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【梨沢ぬいログ】布の話

※今回本当に長いので(一万字超えてます)、目次から必要なところだけ読むのをおすすめします…………



0.はじめに(あるいは言い訳)

※相変わらずTwitter(といつまでも呼びたい現えっくす)のフォロワーさん向けに書いた記事です。
 梨沢をまったくご存じない方には優しくない可能性があります

 最初は「人型ぬいをイチから作るにあたって百均で買うべきもの(あるいは買わない方がいいもの)」の記事を作るつもりでした。というか進行形で作ってます。ただ、どう考えても一部の項目だけ肥大化することがわかったので、読みやすさの観点から分割しました。それでも一万字越えたんだよなあ

あえてスクショで出すけど必要なものはこんな感じ
(型紙とかが抜けてるので本来はもっと増える)

 今回はそのお太りあそばした一部分、つまりはぬいぐるみ本体を作るための布についての記事になります。
 無理やり一言にまとめると「髪用の布は手芸店で買え」です。お時間のある方はこの先もお付き合いください。


※今回は主に「ぬいぐるみ本体」を作るうえで必要な布についてのお話になります。
 服用の布についてはちょっとだけ最後に触れる程度です
※また作りたい"推し"について基本的には人間(人型)を想定しています。

1.前提たち

前提①:必要な色数=布の数

 推しがスキンヘッドである、もしくは素体ちゃん(主にのっぺらぼうかつスキンヘッドの子を指します)を作りたい等々の場合を除いて基本的にはぬい一体につき複数色の布が必要になります。肌用の布と髪用の布です。
 肌用の布はいわゆる「肌色」の布を指します。今どきあんまり推奨される言い回しではないのは承知ですがお許しください。いわゆる"標準色"(ペールオレンジくらいを想像していただけるとよいかと)と"色白"(店によっては"褐色"も)くらいなら手に入りやすい印象です。後々ちょっと触れますが、イエベブルベにこだわり始めたりそもそも推しの血色がめちゃくちゃ悪いとかですともはや沼に片足突っ込んでる状態になります。ようこそ。
 問題は髪用の布でして、まさに白って二百色あんねん状態。"推し"を作るうえでこだわりたい部分の代表格ではないでしょうか。色味はもちろんですが、質感も千差万別なので梨自身悩みどころだなと常々思っています。ただどうしても質感を重視すると縫いづらくなる=仕上がりに満足できない可能性も高くなるので、ある程度の妥協も必要かもしれません。また百均、特に小さめの店舗だと同じぬい用の布でも髪色用のカラバリが置いてないことがほとんどです。黒、あるいは茶色(店によってベージュがあったり濃いめの茶色だったりします)でない限りは最初から手芸店を頼った方が無難です。

前提②:書いている人(梨沢)のスペック

※必要ないかもしれませんが一応。
・本業は字並べ(と名乗れるほど最近書いてないので自信がない)、絵が描けない(重要)
・手芸歴はそこそこ
 編み物歴十年プラスアルファ、その前はニードルフェルトやってた UVレジンもちょっとだけ
 裁縫系(刺繍含む)は苦手だけどやらざるを得ないくらいの認識(進行形)、なのになぜか昨年夏〜秋ごろから人型ぬいを作り始めて今に至る
決して器用ではない(重要)
 ミシン習得するよりも「とにかく作りたい!」という気持ちがはやったのでオール手縫い 完成までにやたら時間がかかる
・趣味は百均とドラッグストア徘徊
・作るぬいはほぼ100%前髪縫いつけタイプで顔も刺繍する(素体やワッペン不使用)
 作るサイズは15センチもしくは20センチ(あんまり小さいと顔が刺繍できないので)


※以下の情報は2024年7月現在、かつ梨沢の主観でお送りします。
 材料ならびに自作ぬい、はたまた市販のぬいぐるみの写真が混在していますのでびっくりしないでください。現在よりも経験値が低い状態での作例や突飛なカラーリングの個体も含まれます。
 基本的に買ったもの・手元にあるもの・利用したことのあるものに対しての言及になります

2.ここに三種類の布があるじゃろ(?)

 "ぬい用の布"と一口に言っても千差万別です。共通点としては「伸縮性がある」「切りっぱなしでもほつれない」こと。
 ぬいは布の表面を合わせて(中表にして)縫い、ひっくり返すことが多々あります。このとき伸びない布だと返しづらいだけでなく、せっかく縫った糸が引き攣れたり切れたり、力任せに裏返した結果表面おもてめんが荒れてしまうおそれがあります。なので伸縮性は大事。装飾パーツに使うならまだしも、ぬい本体にフェルトが向かないと言われるのはこのためです。
 また「ほつれない」というのは補足が必要で、あくまで布本体が勝手に小さくならない という意味で捉えてください。ボア系/ファー系(後述)は切るとどうしても毛がわんさか飛びます。コロコロを用意しておくと楽です。狭い範囲ならマステが役立ちます。
 あと個人的に大事だなと思うのが「アイロン可かどうか」。後々紹介する布でもアイロン不可のものがあるので、必須条件とまでは言えません。ただパーツによっては両面貼りにする必要があり、かつそのためのグッズがどうしてもアイロンを使うので、中温でアイロンをかけられるものだと無難です。

①ニット系(◯◯クロス、ナイレックス等)

※ほぼ書き上げてから「ナイレックス系」って呼び名のほうがポピュラーな気がしてきましたが、この記事ではこのままで行きます。
 初心者さんにおすすめの布がこちらです。なんといっても縫いやすい、そして比較的安価。また「水洗いしても質感にほぼ変化がない」という点でも扱いやすいです。
 毛がループ状になっており、手触りが独特です。プライズ系の人型ぬいの肌はニット系のことが多いです。なので馴染み深い方は多いかも。あとマジックテープ(オス面)がくっつきます。

★いいところ
・縫いやすい、扱いやすい
 毛足が短いのでミシンで縫ううえでずれにくいらしいです。梨沢はオール手縫いなのでそのへんはわかりません()
・他二種に比べて安価
 百均でもボア系と比べて布面積が広くなってます
・水洗いしてもほとんど質感が変わらない
 洗っても大丈夫、という点では貼るタイプの刺繍シート(糊残りの可能性あり)と相性がいいともいえます

★難点
・触り心地が(他二種類と比較して相対的に)高級感に欠ける
・布の方向がわかりにくい
 縦横はともかく(より伸びる方が横です)、毛並みがないので上下がわかりにくいです。逆に言えば間違えてもわからないのは長所かも。

②ボア系(◯◯ボア、ソフトボア)

 推しぬいの材料としておそらく一番メジャーなのがこれです。ツヤのある見た目とふわふわさらさらの手触りで高級感もありますが、ニット系よりも扱いにくい印象。
 また毛足が短いもの(1〜1.5ミリ程度)と長いもの(5ミリ程度)に分けられます。肌用にするなら短い方をおすすめします。

★いいところ
・手触りがいい、高級感がある
・髪、毛並みの表現に向いている
 毛を逆立てると色が変わるので、布の向きがわかりやすいのも利点かもしれません。逆に言えば間違ったとき目立つんですけど……

★難点
・やや縫いにくい(?)
 ……と言われますが梨沢が手縫いする分にはあまり不便さを感じません。もしかして:慣れ
・刺繍が埋もれてしまう
 針先等で掘り出す(?)ことはもちろん可能ですが、せっかく縫った部分を傷つける可能性もあります
・水に弱い(手触りが変わってしまう)
 もしかすると最大のネックかもしれないのが、水に濡れると風合いが変わるというか損なわれてしまうところ。手芸本によってはドライヤーで即座に完全乾燥させると復活する、という記述もありますが信じてはいけません(実体験)。また専用洗剤・トリートメントも売っておりそれを使うと……? という可能性もありますが、結構な高級品なので梨沢は使ったことがないです。基本的には水分NGと思ってください。そういう意味で言うと、貼るタイプの刺繍シートとの相性も悪いです(※糊残りの可能性が高く、水洗いしないと取れないため)。

③ファー系

 毛足が長い。以上。
 基本的にはボア系のいいところ・難点をそれぞれさらに強化したもの、と考えていただけると大体合ってます。言うまでもなく上級者向け。また毛足が長い=厚いので、裏張り(※アイロン接着等の方法で布を貼り合わせて両表にすること)するには向きません。

★いいところ
・見た目がとてもいい
・ボリュームが出る
 いわゆる「中韓ぬい」と呼ばれるジャンルに近い髪の表現ができます

★難点
・とっても扱いにくい
・使う部位を選ぶ
 とある本で「足の裏だけ柄布を使うとかわいい」とあり、たまたまその時作っていた子にヒョウ柄ファーでけもみみをつけていたので「同じ柄にしたらかわいいのでは?」とひらめいた結果がこれです

どん

 大 惨 事 。この子はほぼ組み上がっていたので毛を刈って平らにして事なきを得ましたがファーの意味とは……? ってなりました。ぜひ反面教師にしてください。
・高価、かつ売っている場所が少ない
・切り方にコツがいる
 せっかく毛足が長いのに切ってしまうともったいないので……また、他二種に比べて裏地ががっつりしている(≒切りにくい)のも特徴です

(④使えなくはない布(製品))

 基本的にはぬい用の布を買って使った方が手っ取り早いし使いやすいのですが、どうしても…………という場合に使えなくもないものはあります。実際、梨が最初に作った人型ぬいちゃんの髪は百均のネックウォーマーを切り出したものでした。真夏なのに探し回って逆に大変だったこと、そして(当然手芸用のものではないので)裏面にチャコが乗らなくて大変だったことを覚えています。梨が使ったことがあるものは以下になります(全て百均で調達)。
・ネックウォーマーを解体したもの
・"ぬいぐるみ用"の表記のないボア生地(ローズボア)
・フリース生地
・タオル
 この中で特にタオルはアイロン不可なのを見落として大惨事になりました。一応形にはなりましたが……

そもそもまだ慣れてない時期なので刺繍も荒い

 なので基本的には「ぬい作りにはぬい用の布を使う」べきだなあとしみじみ思っています。

★いいところ
・ぬい用生地ではできない表現ができる(かもしれない)

★悪いところ
・扱いづらい
 そもそも手芸に向いていない素材の可能性もあります

2.個別の布あれこれ

※順番は「手芸に詳しくない方が手に取りやすいだろう」という観点でソートしてあります。具体的には百均→手芸店(実店舗)→通販で買える、という基準です。

2-1.百均で買える布たち

①ダイソー ぬいぐるみ用カラークロス

分類:ニット系

左:ライトカラー(ブラウン)
右:ライトカラー(ベージュ)

 とりあえずなんでもいいから作ってみたい! という方におすすめなのがこちらです。理由としては「百均で手に入ること」「大きめなので失敗を恐れなくてもいいこと」「ニット系なので扱いやすいこと」の三点。
 難点なのは「安価かつ大きい分、質が悪いこと」。悪い、と言い切ってしまうのもなんとなく嫌なのですが、やっぱり手芸店のものと比べると荒いなという印象です。遠慮せず使えると考えると利点かもですが。あと実はアイロン不可って書いてるんですよね。見なかったことにしてかけてますけど……だって折りジワやばいんだもん…………。自己責任でやってるので真似はしないでください。
 カラー展開はライトカラー二色(ブラウン、ベージュ)、ダークカラー二色(ブラウン、黒)の計四色。肌色として使えるのはベージュだけな気がします。

②ダイソー ぬいぐるみ用ボアクロス

分類:ボア系(短……?)

左:パウダーピンク
右:ナチュラルカラー(オレンジ)

 競合他社(後述)より結構遅れて出てきたダイソー製のボア。比較するとやっぱり「質より量(面積)」な印象を受けます。あとなぜかカラバリがやたら豊富、かつわりと最近増えた。
 競合他社(略)や手芸店のものと比べると明らかに質が違います。良い悪いというよりは特殊と言うべきだと思っていて、他のものがさらっとしているというか平らというかなめらかなのに対し、明らかにダイソー製だけぽこぽこしてるんですよね。個人的にはこれはこれでかわいいなあと思ってます。使うものは選ぶけど。
 カラバリはナチュラルカラー二色(ベージュ、オレンジ)、ビビッドカラー三色(グレー、赤、ブルー)、ダークカラー二色(ブラウン、グレー)の計七色……にごく最近パウダーピンクが加わって八色になりました。これだけ色数あるのに白がない不思議。肌用としてはナチュラルカラーのどちらか、もしくはパウダーピンク(色白向け)が向いてます。ダークカラーのグレーはほぼ黒です。

突飛な肌色のキャラも作れる(赤使用)

 余談ですが梨沢の最寄りのダイソーはそう大きい店舗ではなく、ボアクロスの取り扱いがありませんでした(※カラークロスはある)。なのでほぼこのボアクロスのためだけに行動圏内で一番大きい店舗まで通っていたのですが、なぜか最寄りでもパウダーピンクだけ扱うようになりました。嬉しいけどなんで……?

 上記は参考動画です。

③セリア ぬいぐるみ用ソフトボア

分類:ボア系(短)

左:スノーピンク
右:ピンクオークル

 梨沢が一番よく使っていて買いだめしているのがこちらです。自作の子たちの肌はほぼこれ。セリアに行ったら真っ先に探します。「狙った色が必ずある」とは言いきれないくらいの品薄加減です。
 すごく失礼な言い方をすると「百均のわりに手触りがめっちゃいい」。初めて綿を詰めて触ったとき感動しました。もちろん手芸店で売っているものには敵いませんが……。あとサイズ的にはダイソーのものより少し小さくて、「20センチぬいを作ろうとしたら一枚だと微妙に足りなかった」という実例があります。あったらふたつ買っておくと安心かも。
 カラバリは四色……のはずなんですけど、ホワイト/ブラックの二色は梨沢は見たことがありません。ぬい系Youtuberの方(複数形)の動画には出てるので、「田舎には回ってこないんだなあ」と思ったり。冗談ですけど。

 肌色としてはピンクオークル/スノーピンクの二色があり、先んじて出ていたピンクオークルの方をよく見かけることが多い印象です。スノーピンクの方が明らかに色白かつブルベ寄り……なんですけど、他の生地の肌色と比べると黄色いので、本当に生っ白いというか血色悪い人を作りたい時は向きません。なおピンクオークルはかなり健康的な肌色です。

※ちなみにセリアには「ぬいぐるみ用カラークロス」というものも存在し、こちらはニット系の生地です。カラバリも結構豊富。独立した項目を立てなかったのは、「特徴を語れるほど使ったことがないから」という一点に尽きます。一回ボア買ったらそっちに惚れ込んじゃったんだよなあ……。こちらもダイソーの同系統と比べると小さくて質がいい印象です。

 本当にたきゅーとちゃんには足を向けて寝られない。いつもお世話になってます。


2-2.手芸店で買える布

①KIYOHARA ぬいクロス/ぬいクロスボア

分類:ニット系(ぬいクロス)/ボア系(短)(ぬいクロスボア)

 すみません、持ってはいるんですけど縫ったことはまだありません。なので使いやすさについての評価はしません。ぬいクロスボアは本当に手触りがよくてずっと触っていたくなるなめらかさ、ぬいクロスはザ・ニット系な手触り。当然ながら百均製より明らかに密度が高いです。
 質の違う二種類の布をまとめたのは理由があって、実はこのふたつは色番や色名が共通していて対応させやすくなっています。主に裏貼りする時に便利。ただ個人的には「同じ色」と言い切るには抵抗あるんですよね…………ボア系は毛並みを逆立てると色が濃くなるんですが、逆立てた状態のぬいクロスボアとぬいクロスが同色ってイメージです。伝わるかな?

左:ぬいクロス、右:ぬいクロスボア
(どちらもさくらミルク、正直この色だとほぼ同色)

 なのでわりと濃淡に差はあるんですが、組み合わせて使うならこのペアが最適解かなとは思います。髪のインナーカラー表現とかでわざと違う色合わせたい場合でもなければ。
 カラーバリエーションが結構豊富です。肌色に使えるのはうち三色ぐらいかな? 第一弾と第二弾があって、(あくまで梨沢地方の話ですが)第一弾の方は手芸店でも買えますが第二弾は通販に頼ってます。田舎だからお店が狭いんじゃ。系列によらず、店舗でも通販でもぬい用の布としてはかなり色んなところで置いているというイメージがあります。

②KIYOHARA ぬいクロスパウダーボア

分類:ボア系(特殊枠)

 名前でわかる通り前の項目で挙げたものの姉妹品で、ボア系ではありますが見た目が特殊かつ扱いにくいので別枠としています。少なくとも初心者向けではない。
 手触りがさらさらふわふわ、かつ毛足が長め(4ミリくらい)です。毛足が長い=生地として厚いので両面貼り合わせて使うとかなり縫いにくいです。また地の生地がほつれているわけではないのですが、ちょっと切っただけで毛がボロボロ落ちてきます。なので貼り合わせパーツとしての使用、特に挟み込み髪パーツとして細かい曲線を表現するのには向いてないと思います。

アイボリーブラック使用
結構整えたけどこのくらいボサボサ

 おすすめ通り着ぐるみ的な服を作るとか、あるいはつるんとした髪型の子には向いてるのかなと思います。製作上どうしても弄り回すことになるので、せっかくの手触りが損なわれやすいのもネック。

※あと「推しヘアークロス」という明らかにツンツンヘアー向きの布もあるんですけど、見るからに縫いにくそうで手に取ってません。毛足3センチ(!)ですってよ。前髪縫い込まないタイプのぬいの方が導入しやすいかもしれません。知らんけど。あと個人的にはパケがちょっと手に取りづらい。


2-3.通販で買える布

①グッズプロ クリスタルボア

分類:ボア系(短)

左からのりおにぎり、オールドピンク、ディムグレー

 髪の布で迷ったらこれを買えって感じの布です(※もちろん色にもよりますが肌用としても使えます)。メーカーさん曰くの"業務用"で確かに質がよく、カラバリもかなり豊富。限定色なんかもあったりします。また布に型紙パターンが印刷されていてあとは切って縫うだけの同社製品「ぬいパタ」にも使われています。初心者さんがとっつきやすいだろう順番で書いたので後ろの方になってしまいましたが、かなりメジャーな生地です(※個人の感想です)。
 個人的な体感ですが結構伸びます。同社製品の「おもちボア」(ボア系(短))が「クリスタルボアよりよく伸びる」とあるんですが、そもそもクリスタルボアも伸びます。伸縮性が大事、とだいぶ最初の方に書きましたが伸びすぎても無限に綿が入って形が変わるおそれがあります。梨沢は後頭部に使う時は念のため接着芯を貼ってから使ってます。
 また基本的な入手方法としてはグッズプロさんの通販サイトで(梨沢は楽天で買ってます)、切り売りで買う形になると思います。ここまで触れてきた布は既に決まったサイズでカットクロスにされているのですが、クリスタルボアは幅だけが決まっており、長さを指定して買う方式です。手芸店で布の巻ごとレジに持っていって買うイメージが近いかも。数量を"1"にすると"縦10センチ×横は各布や色で決まったサイズ"で買えます。あくまで目安ですが15センチ、もしくは20センチぬいを作るなら数量2(つまり20センチ)で買っておくと安心です。注文の合計数量によって送料が変わったり、また色によってはもっと小さいサイズのカットクロスで買えたりもするので、詳しくは後述のURLをご確認ください。

 なおここまで通販前提で書きましたが名古屋に実店舗があります。色味や質感はもちろん直接見て選んだほうがいいですし、店員さんが相談にのってくれるそうなので、行動圏内であれば断然おすすめです。梨もいつか行ってみたいんですが本当にいつになるかわからない……

※前述の「おもちボア」をはじめ、同社製品には「ぬいれっくす」(ニット系)、「フラッフィーボア」(ボア系(長?))等色んな種類の布があります。クリスタルボアとおもちボアとの違いをメーカーさんがまとめてくださってるので引用。

 「ボア系で」「扱いやすく」「色数が多い」となるとクリスタルボアが一番かな……と個人的には思います。色数の点で次点がぬいクロスボア。

3.おすすめ通販サイト

※独断と偏見に拠ります。また「布の話」という記事タイトルからはみ出す内容を含みます。

①ぬいぐるみの生地やさん(BASE)

 推しぬい系の複数の著書がある平栗あずさ先生(※個人的に先生とお呼びしています)の会社で運営されているお店です。"さん"まで固有名詞だよ。
 平栗先生の本の型紙の発展型やキットがあるだけでなく、「使われてる材料(布、糸等々)をそのまま買いたい!」という時にとっても便利。またぬいクロス/ぬいクロスボア/ぬいクロスパウダーボア等の監修もしているので取り扱いがあり、併せて買いやすいです。あといわゆる"肌色の布"の種類が豊富。

 個人的には行動範囲内にコスモの刺繍糸の取扱店舗がないので、例の色が買えるのもポイント高いです。実際使ってみたけどほんとにわかんないレベルの段染め。

 カットクロス売りと注文数量×Xセンチの切り売りが混在しているので、商品説明はよく読みましょう。

②グッズプロ(楽天)

(↑は生地の一覧です)
 前述の通りクリスタルボア・おもちボア等々のメーカーさんによる直販サイトです。アマゾンでもページはありますが布のみの取り扱いだそうです。
 「ぬいは作りたいけど刺繍は無理!」とか「そもそも絵が描けない!」という方向けのサービスもあります。

 あとぬいパタも有名です。

 布の話に戻しますが、体感としては切り売りの割合が高い印象。とはいえカットクロスも混在しているので、商品の説明はしっかり読みましょう。(楽天の場合ですが)注文する布の量によって送料が変動するので、そのあたりの計算もお忘れなく。布の全色サンプルもあるのはメーカーならではって気がしますね。

③Little Closet(BASE)

 ショップ名の通り基本的にはぬい用の服屋さん……なのですが、首から下部分が既に組み上がっている「ぬいの素」をはじめ、布や刺繍糸など資材も取り扱っています。


4.まとめ

 肌部分の布については百均で調達しても問題ないと思います。もちろん質や色味にこだわりたければ手芸店(通販含む)で買うのもあり。お財布と相談しましょう。
 髪用の布については、百均にはそもそもカラバリからしてないことが多いです。「何色でもいいからとにかく試しに作ってみたい」という場合を除いて、手芸店を覗いてみることをおすすめします。
 ぬい用の布ではないものを使う際にはそれ相応の"覚悟"が必要です。色々な意味でおすすめしません。


 次こそは「百均で買うべきもの(あるいは買わない方がいいもの)」の記事を出します。期待せずにお待ちくださいませ。




5.おまけ:ぬいの服どうする問題(とりあえず何か着せたい編)

 そもそもの話なんですけど、推しぬいって着せ替える前提なんですよね。つまり本体としてはすっぽんぽんなわけです。

参考。
プライズ系だとそもそも脱げない場合もわりとよくある
清々しいまでにデフォルメされた靴紐を見てくれ

 デフォルメとはいえ裸の推しを放置しておくのはしのびない、って方は多いと思います。かといって元々の衣装(ジャンル等にもよりますが)を再現するのもなかなか……というのもわかります。そんな時に何を買えばいいのか。

>>色味が地味<<

 靴下です。百均に走って靴下を買いましょう。

 もちろん百均でなくとも構いませんが、使う部分がごく一部であることを鑑みると百均(もしくはそれ以下の価格帯)のものだと躊躇なく裁断できるでしょう。また、色違い(できれば質感も違うやつ)で二足買っておくのをおすすめします。梨は最近ぬい化欲のある某キャラクターの公式私服が黒パーカー+黒ズボンで戦慄しました。
 靴下を使う利点としては、口ゴム部分がそのまま襟・もしくはウエスト部分として流用できるので非常に服の形に作り変えやすいことがあります。またいざというとき洗濯できるのも地味に便利です。難点としては切り落としたあと使わない部分が結構あり、なんとなくもったいない気分になること。まあ手芸全般わりと材料のロスが多いので今更といえば今更なんですけど…………

 身も蓋もないですが作り方については梨がこの場であれこれ説明するより、上記の作り方動画をちらっとでも見ていただいた方が手っ取り早いしわかりやすいです。なのでここでお伝えするのは使う靴下の選び方。
 季節によっては見つかりづらいですが、クルーソックス以上の長さがあるものがベストです。ぬいの上半身、あるいは下半身がおさまるわけなので短すぎるものは使えません。自分で履くしかない。体感ですがぬいしろ含めて直線部分が7〜8センチはないと厳しい気がします。

 またハイソックス等長いものだと大は小ならぬ長は短を兼ねてくれるんですが、ロス部分が大きくなるので精神衛生上避けたほうが無難です。エコじゃないし。モコモコ系で長いやつはフードを作る手もあります。
 サイズは(15センチあるいは20センチぬいに着せることを考えると)レディースもしくはキッズサイズがいいと思います。百均に限るとなかなかキッズサイズには選ぶ余地がないので、基本的にはレディースから選ぶとよいと覚えておいてください。多少オーバーサイズでもかわいいですし、小さくても伸びるので着せられます。

 デザインについては好き好き……なんですが、ズボン用に関しては無地かつ編み込み等がないタイプがおすすめです。なんたって縫いやすいから。トップス用も同様ですが、ワンポイント刺繍(※)等が活かせるのでズボン用よりは自由度が高いかと。個人的にはリブ入りを使うとセーターっぽくなるのでお気に入り。女の子に着せるならゴム部分がフリルになってるのもかわいいです。
(※人間が履いた時サイドに刺繍が来るものを選ぶと、ぬいが着たとき正面になります)


口ゴムが広いものを使って折り返すと
タートルネックぽくなる

 なお、型紙の本によっては本体と一緒に服の型紙や作り方も載っていることがあります。もちろん百均の布、特にカットクロスが使えますが、できるだけ柄が小さいものを選ぶとよいでしょう。ぬいは人より小さいので、気を抜くと巨大柄でド派手になっちゃいます……。

これは確かキャンドゥのカットクロスだったはず

 もちろん「服は作らない、買う」というのもアリです。ただコーデのジャンルに偏りがあるのでご注意ください。

 とっても長くなりましたが、どこか一部分でも参考になりますように。

 おしまい。

#梨沢ぬいログ
#自作ぬい #推しぬい #手芸

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