんやさしい「推しぬい」つくりかたBOOK』

 上記『もっとかわいくできる!(略)』の続編というか姉妹著のような立ち位置の本です。特筆すべき変更点としては原寸型紙で作れるぬいが大幅に小さくなった(20センチ→13センチ)こと、パーツ分けが簡略化され初心者にもとっつきやすくなったこと。刺繍の仕方、デフォルメデザインの作り方なんかも網羅されているので初心者さんにおすすめすべきは絶対にこちらです。
 あと今回は服の型紙も付属しています。助かる。 

◆いいところ
・原寸ぬいのサイズがとても手頃、かつ百均の服を着せられる
 特に後者は手軽に色々なコーデをさせてあげられるので恩恵が大きいと思います。まあボトムスはお尻がつっかえ気味になるんですが。
・型紙がかなり簡単
 相変わらず製作途中の写真のチャコが薄めなんですが、今回はパーツが大きくて単純になったのでこれで十分わかります。
・よくある失敗に対してのリカバリー方法が記載されている
 基本の縫い方から解説されていることを踏まえても、"初心者向け"という点でかなり配慮されているのがわかります。
・服の型紙も載ってる
 これ地味にすごくありがたいです。前作『もっとかわいくできる!(略)』は体型が特殊(一言で言うと頭身が低く同サイズ他の型紙と比較すると身体が小さめ)で、かつ本に載っていたのがぬい本体分のみだったので服探しに個人的にとっても難儀しました。
 百均対応サイズではありますが、それでも確実に着ることができる服の型紙がついてるのはポイント高いです。

◆難点
・型紙パーツが大きい分、刺繍枠や布のロスも大きくなる
 この本の型紙を使う際に、人型ぬいで初めて身体に刺繍を入れました。写真撮ってないのですごくわかりにくいのですが、1パーツ1パーツが大きいので"そのパーツ全体"を刺繍枠に収めようとすると結構大きいものが必要です。参考までに梨沢が使っている刺繍枠は直径16センチと12センチ(11センチだったかも)ですが、後者には収まりませんでした。パーツ分けが小さければそこだけ収めればいいので枠も小さくてすみますし、後から切り落とす部分も同様です。
 もちろんある程度材料のロスがあるのは仕方ないのですが、少ないに越したことはないよね、と。
・初心者に配慮するあまり慣れてきた人には当然の内容が多いかも
 もちろん初心に返ることは必要ですが、前作で慣れてる方にはかなり簡単な内容だなというのが率直な印象です。

 あとこれは個人的な愚痴になっちゃうんですが、『もっとかわいくできる!(略)』も含めてケアレスミス的な間違いというか不備?が多い気がします……。
 今回の本だと固有名詞で「さん」がついている他社店舗の敬称取ってるのはちょっとどうなんだろうとか(個人的にそこのお店が好きなのですごく嫌な気分になりました)。前回の本だと誤植が結構あって、それの訂正が出たのが初版が出てからかなり経ってから、しかも出版社のサイト等ではなく監修者のnoteで……とか。こういうのって監修者個人にさせるんじゃなくて、出版社側ですべきだと思うのは僕だけでしょうか。ちなみに出た直後くらいに誤植を見つけて出版社に報告してるんですが、それに対するレスポンスもついぞありません。
 なので正直なところ、この本を使って積極的に創作したいなと思えないのが本音です。今後も同じ出版社からシリーズが出るならちょっと購入も控えようかなと思ったり思わなかったり…………まあ本に罪はないのかもしれませんが……。監修者の方のコンテンツはすごく参考にしているし好きなので、信頼できるところとお仕事してほしいなと思ってしまう今日このごろです。以上。

③『手づくり推しぬいwawaちゃん』

著:平栗あずさ
出版社:グラフィック社

『手づくり推しぬいwawaちゃん』

 いわゆる推しぬい本を最初に出した平栗あずさ先生(個人的に先生とお呼びしています)の新しい本です。最初の方のご本は持っていないので触れません、すみません。
 やや頭身が高めのぬいが作れるほか、くびれボディ(!)の子も作れます。あと表紙がキラキラしててテンション上がります(そこ?)。

◆いいところ
・服+靴下、靴も作れる
 めっちゃくちゃ個人的にですがかぼちゃパンツ作りたかったので大変助かりました……!(いずれ作りたい推しのデフォ衣装がかぼちゃパンツ)
・合印が細かくて合わせやすい
 体のパーツは細かめなのですが合印(パーツ同士を縫い合わせるための目印)にアルファベットが振ってあるので、落ち着いて照らし合わせれば間違わずに縫えます。たぶん。
◆難点
・体の型紙が細かく分かれていて複雑
 初手で挑戦するにはハードル高いかな、というのが正直なところ。
・縫いにくいパーツも含まれる
 特にどこ、と言ってしまうと内容に触れそうなので……「特に小さいパーツがある」「縫い線がめちゃくちゃ多い箇所がある」とだけ。前述の写真の子は原寸20センチですが、落ち着いてやればなんとかなりました。今縮小(15センチサイズ)に挑戦中ですがこっちはちょっと怪しいかも…………?
※他の本の項目で「体型が特殊」と書きましたが、wawaちゃんについては市販サイズの服は着せてないので未検証です

3.まとめ

 まったく初めての方には『かんたん! かわいい! はじめての推しぬい&ぬい服』をおすすめします。残りの本でどちらか……と言われたらとっつきやすいのは『wawaちゃん』ですが、デザインの好みで選んでしまっていいかと思います。
(20240904追記)
 「制作しやすい」「百均の服が着せられる」「持ち運びやすいサイズ感」ということを踏まえると『いちばんやさしい「推しぬい」つくりかたBOOK』もおすすめです。

 次は百均で買うべきもの・買わないほうがいいもの(材料・道具編)を書こうと思っています。期待せずにお待ちください。





(4.おまけ)

 「本」というタイトルからははみ出すのですが、実は最初に作ったぬいがネット頒布型紙(かつ動画参照)のものだったので、おまけとして載せておきます。

①オタメイド!

 多種多様なポーズ(+髪型)の型紙を販売しているほか、服型紙の無料配布もあります。作り方は動画でという形になるので、購入前に動画を一度視聴するのをおすすめします。

 推しぬいというものの存在を知ったのがこちらのショコハジロさんの動画でした。最初に作ったのもこちらの『19cm韓国ぬい風型紙』でした。実物はとてもじゃないですがお見せできませんが…………


写真は比較的見せられる出来の
『おすわりぬい』と『くつろぎぬい』です

 これは個人的な考え方、というかどちらかというと思考のやり方、というべきなのかもしれませんが、梨沢の場合動画よりも本、というか紙媒体のほうが理解しやすいらしく、動画を見ながら……というのは向いていないようです。


②ぬいものアイドルたきゅーと

 キャラが濃い、そこがいい。あとエゴサぢからがすさまじいのでもはや隠れるのを諦めました。
 おそらくぬいを作る方はほとんどお世話になっているであろう、女子中学生ぬいものアイドルのたきゅーとちゃん。10センチぬいの型紙を配布してらっしゃいますが、それ以外にもぬい作りに役立つ情報を惜しみなく供給してくださってます。そして説明がわかりやすいんだなこれが…………

 個人的にめちゃくちゃ助かったのがフェイスラインしわしわ問題の解決法でした。それについてツイ……ポストしたら引用されて梨沢比でめちゃくちゃバズりました。びっくりした……。

 おしまい。

#梨沢ぬいログ
#自作ぬい #推しぬい #手芸

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?