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鶴亀短歌 勝手にかっちー賞

大変遅くなりました。すみません。

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それでは早速発表。順不同の十首です。



熱うつつ頭の中はパステルに
色とりどりのケーキキルキル


定型詩って意味ももちろんだが、ビジュアル(見た目)や音も同じくらい大事と思う。一覧を眺めているとパッと目に飛び込んでくる歌。音も楽しい。「熱うつつ」だが色鮮やかで楽しい。



君といた夏は一億光年の
XとYのあはひの空よ


こひのむさんの歌と同様、パッと目に飛び込んでくる「XとY」。同じ時間と空間を共有した奇跡を、とてもスマートに詠まれていると思います。dekoさんっぽい。



駅方面とだけ書かれた矢印が
指す夏の大三角形


市井から宇宙へと導く人工物。ハッと我に返る瞬間。美しいセレンディピティ。素敵です。



純白の雲より出づる木漏れ日に
射抜かれて照る土間の残り香


正統派。雲間から土間まで真っ直ぐに伸びる光。最後に香り。ひさかたの、ってこんなことかな。美しい。



完熟のトマト幾つも押しつぶす
ようにそうして描く太陽


完熟トマトと赤々となる太陽の対比もよいが、下の句のまとめ感が素晴らしい。「ようにそうして」に、絵を描くプロセスが見えるよう。



どうしようクサくないかな今わたし
見上げられずに浴衣の袖ギュ


女心。いつもいい匂いをさせている女性が、内心こんなことを考えてるかと思うと少し安心します。



四階に昇るマンション街の上
あの懐かしき夕日見つめる

スウィートホームまであと一歩。その日一日を燃やす夕陽。エレベーターのない4階建て社宅の4階まで、歩いて上がった新婚時代を思い出したのです。



ごほうびに欲しかったのはソレじゃない
コレが欲しいと背中指さす


もう随分いい思いをしてるし、ズブズブの癒着みたいなので躊躇したが、好きなので仕方がない。こんなことされると無条件に抱きしめたくなるのが男です。



高瀬舟光の粒子掻き分けて
朗読の教師宇宙に漕ぎだす


「舟を編む」という小説があったが、文字、言葉の世界に没入していくさまは、まさしく漕ぎ出す舟のよう。高瀬舟が光の海を宇宙へと漕ぎ出す。ロマンティック。キラキラ。



はずされたえんどう豆の青いすじ
唐草模様を流しに描く


時間と手間のかかる作業の合間、ふっと発見した唐草模様。心に余裕があるさま。こうありたいと思います。



勝手にかっちー賞を受賞されたみなさん

おめでとう🎉



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