青春と刻まれた時を彷徨った。仕事にも通った。酒飲みの先輩は、この町で生まれこの町から旅立った。ずいぶんご無沙汰しています。

「京都慕情」

新京極で朝風呂を浴びて、七時には三条堺町の「INODA」で珈琲を飲んだ。

そんな幸福な日は、一年に数えるほどしかなかった。

鴨川で拾ってきた自転車を修理して、松原から上賀茂まで漕いでいった。

何も起きなかった町は、何も起きないまま、ぼくの中にひっそりとある。

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