「添える」

WEDNESDAY PRESS 063

部屋を整理していたら古い日記が出てきた。
古いといっても2009年だが、その年は大きなノートにその日出かけたライブのチケットや届いた手紙やハガキを貼り付け、その感想を書いたりしていた。

そこで見つけたハガキには
「長年の縁に免じて、最後の教育的指導。掲載誌を送るとき、事務的に本だけを送るのではなく、門上直筆(署名だけでも)の此の度はありがとうございました」の挨拶文は同封すべきだった」と師匠からのメッセージがあった。じつは、その前のハガキでは「主幹みずから一筆して25周年祝いのめっせーじを乞う」という礼儀を手抜きした。それが間違いだったな。人を甘く見過ぎだ」書かれていた。
お礼にシャンパンを送った返信であった。

つい忘れがちのことである。
何を依頼する。何かを送る。その時にどんなメッセージを添えるかで、受け取る側の気持ちはかなり変わってくる。
手書きの少しのメモがついているだけも、伝わることは多い。

ある作家から送られたきた新刊には「明日発売の新刊を送らせてください」とのメモがあった。それを読んだ瞬間に気持ちがグッとその本に向かった。
添えることの凄みを感じたのであった。

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