見出し画像

訳ありじゃなければ夢追いとみなされる地方移住の話

ゴールデンウイークですね、みなさんこんにちは。
ああもうあと休みは2日だけ!となった2021年5月4日のかちやまです。
世の人々はコロナ禍であっても人生の思い出づくりに励んでいることでしょう。

一方こちらかちやま。カレンダーの5連休通りとはいかず3.5連休のうち既に1.5をベットの上で過ごしています。
なんせここ何ヶ月か休む暇もなくうろうろしてきたので…あ、そうなんです、4月からまた北上して引っ越しました。
コロナ禍になにやってるんや、と自分でもツッコミたくなるほどの勢いでこの世をふらついています。

もうとにかく何かから追われていると思い込んでいるかの如く、東京から脱出し、また更に北上しました。
なぜかってみんな不思議がってるんじゃないかと思います。
肝試しでひとりだけ霊感強くて周りの人が、えっ、いるの?ここ?ここに?!!いるのーーー?!!!!ってなってるみたいな感じでしょう。あなたには見えるかもしれないけど、わたしには何も見えないのになぜそんなに怖いのよ?!!!という感じだったと思われます。

移住する前の価値観

私は振り返ってみるとこの人生で、まず県庁所在地以外に住んだことがなかった。
それから駅は徒歩20分圏内に必ずあった。
地下鉄や電車が走っていて、50万人以上が暮らす政令指定都市に住んでいた。
車の維持費の方が高くつき、電車は1時間あたり何本も走っている、いやむしろ5分や10分に一本は確実に走っているようなインフラが整った場所に居を構えて生きてきた。
不便なことなんて何もない。
大体10分も歩けばコンビニやスーパーがあるのが当然。

え、これが当然じゃない世界があるの?

と、口にしないまでも、少し前の私は本当にそう思っていたと思います。

移住への憧れ

それなりに期待感膨らませて移住をしてきた。
移住への勝手なイメージを羅列すると、

・近所の人が干渉してくる代わりに野菜とかもらえる
・人はのんびりしていてとても親切
・生活コストが安い
・小さいコミュニティでも仲良くなれる人がいる
・古い家や使われていないものがたくさん転がってて手に入れやすい

まあこんなものだろう。
あんまり具体的に考えたこともなかった。
ただ、日本の国土の8割以上が東京以外であり、逆に東京での暮らしがスタンダードではないということにも気付いていた。

移住してやっとわかった本当のこと

移住は期待はずれだったかと言われるとそうでもないけど、予想通りではなかったことはいくつもあったように思う。以下に4点を御紹介。

①まず空き地や空き家は死ぬほどあるのに、誰のものなのかわからなくて使えないものや場所が無限にある。
そもそも地域資源だと思っていた空き地や空き家は当然ながら誰かが所有している訳であるが、何人もの親戚の集団が所有しており決裁権が分散し、手がつけられないらしい。
こういうの貸してくれるんじゃないのか?と思ってたけど全然借りられない。
しかも借りるとなるとそれなりに高い。
別に貸さなくてもいいらしい。貸すのは面倒なんだってさ。
メンテナンスされず、ただ埃まみれになって朽ちていく建物の正体はこれですね、噂の!東京マガジン観てる人はよくご存知でしょう。

②都会に出て行かない人、ではなくて、なんらかの事情で出て行けない人の割合が多い。
これはとても盲点だった。
家業を継ぐとか、地元が好きだとかそういう人しか見えてなかった。
もちろん地域に持ち家があるから、田んぼや畑を持っているから住み続けるということでもあると思うが、そのしがらみや仕組みから逃れられない場合も多々あるし、身体的な理由から地元を離れられない場合もあるということに気付かされた。
やたらに介護施設が多いのもそういうことなのかと驚いたのだが、高齢者だけでなく、なんらかの障害をもっていらっしゃる方の割合も多いように感じる。
駅前に集まるのは、ダンスの練習をする若者ではなく、行き場のない近所の知的障害をもつ方々、という事に気づいたのは移住してからしばらく経ってのことだった。

③女は黙ってついてこいの世界。
東京で暮らしていた頃も、何で21世紀になってまでまだ女性は社会に進出出来ないのだろうと思っていた。組織のボードメンバーに女性が入っていることでSDGsを意識した先進的な企業であるイメージを持つために女性役員を入れたりするくらいなもので、未だに女性の生きにくさに変わりはないけども、それをまざまざと実感する世界。
役場内で結婚相手を見つけて家庭に入ることが目標の実家暮らしで大人しい女性も多い。電話対応窓口対応。企画提案なんて男がやる、大丈夫守ってあげるから、と言われるのだけど、いや死なないから大丈夫です最前線行かせてくださいと言うとだいたい邪魔者扱いされる。
はい、そんなことないよ、何言ってんの?!誹謗中傷!!て言ってるあなた、男性ですか女性ですか…?(おちつけ)
これはもう転生してもらうしか方法がないってほどになかなか表現しにくいことなので、一応置いときますが、東京で働きながら感じてたことが拡張した感じがします。

④ひとは優しいです。
とっても親切です。イメージしていたように、自分の家で取れた野菜をいただいたこともありました。
ただ、働いている時に出会うのは引っ越ししたことない、転職したことない、一人暮らししたことない、そういう人たちです。仕事で徹夜したことあるのか、終電逃してとぼとぼ歩いて1時間かけて歩いて家に帰ったことあるのか、水道ガスとまって水で髪洗ったことあるのか笑笑、そんな話飲み会でしても???てなりそう…
独身女性は悟りきった層に多く、同年代の独身女性にはほぼ出会いませんでした。

話が合わない

そんなわけで、私はポケモンでいえばレアキャラなのかな、というくらいに、謎の人間となってしまいました。
3回は転職してるし、地元は北海道なのになんでこんなところに?もうすぐ40歳にもなるのに独身で働いていると…さてはとんでもない野望があるのか?夢は何?
よく夢は何って聞かれるようになってうんざりしていたのですが、はい、自分のポテンシャルのせいでした…

かなちゃんの夢は何?

この質問がとても苦手で、なんと答えていいのか全くわからないのですが、とにかく自分が幸せになりたくて、東京を脱出して、ふわふわと流れてここまできているのですが、この年齢で仕事を求めて地域に住むなんてよほどの意思があるのだろうと思っていただいているのでしょうけれど、そうでもありません。
確かに、語ればこれまで様々な体験をしてきた上での移住の決断が何故なのか私はもう少し上手く話すことができたらいいなとも思うのですが。
そしてその考えが、地域に暮らすことのメリットや魅力として還元できるきっかけになるような気もしながら、探り探り生きています。
夢は何?って聞かれる理由がやっとわかったくらいです。

独身女性よ、地方に移住したら、訳ありか、そうじゃなければ夢追いだと思われるぞ覚悟しておけ!!

というわけで、こんなささやかな話も、移住を考えるためにひとつの参考になると嬉しいです。

では残りのゴールデンウイークも健やかに過ごされますように。

かちやま

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?