原_游-4

時にはみえる ニコニコ ドクロ

震災の時、1人でアトリエで絵を描いていました。電車が止まり、電気も止まったのでろうそくをつけて静かにしていたのですが、11時くらいに電気がつきました。私はふだんからテレビを見ないので、そのまま朝まで何も知らずに電気がついたので絵を描いていたのですが(家に誰も帰って来なかったので)、不思議なことがありました。私が使っていたCDプレーヤーが5枚のCDをいれるオートチェンジャーだったのです。そのとき5枚CDが入っていたのですが、なぜか1枚のCDしか朝まで再生されませんでした。それが細野晴臣の「ナーガ」でした。ほかの4枚はとばされて再生されていました。アンビエントのアルバムです。ナーガというのは蛇の神様のことです。

朝になって母が帰ってきて震災の全貌を知ったのですが、アートフェアのために次の日からも自転車でヘルメットをかぶってアトリエに通っていました。ギャラリーから電話があって、アートフェアは延期は無いときいたからです。(でも結局延期になりました)その時、自転車で通いながら(4駅でした)絵を描く仕事はよかった、となぜか思いました。