日次で管理すべし
先日、脱毛サロンの銀座カラーが倒産した。
負債総額58億円、被害者は約10万人といわれる大型倒産だ。
脱毛サロンは、前金制ビジネスだ。
前金制ビジネスはお金回りがいい。
稀代の経営者、グッドウィル・コムスン創業者の折口雅博氏に20年以上前にインタビューする機会を得たが、その時に折口さんが僕にいったのは、
「これから起業をするのなら、塾や英会話教室などの前金のビジネスがいいよ。」
と言われたのをよく覚えている。
しかし、今回の銀座カラーの倒産もそうだが、2007年には駅前留学で有名な、英会話最大手のNOVAも倒産した。
コロナの影響もあるだろうが直近で脱毛サロンや美容系大手の倒産も相次いでいる。
何故だ?商売としていいはずなのに。比べたわけではないが、むしろ倒産数多くて、難易度高くないか。
失敗の本質は以下だと思う。
前金で受けるお金を自分のお金だと勘違いして使い込んでしまう
通常であれば、まずサービスを提供し、そしてその対価としてお金をもらう。飲食は同時にもらうパターンが多い。
カード決済であれば10日後あるいは2週間後だったりするし、B to B ビジネスであればだいたいは月末締めの翌月末払いが通例だ。
で、支払いを受ける側からしたらもちろん入金は早いに越したことはない。
ただお金があったらすぐ使ってしまう人にとったら前金支払や現金商売は注意をした方がいい。
昔、知り合いの経営者にその日のレジ金を握りしめてバクチに行く人がいた。
もちろん翌月末の業者の支払いの時にはお金はない。
前金でもらえた場合、さらにそのやばさが加速していく。
いわゆる、自転車操業だ。
支払を受ける周期が遅い商売をしている人ほど堅実なイメージがある。前金ビジネスをしている人は羽振りがよくギラギラしている人が多い。
銀座カラーは倒産の1年半前、100億の売上にも関わらず、銀行借り入れが0円だったという。
当時の負債が91億。その内前受け金が70億。70%以上が前受け金だったのだ。
年商100億、銀行借り入れ0円と聞けばどんな優秀企業なんだと思う。
しかし、前受金はいわばお客様にまだサービスを提供していない状態だから性質的には借入と同じである。
年商100億、借入70億、その年の赤字が11億と認識すれば相当やばい。銀行に借りていなく実績をつくっていないからもう銀行から借りることも難しい。詰みである。
お金には色がない。しかし、今目の前にあるお金がどういった性質のものなのか。本当に自分が使っていいものなのか、投資に回していいものなのか。
自分で正しい色を付けていかなければいけない。
この感覚の鋭い人が、名経営者になっていくのだろう。
経営の神様と言われた松下幸之助氏と稲盛和夫氏だが、
松下幸之助氏は、
「ダム式経営をしなさい。苦しい時にも余裕をもって経営できるように。」
と言ったし、稲盛和夫氏は、
「売上最大、支出は最小」といい、
規模が大きくなればなるほど、自分ゴトとしてとらえられない人間の本質を見抜き、ユニットごとの独立採算制、日次決算を行う、
アメーバ経営を推し進めた。
飲食の話をしよう。たくさんの企業があるが、
日次で管理できているところは非常に少ない。
月末に思っていた数字と違う。資金繰りが大変だ、という企業も多い。
飲食会社で、何の管理をしなければいけないか。
最も重要なのは、Food(原価)とLabor(人件費)。
頭文字をとって FL管理だ。
なにせ、この数字だけで
60~70%位ある。
家賃は1回借りれば基本、変わらない。水光熱費も知れている。
最も大事なのはFL。
しかし、このFLが毎月ぶれまくっている事がある。
成功している企業ほどこの数字が毎月ぶれない。
ぶれても1%とか。
管理されていないお店は、いい時はいいが、悪い時は悪い。5%以上のぶれ
があったりする。
このnoteは基本、外食経営者をターゲットに想定して書いている。
いい機会なので自分の会社を見直してほしい。店長や飲食従事者は自店を創造して欲しい。
以下、飲食店で管理をしている人は記事を買ってください。それ以外は買わなくていいです。面白くはないですが、僕の今時点での結論です。
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